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映画【オッドタクシー イン・ザ・ウッズ】感想

珍しく映画を公開初日に見て参りました。
【オッドタクシー イン・ザ・ウッズ】
「イン・ザ・ウッズ=藪の中」というサブタイトルにどんな意味があったのか。
エイプリルフールに公開された理由は何なのか。
ネタバレありで鑑賞した備忘録と感想を書いていく。
このブログは何かの感想を言う専門ブログではないので、そこらへんはご容赦を。


まず、前提として今回の映画はテレビ版+オーディオドラマをコンプリートしてから見に行くのが望ましい。
漫画版は好き好きで。
少なくともテレビ版は見ておかないと、いきなり映画だけ見ても分からないことだらけだと思う。
ジェネレーションギャップアピールのくだりや、ブルース・スプリングティーンのくだりがカットされていたのは悲しかった。
白川さんの宮崎民謡もなかったけど、カポエラはノーカットだったのでよし。
呑楽師匠はエンドロールにちょこっと出てくるけど、黒ちゃんは影も形もない。


今回の映画はテレビ版の総集編という形を取っており、加えて最終話の続きが描かれている。
登場人物一人一人に探偵がインタビューを取り、その人物の回想という形でストーリーが進行していく。
(探偵の正体は物語後半まで伏せられている)
インタビューの時間軸はオッドタクシー作戦の決行直前。
樺沢が動画配信から引退しているし、インタビュー場所の背景にクリスマスの飾りがあったり、柿花がケガをしていたり、ミステリーキッスが活動していたりするので間違いないと思う。


というわけで、今回の映画で補足された箇所を列挙してみる。

  • 田中とネットオークションで呑楽消しゴムを競り合っていたのは同級生の佐藤くん。

⇒ 親の出張土産で珍しい消しゴムをいっぱい持っていたモグラ?の彼

  • 和田垣が小戸川のタクシーにGPSを仕掛けたのは、タクシーを乗り間違えたときに田中に頼まれたから。

⇒ 漫画版では親しげだったが、過去に繋がりがあったというわけではなさそう

  • 三矢殺害現場に山本が居合わせたのは、二階堂のただならぬ雰囲気を察して三矢が呼んでいた。

⇒ あくまでも二階堂の予想なので本当のところは不明

  • 小戸川が山本に殺されかけたとき、白川さんが助けられたのは「探偵」と盗聴器のおかげ?

⇒ オーディオドラマでタエ子ママが小戸川に盗聴器を仕掛けたと言っていたような…

  • オーディオドラマで和田垣に襲撃されたタエ子ママのお見舞いシーンがエンドロールで描かれている。

⇒ その後にお店も再開している


さっきから登場する「探偵」について。
探偵による一通りの調査が終わったところでその正体が明らかになる。
前述した田中の同級生の佐藤くんと、モブでちょいちょい出ていた二人組の女性である。
(公式HPによると【花音(かのん)】【玲奈(れいな)】と言うらしい。)
探偵が白川さんにインタビューをするとき、白川さんは顔見知りのような対応をしていた。
ドブにインタビューをした際には、「動くんなら早くしたほうがいい」という旨を告げられる場面もあった。
(ちょっと記憶が曖昧だがあった気がする)
そのため、探偵と対面した上で盗聴器の情報と調査報告を元に白川さんは小戸川の危機を告げられて、助けに向かったのだと思う。


そして気になるテレビ放送分の続きであるが、小戸川の生存は確定だった。
一話の冒頭で海に投げ込まれた簀巻きの遺体は小戸川のものではないかという考察があったようだが、小戸川は生きていてその後は白川さんと動物園デートに行っている。
和田垣とタクシーで二人きりになったあとどうやって助かったのか詳細は省かれているが、どうも柿花が助けたようだ。
エンドロールで和田垣が殺人未遂で逮捕されたことを知らせるニュースが映り、テロップには「助けに入った男性も負傷」とある。
そのあとには柿花が警察から表彰されているシーンがあるので、柿花のおかげて小戸川は助かったと見るべきだろう。


個人的に劇場版で柿花の株がかなり上がった。
劇場版で追加された柿花の台詞に「もう身の丈以上は望まない、身の丈以上の友達がいるから」というのがある。
そしてその身の丈以上の友人を身体を張って救った柿花。
美人局に遭って落ち込む柿花を「昔から情けなかったよ」と一言で肯定した小戸川。
小戸川は偏屈で人と積極的に関わろうとはしないし、ドブに脅されたときも柿花のことを死んだ方がいいとまで評していた。
しかし、40歳を超えても一緒にサウナに行き、ふたりで酒を飲む柿花はやっぱり特別だったのだろう。
エンドロールで描かれたお花見には市村メンバーも顔を出したようだが、柿花とどんな会話をしたのだろうか。


そしてエンドロール後には謎の実写パートがあり、小戸川の調査報告書を作成している探偵らしき人物が映って終了となる。
公式Twitterか出演者か忘れたが、エンドロールになっても席を立たないでほしいと呼びかけていたので楽しみにしていたのだが、正直???であった。
あの実写パートに何の意味があったのか定かではないが、無理やりエイプリルフールとこじつけると「全ては作り物」みたいなことなのだろうか。
ちなみにどのへんが「イン・ザ・ウッズ」であったのかも個人的にはよく分かっていないので、誰か教えてほしい。


最近のアニメやアニメ映画をくまなく見ているわけではないが、オリジナルアニメでここまでの構想と作りこみができるのもあまりないのではないか。
鬼滅の刃や呪術廻戦、東リベなどのように、既に流行っていてある程度成功が見込まれているアニメでないと、予算も時間もかけづらいのが現状だと思う。
オッドタクシーも放送当初は全く注目されていなかったが、徐々に視聴者が増えて多くの企業とコラボもした。
今は娯楽がたくさんあって、みんな忙しくて各々に優先順位もあるだろうけど、面白いことが分かっているものに触れるよりも自分で面白いものを引き当てたときのほうがやっぱりワクワクする。

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