公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

感想に見せかけて悪口を言う

今更ながら劇場版呪術廻戦を見てきたので軽く書いていく。
映画未見の人、それからアニメ化してない範囲の話もあるし、ネタバレ注意で。
主人公である乙骨の声はエヴァのシンジくんの人なんだけど、思った以上にシンジくんだった。
乙骨は最初うじうじしているので、最初はずっとシンジくんが頭から離れない。
途中から主人公っぽくなって乙骨になるんだけど、終盤の「死んじゃだめだ死んじゃだめだ」が「逃げちゃだめだ」に被ってまたシンジくんに戻ったあたりは笑った。
あと、夏油の声がアニメと違っていた気がして、何でかと思っていたんだけどあれは中身が違うってことを演技で示していたってことである。
0巻のときの夏油は本物なのでなんというか声に若さがあったけど、偽夏油の中身は年配なのでちょっと落ち着きがある。
声優ってちゃんと演じ分けできてすごいなあと思った。
ここから先は映画館にいたアホについての話。


公開からしばらく経っていた上にレイトショーを見に行ったので、お客さんは少なかった。
さらにぼくは前のほうに座るのが好きなので周りにだれもおらず、ひとりでブツブツ言いながら見ることができて最高だった。
観客の中に一組、タチの悪そうなサルみたいなのがいたので気になったが、少なくとも上映中は静かだったのでまあ良しとする。
(近くに座っていたら騒がしかったかもしれないけど)


サルは映画館のロビーでUFOキャッチャーをやりながら、「金返せ」などとふたりで騒いでいたので香ばしい目で眺めていたのだが、同じホールで作品を見るとなれば他人事ではなくなる。
映画の一回目ってそのとき限りなので、観客にマナーの悪い奴がいるとそれだけで映画の思い出も台無しになる。
上記したようにサルは上映中は静かだったものの、上映前はずいぶん騒がしかった。
少なくとも同じホールの何人かはサルと同じ上映時間だったことで、「ハズレだ」と思ったことだろう。
上映までボーっと考えていたんだけど、ああいうやつらって自分がハズレかつ腫れ物扱いされていることについてどう考えているんだろうか。
考える頭があるんなら傲岸不遜な振る舞いをしていないだろうが、それで終わらせてしまうと文字数が稼げないのでもう少し掘り下げてみることにする。


腫れ物扱いされているようなチンピラって、厄介だから・関わると面倒だから周囲が距離を置いているんだけど、本人はそれを誤解して捉えているのだろう。
自分が「一目置かれている」と勘違いし、だから周りが何も言ってこないんだと考えて余計に傍若無人になっている気がする。
子供が電車や飛行機の中で奇声を上げることがあるが、あれは楽しすぎてテンションが爆発しているからだと思う。
大人でもテンションが上がりきって大きな声を出すことはあるけれど、そうそう頻繁にあることではないし、あくまでもうっかりゆえの行動だ。
あいつらが公共の場で騒いだり、下痢便みたいな音のするマフラーを車やバイクに装着したりするのは、寂しいから構ってほしいとか、横柄な態度をとることがカッコいいとかがまずあるだろう。
つまり愛情不足と未発達の精神と自尊心の成せることだ。
それに加えて「自分ならこれをやっても大目に見てもらえるだろう」という、「一目置かれている」ことを勘違いした甘えがあると思う。
結局のところ、誰か気にかけてくれるうち、苦言を呈してくれるうちが華なので、周囲から見捨てられたチンピラみたいなものは一生あのままだろう。
自己肯定感や自尊心が低かったり、認知が歪んでいたりすると、誰かからのアドバイスも「攻撃された」「馬鹿にされた」と受け取ってしまうのでどうしようもない。


しかし、ああいう人種も映画を見るという文化的な行動をとるのだなあと感心した。
映画のチケットは法を犯さずに購入できたのだろうか。
呪術廻戦作中では夏油が非術師のことを「サル」と呼んでいた。
自分の価値観と極端に異なるだけでなく、周囲に害をまき散らす人間を嫌悪するのはみんなそうだろう。
しかし実際に危害を加えてしまうと嫌悪してる人間と同レベルになってしまうので、冷めた目で見ることに留めるとする。
サルに失礼だなとも思うけど。