公共の秘密基地

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営業に告ぐ その3

ブログでは文句を言うことが多いが、決して普段からイライラしていたり、不満を抱えたりしながら生きているわけではない。
ぼくは負の感情を原動力に何かを生み出す人間なので、後ろ向きなくらいがちょうどいいのだ。
加えて神経質であるため、細かいことが気になる。
日ごろは周囲に感謝をしつつ暮らし、できるだけ誠実であろうと心がけている。
こないだも道に5000円札が落ちていたのだが、「持ち逃げするところがどっかの防犯カメラに写ってたらやだな」と思ってきちんと交番に届けたのだ。
あとはベビーカーと幼児の手を引いたお母さんに電車の座席を譲ったので誰か褒めてほしい。
昔の職場はうんこだったので、それを原動力にブログを更新していた。
加えて、通勤時間がドア to ドアで1時間半くらいあったのでその時間にブログを書くことができた。
今の職場は非常に快適かつ、通勤も自転車で約15分の距離になったことで鬱憤が溜まることがかなり減った。
それはいいのだが、ブログを更新する原動力が減ったことも意味するため、毎日更新していた頃と比べてペースが落ちたのはそれが原因だと思われる。
とはいえ今日も文句を言いたいことはあるので、職場にかかってきた非常識な営業電話の話をする。


mezashiquick.hatenablog.jp

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常識のない営業については今までにも書いたことがある。
訪問・電話問わず存在する非常識営業であるが、コロナ禍であることもあって訪問営業は減った。
代わりに猛威を振るっているのが電話営業、すなわちテレアポだけれど、あいつらは顔が見えないのをいいことに多少無礼を働いても問題ないと思っている節がある。


営業電話のほとんどは要件を告げずに代表者や担当者に繋ぐよう要求してくる。
基本的に営業電話は回さないことにすると事務所内での共通認識があるため、当該人物がいようがいなかろうが不在であると回答している。
しかし、不在だと答えると相手が後日掛け直してくる場合もあるので、基本はスパッと断るに限るのだ。
断る場合、自分が代表者なり担当者なりであると嘘をついて相手の説明を聞き、その上で必要ないと明確に回答をするようにしている。
ところが先日かかってきた電話は、物件の電気設備の測定をしたいとの用件で「代表の方をお願いします」と告げてきたので、「代表は不在ですがそのご用件でしたら私が承ります」と言った瞬間に無言で電話を切ったのだ。
最初は回線のトラブルかと思ったが、一向に掛け直してくる気配がない。
電話番号で検索をしてみると迷惑電話のデータベースがヒットし、いくつかの口コミが載っていた。
そこには、電気設備の点検であると言われたことや、断る、もしくは代表者が不在だと答えると電話をガチャ切りされたとの口コミがいくつかあった。
つまり、うちに掛かってきた電話も相手の明確な意思をもって切られたと見るべきだろう。
今までも態度が悪い営業電話はあったが、無言で切ってくる輩は初めてだ。
こうしてネタにできるからいいものの、正直電話番号も晒してやりたいところである。


また、要件を告げない電話に対してどのような用事かを先に聞くと、絶妙にこちらの怒りポイントを突いてくる返しをしてくるやつもいる。
それは「直接代表の方に説明したいので」だ。
暗に、「お前では話にならんから代表を出せ」と言われているようなものだ。
どうして要件も告げず、かつ不遜な対応をして目当ての人物に電話を回してもらえると思っているのか。
電話を取った相手が代表者だったり、代表者の身内だったり、態度の悪い電話があったと社内で共有されたりする可能性は考えないのだろうか。
ぼくはそういうとき「電話を繋ぐかどうかの判断は私に一任されておりますので、要件を伝えていただけないのであればお繋ぎできません」と答えている。
今のところはそれで引き下がるか、大人しく要件を告げてくるやつかの二種類がいる。
何だったら今はうまい返しを言いたいがために、非常識な電話に応対している面もあるくらいだ。


そしてこのくだりは前も書いたが、伝えたいことなので何回も書く。
世の中には多くの営業ハウツー本があり、ビジネス雑誌があり、そこではどこの馬の骨とも分からん【ビジネスパーソン】とかいう横文字のやつらがドヤ顔で営業哲学を語っている。
そんなドヤ顔パーソンに言いたいのだが、お前らの哲学の最初に【明確に要件を告げる】【相手の会話を遮らない】【お客さんに断られても機嫌悪くならない】ということをどうぞ書いておいてほしい。
お前らの仕事は営業活動を通じて会社や社会全体に利益をもたらすことかもしれないが、同時に営業職全体のイメージアップも担っているのだ。
うんこ営業ばかりでないのは承知しているが、どうか業界全体に自浄作用を働かせてひとつでも多くのうんこをまともにしてほしい。


とはいえ、うんこ営業が発生してしまう理由もよく分かる。
世の中の多くを占める文系学生が高校なり大学なりを卒業して最初に就くのは大体が営業職だろう。
営業に夢と理念を持って業務に励んでいるやつもいれば、本来の目的へのステップアップのためにと割り切ってるやつ、営業なんてやりたくないけどここしか就職できなかったやつなどいろいろだろう。
営業職に限らず、多くの人は仕事に対して明確なビジョンなんて持っていないと思う。
ただ生活のため、生きるために仕事をしているのだ。
更に、就職先がブラック企業だと一日何件のテレアポをして何件の訪問を確約して、という無茶なノルマが決められている。
そりゃメンタルも荒んでありえない営業をすることもあるに違いない。
営業電話の主がシステマチックに喋っているのは、いちいち感情を込めて熱心に話していては心がもたないからなのだろう。
だから、ビジネスパーソンとやらがギラギラした顔で営業哲学を説いたところで響かないのだ。
こうして面白可笑しく非常識な営業電話について書けるだけ、ぼくは恵まれているに違いない。


一応言っておくが、ぼくはうんこ営業であっても丁寧に対応している。
タメ口だったり、突然キレたりすることなく、あくまでも大人として社会人として真っ当な対応を心掛けているつもりだ。
しかし、礼を持って接したところで相手が礼を持って応じてくれるとは限らない。
相手に敬意を持って接する以前に、わたしはあなたに敵意はありませんよと表明することが初対面の人間と円滑にコミュニケーションを取るための手段だとぼくは考えている。
そのひとつが礼儀であり敬語だと思っているのだが、初見の人間にしょっぱなからうんこを投げてくるやつは存在するのだ。
でもぼくとしては優しい自分になりたいし優しい自分で人と接していたいので、これからも続けるつもりではある。


今はうちの業界は繁忙期なのだ。
一般的な常識があり、会社勤めをしているような人間であれば、業界の人間でなくても我々が繁忙期であることは分かると思う。
それにも関わらず電話をしてきて長々と喋り、あまつさえ訪問の約束まで取り付けようとしてくる。
そんな状況で丁寧に対応しているだけありがたいと思ってほしい。
どこを見て電話を掛けてきているのか知らないが、社名を見ただけで何をやっているのか一目瞭然な業種である。
テレアポの数をこなさないといけないのだろうけど、そのへんちょっとは考えてほしい。


電話をガチャ切りするような営業って、仕事外はどういう生活態度なのだろうか。
いくら仕事とプライベートを切り分けていても、業務中の態度がふと日常生活で出てしまうこともあると思う。
飲食店で自分の注文がなかなか来なかったり、注文を間違われたりしたら烈火の如くキレていそうではある。
自分が普段仕事で理不尽な思いをしているからせめて他人には優しくしようの精神ではなく、自分の味わっている理不尽を他人にもぶつけてやろうという気持ちで生きているに違いない。