公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

それを決めるのはお前ではない

かなり前、うっせわでおなじみAdoちゃんについて書いたことがある。
どちらかと言えば否定的に書いた気がするが、先日彼女の1stフルアルバムが出たので聞いてみた。
それ以来癖になって結構ヘビロテしている。
歌詞が響いたわけでも、トラックが刺さったわけでもないのだが、あのがなるような歌い方はどうにも中毒性がある。
うっせえわのとき、彼女は17歳くらいだったと思う。
最近のアーティスト事情には詳しくないけれど、若くしてああいう歌い方をする人ってあんまりいないような気がする。
うっせえわは良くも悪くもキャッチーで、Adoちゃんという存在を世にアピールするにはよかったかもしれないが、「うっせえわの人」という印象も残してしまった。
うっせえわの人で終わらせるにはもったいないくらいいい曲があるのでぜひ聞いてもらいたいし、彼女にはこれからもがんばってほしいと思う。
というわけで今日は、人生を支えたわけではないけれど記憶に残っている音楽をピックアップしていく。


人生の節目節目で覚えている曲があるんだけど、それに生きる勇気をもらったとか支えてもらったとかではない。
出来事と曲とをなんとなく関連付けて覚えているので、印象に残っているだけなのだ。

T.REX 【Dandy In The Underworld


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ぼくの敬愛するマーク・ボラン率いるバンド、T.REX
彼らのこと、このアルバムのことについて書くと言葉がとめどなく溢れてくるので、今回は曲の思い出だけを語るに留めておく。
大学当時付き合っていた彼女が英語を学んでおり、外国人と普通にコミュニケーションを取れるレベルだった。
この曲はサビで「Dandy In The Underworld」と連呼する箇所があり、彼女がそれをえらく気に入ってよく口ずさんでいたのだ。
妙にいい発音だったこともあり、今でも耳にこびりついている。
ちなみに彼女はその後オーストラリアに留学し、現地の人間に寝取られてしまった。
厳密に言えば寝取られたわけではないのだが、ぼくは認知が歪んでいるのと誰かを憎まずにはいられなかったので寝取られたと思い込んでいる。
そのせいもあって、今でも外国人が大嫌いである。
あと、海外留学に行きたがる女は現地のチンコを味見したいだけだという思い込みも捨てられないので、海外留学経験のある女性はアウトである。
T.REXもこの曲も今でも大好きなのだが、聞くとどうも複雑な気持ちになってしまう。

Perfumeワンルーム・ディスコ


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社会人1年目に印象に残った曲。
曲のリリースも3月だったので新生活狙い撃ちである。
就職に当たって学生時代に住んでいた土地を離れ、新天地で新生活を送ることになったのだが、まさにそんなことを歌った曲だ。
次に紹介する曲とならんで、ぼくの新生活に深く根差している。
しかしPerfumeってみんな綺麗な脚。

椎名林檎ありあまる富


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こちらも社会人1年目の話。
新卒で入社した先の支店長が暴力という概念を固めて人の形を取っているような人間であった。
当時はすでにパワハラという言葉は存在していたようだが、彼の傍若無人ぶりを見てその言葉が思いつかなかったあたり、自分の周りでは縁遠い言葉であったようだ。
というか彼のやっていたことはパワハラというより完全に暴力のレベルであったのだが。
支店長についての恨み言を述べるとそれだけで前後編になるので、今回はやめておく。
とにかく同じ空間にいるだけで気を遣って神経が摩耗するし、その日の事務所の空気は支店長の機嫌の良し悪しで決まると言っても過言ではなかった。
他人の飲んでいる熱燗に氷を入れるような人なので、ぼくはとにかく彼と反りが合わなかった。
思うんだけども、ああいう癖の強い人間に合わせてうまくやっていくことが社会での処世術みたいな考えがすごく嫌いだ。
当の本人は野放しでなんのお咎めも自省もないのが腹立つ。

Perfumeが当時の陽の気分ならこちらは陰のほうである。
『もしも彼らが君の何かを盗んだとして それはくだらないものだよ返して貰うまでもない筈』
『君の喜ぶものはありあまるほどにある 全て君のもの笑顔を見せて』

あんなしょうもない人間に、自分の中にある大切なものを傷つけられてたまるかと思って仕事をしていたのを覚えている。
当然のように会社を辞めることになるのだが、上記した彼女ともその後すぐに別れることとなる。
この後から数年に渡って人生の底が続くことになるのだ。
ちなみにその支店はぼくが辞める前に同期がひとり、ぼくの後に先輩がふたり辞めている。

THE BLUE HEARTS 【チェインギャング】


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2019年のこと。
当時転職した職場が嫌すぎてどうしようかと思っていた。
ぼくの仕事の悩みのほとんどは人間関係だ。
例え労働内容に多少の問題があっても、気の合う同僚と仕事をしていれば励まし合ってがんばれると思うのだ。
そんなとき、当時見ていた【荒ぶる季節の乙女どもよ。】というアニメの劇中歌として突然この曲が流れたのである。
ブルーハーツは昔から好きだし、この曲も当然知っていたのだが、なぜか当時の気分にフィットして毎日のように効いていた。
『どこでもいつも誰とでも 笑顔でなんかいられない』その通りですよねマーシー
大人になってから触れると捉え方が当時と変わるのが良い作品のひとつだと考えているので、さすがブルーハーツと思ったものである。


書き終えてみて気が付いたのだが、人生を変えたとか支えられたとかの歌ではないので、解説がどうも薄っぺらくなってしまった。
しかしこうやって過去を振り返ると社会にとにかく馴染めていない。
でもまあ、我慢できるできないの基準ってそれぞれなのでしゃーない。
とりあえず今が恵まれているのでそれに感謝しつつ人生は概ね良しとする。