公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

男もつらいよ

たまにブログにコメントをしてくれる人がいて、物好きありがたいなあと思っている。
先日いただいたコメントの中に、「乳も男性器も盛りやすいもの」という旨の内容があった。
それを見てハッとしたのだが、女性の中には男性が日常的に行っているあれを知らない人もいるかもしれないと気が付いた。
そこで今日は、【男性器を盛る】ということについて考えていきたいと思う。


昔、とある番組でGacktが「普段からファールカップを愛用している」と言っていた。
ファールカップとはチンコを守るためのプロテクターで、格闘技や野球の際に用いられる。
相手選手の打撃や飛んできたボールから急所を守るのに欠かせないらしい。
チンコは男性にとって最大の急所であると同時に、自分の男らしさを具現化し誇示するためのものでもある。


男性が行う【見栄剥き】について女性はご存知だろうか。
この呼称はネットで目にしたものなので一般的なのかは分からないし、ぼくも名前をつけずに事に及んでいたが、行為自体はやってる人は多いと思う。
見栄剥きが何かを説明する前に、まずは男性の悩みのひとつである【包茎】について説明せねばなるまい。
今日は女性のみなさんが大好きなチンコの話なので、ぜひ前のめり気味に聞いてほしい。


この記事を書くにあたってまずはWikipedia包茎について調べてみた。

包茎(ほうけい、英: Phimosis)とは、陰茎の亀頭が包皮に覆われて露出不可能な状態や露出に問題が伴う状態である。
日本国内のみにおいては「真性包茎」とも呼ばれる。本稿で記す「包茎」という単語は、特に記載がない限り、いわゆる「真性包茎」を指すこととし、特に記載がない限り本ページの説明は包茎(真性包茎)についてであり仮性包茎と呼ばれる状態についての説明ではない。通常時に包皮が亀頭を覆っていても、容易に剥ける状態、いわゆる「仮性包茎」について当該ページを参照のこと。

子供のチンコは皮が被っているわけで、無理に亀頭を露出させようとすると痛みが伴う。
それが成長するにつれて皮が手によってないし勃起時に自然に剥けるようになり、亀頭を無理なく露出できるようになってくる。
ところが、皮の直径が狭くて剥きづらかったり、亀頭と皮が癒着していて皮を剥くことができない状態のことを【真性包茎】という。
真性の状態になると、排尿・射精障害が起こったり雑菌が繁殖したりして大変なことになるので、手術が必要なレベルである。
どうしてわざわざ最初にwikiの記述を引用したかというと、少なくともぼくは「包茎」という言葉に真性・仮性の区別をしていなかった。
通常であれば包茎」は真性のみを指す言葉だと知らなかったのだ。
というのも、剥けようが剥けなかろうが、男性にとっての価値観として「皮が被っている=男らしくない」という認識があるからなのだ。


wikiによると日本男性の7~8割は仮性包茎に該当するらしい。
過半数以上を占める包茎男性にとって、見栄を張りたい場所はふたつある。
ひとつは女性の前。
男性ほどではないにせよ女性も包茎をカッコ悪いと思っており、女性の前では真の力を解放したチンコを誇示したいのだ。
仮に女性が包茎を気にしてなかったとしても、前述の通り男性自身が仮性包茎にコンプレックスを抱いているのでどうしようもない。
ところが、男性が女性にチンコを見せる場合、すなわちセックスの際においては大体が勃起した状態であるため、自然と皮が剥けている状態となる。
だから特に注意をせずとも自分が見せたいチンコを披露することができるのだ。
ちなみに、同棲生活や夫婦生活が長いと男性が全裸で部屋の中を歩き回ることがあるらしく、その際のチンコは勃起してませんがというご意見もあるだろう。
(奥様方としては常に自分で勃起していてほしいと思うかもしれないが、どんなに美味しい食べ物でも毎日食べていたら飽きるのです)
勃起してなかったとしても、仮性包茎にとっては手で皮を無理なく剥くことはできるわけだから、そういう場合は確実に己で剥いている。
いくら近しい人間であっても男性にとって皮を被ったチンコを晒すことは、穴があったら入れたい入りたいくらいの大恥なのだ。
あなたが見ているのは自然体のありのままのチンコではなく、所持者の手が加わった加工品なのだ。
自分の彼氏・旦那は皮がムキムキですと自信満々に言える人は、一度冷静に相手のチンコを見てみてほしい。


ここでやっと見栄剥きの話に戻る。
女性との有事の際は勃起しているため皮が剥けた状態であることは前述したが、これが同性の前だとどうだろう。
さすがに年がら年中勃起しているわけにはいかない。
見栄を張りたいもうひとつの場面は、同じ男性の前なのである。
例えば銭湯に入るとき、脱衣所で服を脱いでいてふと自分のチンコに目をやると、ちょっと皮が被っている。
そんなときほとんどの男性は、自分の手で皮を剥いてから浴場へ向かうのだ。
ぼくの友人はチンコが小さいことがコンプレックスらしく、そういうときにはちょっとしごいて大きくしてから入ると言っていた。
しごいただけで条件反射的に大きくならないときもあると思うのだが、その場合は何を妄想して糧としているのかとか考えてたらちょっと気持ち悪くなったのを覚えている。


【見栄剥き】という言葉を最初に目にしたのがどこだったのかは忘れたが、そうした造語が生まれるほど一般的な行為であることが推測される。
ちなみに、普段は剥けているけど皮が余り気味の人は、何かの拍子で皮が戻ってしまうことがある。
その際に戻った皮が陰毛を巻き込むことがあるのだが、これがものすごく痛いのだ。
これは女性には分からない男性特有の悩みだと思う。


また、日本以外の多くの国には【仮性包茎】という概念が存在せず、それを指す言葉も存在しないのだそうだ。
外国人の舶来チンコは爆裂だからそもそも皮を被っていないのでは?と思われるだろうが、日本以外であっても仮性包茎率は8割ほどあるとのこと。
亀頭を皮が覆っているのは自然な状態であって、コンプレックスではないというのが多数の考えだという。
ミケランジェロダビデ像を思い出してみてほしいのだが、あのような有名作品であってもチンコは仮性包茎の状態なのだ。
日本においても仮性包茎は医学的に自然な状態であるとされているので、手術の際に保険は適用されない。
ではどうしてぼくを含め、多くの日本人男性が仮性包茎を恥と思うようになったのか。
一説には整形外科医がコンプレックスを煽るような商法を行い、包茎は恥ずかしいこと」という価値観を捏造したためと言われている。

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こんな広告を見たことのある人もいるだろう。
手術が必要な真性包茎ではなく、本来は何の異常もない仮性包茎を連想させるかのような広告である。
そして男性のみならず、こうした広告を目にした女性もチンコの保有者でないにも関わらず、包茎はダサいという価値観に染まっていく。
少なくともぼくは「包茎」と煽られたとき、真性・仮性関係なく、皮が被った状態を連想する。
実は皮が剥ける状態であることは考慮されず、皮が被っている状態はとにかく【悪】である、という認識が少なからずある。
そして一部の男性は【悪・即・斬】の信念の下に、チンコの皮を切り取りにかかるのだ。
このあたりは同じ男性と意見のすり合わせをしたことがないので、いつか話してみたいところだ。


ここまで文字数を費やして話せば、見栄剥きをしたい男性の気持ちも少しは理解してもらえるだろう。
皮が被っている状態は恥だという価値観にずっと浸ってきた男性が大勢いる浴場に、どうして帽子を被ったまま入ることができようか。
ありのままのなんてきれいごとは通用しない、各々が鞘を捨てた抜き身の刀をぶら下げている状態なのだ、いつ切り合いが始まってもおかしくない。
最近は包茎のコンプレックスを煽る広告も見なくなったし、ネットの普及により仮性包茎は恥ずかしいものではないという価値観も若い人を中心に広まっていると聞いた。
しかし、包茎に対する偏見が完全になくなるのにはまだまだ時間がかかるだろう。


やれ悪臭がするだの黒ずんでいるだのと女性器を煽りづらいのは、見えにくい場所にあることも起因していると思う。
もしも女性器が男性器と同じような場所にあったら、包茎のようにコンプレックス商法の餌食になることは間違いない。
チンコは女性器と違って目視しやすい場所にあるため、ついついカジュアルな扱いをされがちだが、本当はデリケートなのである。
この記事を読んだ女性の方は、ぜひ身近にあるチンコに優しくしてあげてほしい。