公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

歌は世につれ世は歌につれ

ゆきぽよが交友関係のごたごたから大変らしい。
当初は覚せい剤の使用も疑われたものの、尿検査の結果は陰性だったとのこと。
ゆきぽよの尿検査に立ち会いたい。
彼女は元カレが少年院行きになったことを公言したりとアウトロー気味な発言が目立っていたが、昔と違って今はそうしたヤンキー的な価値観はウケないんだと思う。
尾崎豊の【15の夜】があんなにヒットしたのは、行き場のない少年少女の閉塞した境遇に共感した人がそれだけ多かったということで、決してバイクを盗まれた方に感情移入していたわけではない。
でも今なら、「他人に迷惑かけといて被害者面すんな」となるだろう。


最近話題の【うっせぇわ】聞きました。
「自分が特別な存在でないと気付いた子供が、自尊心を保つために"うっせぇわ"と叫んでる歌」だと感じた。
あとはなんか、古き良きボーカロイド曲の香りがしたかな。
一応大人なんで歌自体は刺さらなかったけど、歌詞にあるようなことはみんな考える時期あるよなって思う。
歌詞の最後のフレーズに【アタシも大概だけど どうだっていいぜ問題はナシ】とある。
うわ、最後ちょっと予防線張ってんじゃん。ビビッてんじゃん。ってそこだけはちょっとカッコ悪かった。
大阪人に倣って「知らんけど」にするくらいの検討を今からでもしてほしい。


若い子が若い子向けに作った歌だから、対象外の人間がごちゃごちゃ言うのは野暮というものだ。
自分らだって若い頃、大人たちに好きなものや仲間内で流行っているものを否定されたり批判されたりして嫌な思いをしたでしょうに。
年を重ねると若い子の価値観は理解できないのかもしれないが、それはぼくらの価値観を否定してきた大人も同じことだったはず。
「大人は分かっていない」と子供は言うが、大人でないのだから大人のことを分からなくて当然だ。
子供は大人になれないが大人は子供だった頃がある。
大人がとるべき行動は「こんなの現実を知らないガキが言ってることだ」という大上段からの物言いでもなく、「あ~、こんなこと若い頃思ってたわ。若いっていいよね~」みたいな認めてやってるぜ的なドヤ顔でもない。
秘密基地に自分たちの好きなものを持ち寄ってこそこそやってる子供の楽しみは、知ってて知らない振りをするのがいい。
間違っても子供たちの空間に土足で踏み込んでうんちくをたれたり説教をしたりすべきではないのだ。


マツコ・デラックス「"ありがとう 君がいてくれて 本当よかったよ"なんてみんなが思ってることをそのまま歌ってどうする。アーティストなら感情の細やかな機微を自分なりの言葉で表現しろ。」という旨のことを言っていた。
現代は検索すればすぐ答えにたどり着ける時代だから、まわり道が必要な難解なものより分かりやすいもののほうが好まれるなんて聞いたことがある。
「バズる」なんて言葉も定着して、これだけ娯楽が充実していると並みの承認欲求では満たされないし目立てない。
SNS発で流行ったものはパッと燃えてすぐ鎮火する印象があるから、過激さや分かりやすさが求められるのだろうか。知らんけど。