公共の秘密基地

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言葉にならない悲しみのトンネル

mainichi.jp

このニュースについて、いろいろと思うところがある。
犯人は生活音に対して神経質で、近隣住民とのトラブルもあったとか。
被害者の部屋の外にドアストッパーを置いて扉が開かないようにしたり、下の階からハシゴで侵入したり、自作の凶器が見つかったり、計画的な犯行でよっぽど恨んでいたのだろう。
被害者の女子大生が自室に友人を呼んで騒いでいたことに業を煮やしたなんて話もあるらしいが、裏付けのないあくまでも噂程度の話だし、いくらやかましかったからと言って実際にやっちゃうのはよくない。
本当に被害者の生活音がうるさかったかどうかはこういう人にとっては問題ではなく、自分がうるさいと思ったらいつまでも粘着して恨み続けるし、最悪のパターンとして今回のように凶行に走ってしまうのだ。
神経質過ぎる隣人やうるさい隣人に困り果てている人はいるだろうし、ぼくも困っているひとりなので気持ちは分かる。


ブログに2回ほど登場したことのある、ぼくの隣の部屋に住んでいる女性の話だ。
通称を茶さんと言い、一言で表現するととにかくガサツな女性だ。
なぜ茶さんと呼んでいるのかは過去記事を参照いただきたい。

mezashiquick.hatenablog.jp

以前の茶さんは夜中に家具を解体したり部屋の掃除をしたりして騒音を発するというパンクロックな生活をしており、その度にぼくは物件の管理会社を通じて苦情を申し立てていた。
なぜ具体的な行動まで知っているのかと言うと管理会社に教えてもらったからであって、決して犯罪的な行為によって知ったわけではないことはご理解いただきたい。
なにぶん女性の一人暮らし(おそらく)なため、下手に直接物申して余計なトラブルになっても具合が悪いため、苦情は管理会社を通して言うに限る。
最近の茶さんは夜中に大きな音を立てることはなくなったものの、爆音を立てられないフラストレーションなのか加齢と共に羞恥心が減ったのか、生活音が前にもましてうるさくなった。


茶さんの生活音でダントツにうるさいのが足音だ。
足裏全体もしくはかかとで着地していると思われる力強さで床を踏みしめて歩くため、まさにドスドスという擬音がふさわしい。
ぼくは室内ではスリッパを履いているため足音についてはうるさくないだろうと思っているが、茶さんはあの感じだと素足で歩いていると思われる。
足技主体の格闘技の選手で、生活の全てを修行と捉えて歩行中にも鍛錬を欠かさないのだろうか。
横の部屋のぼくですらやかましいと思うのに、階下の人は平気なのだろうか。
日中だけではなく夜中であっても遠慮することなく大きな足音で歩くため、うるさいとすら思っていない可能性が濃厚だ。


更に、茶さんはベランダの窓をストロングに開閉する。
ぼくの部屋と茶さんの部屋の窓が同じ構造だという前提で話を進めるが、まず彼女はベランダの鍵を開けるところからやかましい。
窓の鍵はいわゆるクレセント錠で、閉まっているときは持ち手が上を向いており、持ち手を半回転させて下ろすことで窓が開くようになる。
開放時、彼女は持ち手を勢いをつけて下ろしているため、その度に金具が半回転して止まる際の「ガッ」という音が響くのだ。
そっと手を添えるようにして下ろすことができないのだろう、きっとせっかちな人に違いない。
この程度は日中であれば問題ないのだが、彼女は夜中であっても同様に勢いよくクレセント錠を半回転させる。
神経質過ぎると思われるかもしれないが、実際に聞いてもらえば意外と響く音だということは理解してもらえると思う。
まして隣の部屋ならなおさらだ。
茶さんのテンションが上がっているときは窓を反対側にぶつかるほどにわんぱくに開けるので、こちら側にまで振動が伝わってくる。


このように粗雑な人なので、掃除機をかける際にも床や壁にガンガンぶつける激しい掃除をする。
掃除機のヘッドがあちこちに衝突する音がぼくの部屋にまで響いてくることは言うまでもない。
他にも、出かける際に玄関がきちんと施錠されていることを確認するためにドアを必要以上にガチャガチャする(もちろん玄関ドアの開閉も勢いよく大きな音を立てる)、毎朝6時くらいにジューサーらしきものを回している音がするなど、やかましい生活音は枚挙に暇がない。
ジューサーについてはスムージー的なものを作っていわゆる「丁寧な暮らし」をしているつもりかもしれないが、茶さんが見直すべきライフスタイルが他にあるのは賢明な読者の方にはお分かりだろう。
この連休は家にいることが多かったので、茶さんのアグレッシブかつアバンギャルドな生活スタイルを改めて認識することができた。


ちなみに、隣人がずっと同じ人とは限らないのではないかというご意見もあるだろう。
その点に関しては、隣なので引っ越し業者が出入りしていればさすがに気付くという点がひとつ。
もうひとつは、茶さんの代名詞とも言うべきブスなくしゃみが相変わらず聞こえてくるので、それで隣人に変化がないことを認識しているのだ。
ぼくは今の部屋に長いこと住んでいて、記憶が正しければその後に茶さんが引っ越してきた。
当時は彼女の生活音がやかましいとは全く思わなかったのだが、数年たったある時を境に突如として牙を剝き、大きな足音で闊歩しゴリラの如くにドアを閉めるようになった。
一体彼女に何があったのだろう。


今回の記事を書こうと思ったのは大阪の一件があったからというのもあるが、最近前にもまして足音がうるさいこともきっかけだ。
ちょっと部屋の中を移動するだけであんなに力いっぱい床を踏みしめるって、どういう精神状態なのだろうか。
例えば、寝っ転がっていて立ち上がりの数歩だけ力が入ってしまうのは理解できる。
茶さんは行動の始点から終点まで、とにかく全力で生きているのだ。
スリッパを履くとかカーペットを敷くとか、何とかしたほうがいいと思う。
ミスチルの【Over】という曲に「顔の割に小さな胸や」という歌詞があるが、以前ちょっとだけ見かけたことのある茶さんはあんなワイルドな足音を立てるような人には見えなかった。


以前のように夜中に大きな音を立てていれば苦情を言うのだが、生活音に関してはぼくも全くのサイレントというわけでもないのでお互い様なところはある。
集合住宅で暮らしていれば仕方のないことだろうし。
隣人の一挙手一投足にいちいち目くじらを立てていては、こちらがヤバいやつ扱いをされてしまう。
しかしながら、茶さん自身は昼夜問わず生活音がやかましいわけだから、自分の発する音に無頓着な人なのだ。
ぼくだから寛大な心で許しているのであって、大阪の事件のように頭のおかしい人が隣近所にいた場合はシャレにならない。
少なくとも生活音がうるさくて得なことなど何一つない。
こうやってブログのネタにされているし、隣に住んでいるぼくに生活パターンをある程度把握されてしまっているわけだし。
単純に気持ちが悪いだろう、見ず知らずの男性に自分が今何をしているのか推察されてしまうのは。
ぼく自身も人の振り見て我が振り直せで生活音には気を付けないといけないし、茶さんにもできれば気を付けてほしいし、このブログを見て思い当たる節がある人もできたら改めた方がいいと思う。


もしかしたらやかましいのは茶さんでないのかもしれないが、一度やかましいと思ってしまうと思考に客観性が効かない。
我が家に遊びに来る人は滅多にいないので、第三者に客観的に判断してもらうことができないのが残念だ。
ぼくも大阪の事件の犯人のように、思い込みが行き過ぎて突発的な行動に走らないとも限らないので気を付けないといけない。
こうしてブログに書いたり、誰かに話したりすることで発散できているのでよしとしよう。
茶さんが女性だからこれだけで済んでいるのであって、もしも彼女がおっさんだったら歯磨きの度に「オエっ!」と嘔吐音を発するであろうことは間違いない。