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【ネタバレ】『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話感想【ネタバレ】

こんにちは、ガンダムおじさんです。
ついに始まったガンダム新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
PROLOGUEが非常によかったので期待しており、結論から言うと本編もとても満足だった。
というわけで感想を羅列していく。

ガンダムでやる必要があるのかという声

新作が発表されると必ず出てくる意見。
ぼくはガンダムの世界観については割と寛容なので、叩かれがちなAGEやオルフェンズも「ガンダムである必要はあるのか」とは思わなかった。(面白かったかどうかは別にして)
ガンダムとはこうあるべきおじさんは、いったい何を求めていてどうなったら納得するのだろうか。
善悪の二元論では語れない重厚なストーリー?
ファンネルやビーム兵器でなく、火薬と油の匂いがする男くさいガンダム
甘っちょろい不殺主人公ではなく、容赦なく相手をぶっ殺す主人公のガンダム
作品を型にはめ、創造することの余地を制限して何が楽しいのだろうか。
当時はいくら物議を醸しても、後々評価されれば勝ちというのはGガンダムが証明している。
ONE PIECE FILM RED』のときにも書いたが、新陳代謝がなくなったコンテンツは衰退していくばかりなのだ。
新しい要素を取り込まずして新規ファンを獲得することはできない。

mezashiquick.hatenablog.jp

女主人公であることや学園百合要素について

正直、Gガンダムや∀を通ってきた人間からすれば今さらこれらの要素を否定的に見る気はない。
∀なんて主人公が女装させられて、それを愛でる御曹司がいたわけだし。
Twitterでいきがっているオタクの偽物みたいなやつらには百合要素が好評なようだ。
新規層に見てもらえることはありがたいけれど、オタクもどき達の悪ノリ的な百合や、自分らの主義主張のために消費されるのは気持ちが悪い。
やれポリコレだのLGBTだのジェンダーだのと絡めて、作品に変な色をつけるのはやめてほしい。
「昔のガンダムだったら到底受け入れられない要素だ!!!」って、別にそんなことないと思う。
もうちょい過去のガンダムを見てから喋ってほしいし、過去作の新要素を受け入れてきたガンダムファンが多数であることも知ってほしい。
女主人公や有色人種や同性愛者に特別な意味を持たせすぎだし、そういうやつに限って思ってたのと違う展開になったら「裏切られた!」って言う。
アニメはお前らの主義主張の代弁者でも、反対論者を叩くための棒でもないわけよ。
ぼくは主人公ペアの関係にシャアとガルマに近いものを見た。
ミリオネ・レンブランの父親がスレッタ・マーキュリーにとっての仇であり、復讐を果たすために同じ学校に入学したなんてまさにあのふたりではないか。
(シャアは明確な復讐心を持っていたが、スレッタは復讐のために母親によって入学させられたことを知らないという違いはあるものの)
ガルマはザビ家のプライドから指揮官として振る舞うことを己に課していたが、シャアの前では弱音や本音を吐露することもあった。
ミリオネも弱い一面をスレッタに披露する場面が出てくるだろうが、今まで散々擦られたような陳腐な展開になってほしくないなあと思う。
また、今のところ女主人公であることについての明確な意見はぼくにはないので様子見になるが、男じゃないといけない理由もないしまあいいんじゃないか。
眉毛も相まってタヌキ顔みたいで可愛いキャラクターデザインだと思う。
個人的に今まで絶対に受け入れられなかった展開は、オルフェンズの最終話でバルバトスがさらし首になっていたシーンだ。
この話を書いた人はガンダム好きじゃないんだなあと、心から嫌悪感を抱いたのを忘れない。

ガンダムエアリアルと主題歌について

本作の主役機は「ガンダムエアリアル」といい、スナック菓子みたいな名前をしている。
スレッタのセリフから察するに、幼い頃から彼女と付き合いがある機体のようだ。
好意的な目で本作を見ているけれど、主題歌だけはどうも薄っぺらくて受け付けなかった。
こういう曲がガンダムの主題歌になるのに拒否反応があるあたり、ぼくも時代についていけない古い人間になったのだなと思うし、この点においては頑迷な原理主義者たちと変わらない。
ところが、公式サイトには"主題歌の原作小説"があり、主題歌がガンダムエアリアルくんの感情を歌った歌だというのはなかなか粋なことをしよるなと思った。
wikiによれば、エアリアルくんは『ほかのMSにはない自我を有し、声を発せないまでもモニターの表示や点滅などで人間とコミュニケーションを取ることができる。』とのことらしい。
ぼくはこういう「機械と人間のコミュニケーション」的なやつが大好きなので今後の展開が楽しみなのだが、そういう作品は大体が機械との悲しい別れが待っている。
エアリアルくんが「くたばれ、ブリキ野郎」の如く特攻して最期を迎えないか今から本当に心配している。
Gレコやオルフェンズもそうだったが、最近のガンダムは主人公が後継機に乗り換えるのではなく元の機体を改修するという形で主役機の交代をしている。
ぜひともエアリアルくんも新造の機体に道を譲るのではなく、改修を続けて最後まで戦ってほしい。
一話からいきなりファンネル(本作では"ガンビット")を披露したのには驚いたし、ファンネルがMSの装甲板になっていたのはなかなか良かった。
あの世界においてガンダムは倫理的に問題のある技術を導入した禁忌の存在みたいになっているので、正体がバレたら大変なことになると思うのだけどどうするのだろうか。
富野監督が「ファンネルは強すぎるからあまり出すとつまらなくなる」と発言したこともあるらしいのだが、ソースが見つからないので本当に言ったかどうかは定かではない。
とりあえず小説のURLは貼っておくので、ぜひとも見てほしい。

g-witch.net

今後の展開

スレッタには自分の意志でやりたいことを見つけてほしい。
PROLOGUEでは母親と当時4歳のスレッタの前で父親が殺されていたため、スレッタはモビルスーツ評議会やカテドラルに対して復讐心を刷り込まれて育ったのかと思っていた。
ところが一話での彼女の様子を見るとそんな感じもなく内向的っぷりを発揮していたので違うのかと思いきや、実は復讐を果たすために母親によって入学を手配されたものの本人はそれを知らないとのことらしかった。
エアリアルくんは復讐にスレッタを巻き込むことに反対しているようだし、復讐相手の娘とも仲良くなっちゃったし、真相を知って葛藤する展開は確実に出てくるだろうし、どう見せてくれるかが楽しみだ。
彼女は「お母さんに言われたから入学した」「お母さんが付けなさいって言ったからヘアバンドを付けてる」という母親依存気味の性格である。
その性格は環境によるものなのか、母親が自分の言うことを聞くよう仕向けて教育したのかは定かではない。
OP映像を見る限り母親がきな臭い感じで写っているので、母親はある意味ではラスボスとして君臨する可能性もある。
ヒロインが髪を切る・髪型を変える展開は物語において過去との決別を表す場面で使われることが多いが、スレッタのヘアバンドもそんな使われ方をするかもしれない。
あと、あの世界には地球連邦軍的な軍隊はないのだろうか。
現時点で判明している軍事組織はモビルスーツ評議会が保有しているカテドラルくらいのものだが、企業が雇っている私兵のような感じなので規模的には大したことないのだろうか?
となると、物語としては敵勢力とのドンパチよりも主人公の成長物語に主題を置くのかもしれない。

とりあえず、いい意味で期待を裏切ってくれた作品なので今後を楽しみにしたい。
同性婚に驚いたスレッタに対し、ミリオネは「水星ってお堅いのね」と言っていたが、決闘で物事を決めるような野蛮人に言われたくはないなあと思うのだ。