以前、実写版るろうに剣心の雪代縁役が決定したことについてのブログを書いた。
ぼくは縁の役に決まった俳優のことは千葉真一の息子ということしか知らず、
女性の顔面を躊躇なく殴れるっぽい人だなという印象を受けた。
そして先日、未発表だった雪代巴の役が有村架純に決まったそうだ。
追憶編においては最も重要な登場人物なだけに、キャスティングには慎重になっただろう。
美人だし、巴と同じく透明感もある女優さんなのでいいと思うが、いかんせん彼女は丸顔なので、
シャープなイメージの巴とは若干違ってくる。
有村架純がもっと早く世に出ていれば、作中でもタヌキ娘と言われていた神谷薫役を演じてほしかったのだが、
まあキャストとしてはいいと思う。
今、アニメ版のことを思い出してみると、オープニングもエンディングもアーティストがやたらと豪華だったし名曲揃いだった。
主題歌は軒並みヒットしており、アニソンというよりはアーティストのプロモーションみたいだった。
1期目のオープニングだった【そばかす】はいい曲であるが、絶望的に世界観と合っていなかったのを子供ながらに感じたことを覚えている。
その次の【1/2】も名曲だし、オープニングの映像とメロディーがマッチしていてカッコよかったが、
やはり歌詞は作品とはミスマッチだったように思う。
エンディングも、L'Arc〜en〜Cielのメンバーが逮捕されて曲が差し替えられたこともあったが、
印象に残るカッコいい曲が多かった。
ところで、なんでアニメのるろうに剣心はテレビシリーズで追憶編をやらなかったんだろう。
京都編が終わったあと、ヨーロッパあたりから次なる敵がやってきたり、
風水だの龍脈だのみたいな話になったりというアニメオリジナル展開を挟んだと思ったら、
原作を最後までアニメ化することなく終わった。
テーマが重かったからか、アニメが原作に追いついてしまったからか、当時の事情は知らないが
OVAの追憶編は非常にいい出来だったので、結果的にはよかった。
アニメ版追憶編で印象的だったのは、闇乃武のリーダーである辰巳の性格が若干変わっていたことだ。
原作では冷酷かつ好戦的で、脳筋寄りのキャラクターだったが、
OVAでは巴の事情を理解しつつ同情している一面も見られ、メンタル的に強化されていたように思う。
設定変更には賛否あるだろうが、辰巳の性格改変は巴の葛藤をより際立たせることができていた。
何より、婚約者の仇である抜刀斎に惹かれてしまった巴の心情を、原作の展開では
肉親である縁ですら配慮できていなかったので(子供だったから仕方ないが)、
巴の心の内は生きている間は誰にも理解されなかった。
実写版でも闇乃武も辰巳も登場するだろうが、OVAほど味わい深いキャラクターにはならないだろうし、
そこまで求めてはいない。
巴の女心をどのように描写してくれるか楽しみではあるが、実写版は見たことがないし
これからも見ることはないと思うので、評価は他の人に任せる。
星霜編とかいう誰も得しない作品のことは忘れた。