公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

黒マスクたちの反逆児

マスクを店頭で見かけなくなってしばらく経った。
ダサい・ありえない・世紀末感があると散々言われていた黒マスクですら、今は誰もが切望する存在になっている。
黒マスクたちも今頃ほくそ笑んでいることだろう。
中国人や韓国人の観光客以外だと、モードっぽいファッションの人や、カッコよさを履き違えたイキった中高生が装着していた。
ここ最近、寒色や暖色などの鮮やかな色から、チェックやお花などの柄物、デニム地などの布マスクまで、これでもかと見たことのないマスクが登場している。
流行りに乗じて不安を煽り、モノを売るのは好きではないが、マスクは必要なものだし、こうして需要が高まることで白以外の選択肢も増えるのでナイスである。
ぼくもマスクがなくてどうしようかと思っていたのだが、たまたま立ち寄った本屋で布マスクが売っていたので助かった。
とりあえず一枚目なので白を買ったが、なかなか派手な柄も多く、案の定このご時世なのに売れ残っていた。(入荷したばかりだったかもしれないが。)


ぼくの中での布マスクといえば、給食マスクと揶揄されている、国から配布中のマスクのイメージが強かった。
購入した布マスクは割と広範囲を覆える作りになっていて、着け心地もよかった。
しかし、こういうのだったら自分でも作れるなとも思った。
顔にフィットしたり、メガネが曇らないような作りにしたりするのはそれなりに技量がいりそうだが、飛散防止程度に口を覆うくらいのものならがんばったらできそうではある。
ただ、ぼくは一人暮らしが長いので家事は一通りできるが、未だに裁縫だけが全くできない。
いらなくなったTシャツやタオルを雑巾にカスタムするくらいならできるが、マスクは型紙があったとしても製作できる自信がない。
女性なら裁縫ができるだろうと勝手に思い込んでいるが、よく考えれば洗濯とか掃除や炊事に比べて、裁縫の重要度は低い。
また、習得の機会も少なく、何となく見様見真似でこなせる他の家事と違って、裁縫はそれなりに練習しないとこなせない。


そんなわけで、お裁縫ができる女性は魅力的に感じる。
昔、ワンピースのよく似合う女性と知り合ったことがあるのだが、彼女が着ていたワンピースは自分で作ったとのことだった。
そこまでのガチ勢はあんまりいないと思うが、自立している人間のような印象を受けてカッコよかった。
女子力とか言って爪に石を付けたり、原形を留めないような写真の加工技術を磨いたりと、同性同士でつまらんマウントを取り合うためだけのしょうもない要素を積み重ねる暇があったら、人間的な魅力を磨いてほしい。男もそうだけど。


爪で思い出したが、ネイルにものすごく凝っている人はどうやって鼻をほじっているのだろうか。
アイドルではあるまいし、鼻くそが生成されないということもないだろうからどうにかして除去はしているだろうが、手段が分からん。
ちっさい石みたいのを爪にいっぱい付けていた友人は、米を研ぐとき泡だて器を使っているとは教えてくれたが、どうやって鼻をほじっているかは最後まで教えてくれなかった。
ネットの匿名性を利用しない手はないので、こんな風に鼻くそを取り除いているよと聞かせてもらえると喜びます。