公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

頭も顔も悪い

以前、映画館にシンエヴァを見に行った感想を書いた。

mezashiquick.hatenablog.jp

ぼくは映画をほとんど見ないので、年に一回映画館に行けばいいほうである。
映画に興味がないというのもあるが、神経質すぎて周りの客が気になるからだ。
ネットでは「客ガチャ」なんて言い方もするらしいが、客ガチャに外れて同じホールや近くの席にとんでもない客がいたら映画どころではない。
貧乏ゆすり、上映中のスマホの明かり、独り言や同行者との会話、デカい咀嚼音などなど挙げたらキリがない。
せっかく楽しみにしていた映画も、ハズレの客と一緒に見ることで最悪の思い出になる。
最初の一回は二度と体験することができないのだ。


先日、ずっと行きたかったコーヒー屋さんに初めて行った。
徒歩で行くには微妙に遠い距離だったのだが、自転車を入手したことで行動範囲が広がったのだ。
店の前にある駐輪スペースに自転車を停めていると、店員さんが店の外までわざわざ出迎えてくれた。
物腰の柔らかい接客で、インテリアにこだわった雰囲気や、店内に鎮座したコーヒー豆の焙煎機など、否応なしに期待を抱かせるお店である。
席はL字のカウンターのみで、7~8席ある座席はこれからぼくが座る席以外は全て埋まっていた。
お客さんは単体の男性客が2人、女性同士のお客さんが1組、カップルが1組。
店員さんに注文を伝え、カバンから文庫本を取り出して読もうとしたのだが、どうも入店時から気になっていたことがある。
女性同士で来ているお客さんの話し声がやけに大きいのだ。


若い女性の二人連れで、大学生後半から社会人序盤くらいの年齢だろうか。
【前歯が本体】みたいな女と、【深海に棲む珍しい生き物】みたいな女だった。
前歯が主に喋って深海生物が相槌を打っていたが、両者ともにとにかくデカい声で喋っていた。
BGMも控えめで決して広い店内ではなかったので、声のボリュームも合わさって会話の内容は丸聞こえである。
マッチングアプリで出会った男と水族館に行った話、24年間彼氏のいない女友達の話、おススメの海外ドラマの話など、品のない顔面にピッタリの知性の欠片もない会話だった。
何より信じられなかったのは、彼女らがノーマスクで会話をしていたことだ。
カウンターには、店内での会話は飲食時以外マスクの着用をお願いする旨が書かれた紙が掲示されていた。
彼女らの前にはアイスコーヒーが入っていたと思われるグラスが置いてあったが、中身は空ですっかり氷も解けていたので飲み終わっていたのだろう。
ならばマスクをして会話をすべきなのだが、顔だけでなく目も悪いのか注意書きに気が付かないらしい。
あまりにも腹が立ったので注意をしようと思ったが、結局はお店のマスターにマスク着用を要請されてようやく気が付いたらしく、マスクを取り出して装着しそのまま帰っていった。


ああいう静かな店内で声のボリュームを考慮できないって、本当に頭が悪いのだろう。
コーヒー屋さんに限らずたまに遭遇するが、店内には自分たちだけでなく他のお客さんもいることを理解できないのだろうか。
自分らの声が大きすぎるのではと顧みることをしないのだろうか。
【三人寄れば文殊の知恵】なんて言葉があるが、あいつらのレベルが3人いようが10人いようが知恵は出ないだろうし、増えた分だけうるさくなるだけだ。
頭の良し悪しは勉強ができるか否かや、特定の大学を卒業していることではないと思っている。
その場の状況に適した行動が取れ、周囲に迷惑をかけないように振舞えるかどうかがアホを見分けるポイントだ。
で、空気を察知してその場その場で適切な行動を取るためには経験が必要になる。
例えば今回のケースでも、騒いでいたのが子供だったら仕方がなかったと思える。
なぜなら、子供は静かな場所で騒いではいけないということを知らない、もしくはいまいち理解していないからだ。
それを人との関わりや社会経験の中で学んでいき、公共の場では自宅と同じように振舞ってはいけないことを理解する。
彼女らは子供ではないのでそうした常識を知っていてしかるべきだし、仮に大人たちから教えられなかったとしても自分で気付いて行動を改める機会はあったはずだ。
ああいう頭の悪いやつらでも文字の読み書きができて、一人一台の情報端末を持ち、コーヒーを飲めるだけのお金を稼ぐことができるのだから日本は良い国である。
ぼくが神経質すぎると思うかもしれないが、隣に座っていたカップルはきっちりマスクを着用し、トーンも抑え目で静かに会話をしていた。


前歯と深海生物にまだ救いの目があるとすれば、店長さんに注意されたという点だ。
人から注意されることで、自分らの行動を反省して改めるきっかけになる。
しかし、彼女らは頭が悪いので、注意されたのは「マスクをしていないこと」についてであって「大きな声で喋っていたこと」ではないと思っている可能性がある。
そもそも自分らがデカい声で喋っていたことの自覚はないのだから、そのことについてハッキリと注意されない限りは気が付くことはないだろうし、きっと注意されたとしてもアホなので店を出たら忘れるだろう。
マスクをしていなかったことは反省するかもしれないが、彼女たちは今後も時と場所を考えずに大きな声でインテリジェンスを感じさせない話をするのだろう。
せっかく素敵な店だったのに、間抜けのせいで最悪な思い出になってしまった。
お店自体はコーヒーもケーキも美味しく、自家焙煎のコーヒー豆も販売していたので、今後も通うことになりそうだ。


偏見だらけで申し訳ないのだが、ああいうやつらは写真映えして他人に自慢できそうなところならどこでもいいわけだから、わざわざ静かなお店を選ぶ必要はないのだ。
もっと子供だましな、とかに行けばいい。
低能なくせに妙な色気とこだわりを出すから他人に迷惑をかけ、迷惑をかけた自覚もないまま生きていくのだ。
店内で淹れたアイスコーヒーと雪印のコーヒー牛乳の違いも判らんようなやつらに、ぼくや他のお客さんのコーヒータイムを邪魔される筋合いはない。
ちなみに上で言った「申し訳ない」とはブログを読んでくれている人に対して言っているのであって、前歯と深海生物に言っているわけではない。


ぼくの悪い癖として、起こってもいないことを心配するというのがある。
今まで映画館で客ガチャに外れた記憶はないので、どうしようもない客がいたら嫌だなと思って映画に行かないのではなく、嫌な客が本当にいてからどうするか考えるべきなのだ。
コーヒー屋さんについても、ピークタイムに行くとアホ客に遭遇する確率が上がるので、開店直後や営業時間の後半などに行く対策をしている。
迷惑をかけないでほしいとアホに対して期待をするのは間違っているので、大多数の良識のある人らが先回りして避けねばならないのは本当にしんどい。
お会計をしてくれた女性の店員さんが笑顔で「またお待ちしてます」と言ってくれたのだが、あんなかわいい子も夜には彼氏のミルクを飲んでいるわけだ。
本当にしんどい。