昔スナックに行ったとき、入り口付近に立って座席の準備を待っていたら、前を通りがかった店のお姉さんに思いっきり股間を鷲掴みにされたことを思い出した。
客として滞在するうちに判明したのだが、割と下品なスナックのようだった。
初めて行った別のスナックはそれなりにしっとりとした空間だったので、店によってふり幅が全く違うのだろうか。
下品なスナックにいた先客はなぜか上半身裸で、お姉さんにめんどくさい感じの絡み方をしていた。
ぼくは友達と風俗に行くのが生理的に無理だ。
キャバクラやスナック、ガールズバーみたいに、会話がメインな場であれば問題ない。
また、プレイの空間が各々隔離されており、店に行くのはみんな一緒だが、出てくるのはそれぞれというお店も構わない。
セクキャバやおっぱいパブみたいに、性的な行為を行う空間と会話の空間の境界が曖昧な店舗が無理なのだ。
一緒に行った友人が、ぼくの隣で嬢のおっぱいを吸っているところを見た日には、確実にインポになる。
嬢と物凄いディープキスをしていたら、「こいつ、キスのときしっかり目を閉じるタイプか」などと、知ったことを後悔する情報を読み取ってしまいそうだ。
そいつの人生の節目で、ぼくは確実にそのことを思い出す。
結婚式で満面の笑みを浮かべていても、子供を抱いて幸せいっぱいの顔をしていても、穏やかな顔で棺桶に入っていても、「でもこいつ、あのときおれの隣でおっぱい吸ってたよな」で上書きされてしまう。
性的なイメージというのはとてもセンセーショナルで記憶から抜けにくいので、今までそいつに対して持っていた【友人】という属性を、【隣でおっぱい吸ってた人】の属性が侵食してしまう。
同じ理由で3Pから成る複数プレイも無理だ。
これはまあ清潔感的な意味もあるのだが、目の前で友人とキスしたりチンコを舐めていたりした女性の口と、自分がキスしないといけない状況が気色悪い。
「あ、こいつ割と言葉責めするタイプの人間か」とか、後で思い出して吐き気を催しそうだ。
9Pくらいになったら気にならないかもしれないが、それはそれで自分が余りそうな気がするので嫌だ。
複数プレイはAV等でフィクションとして見る分には問題ないが、実際にやるのは抵抗がある。
ぼくはおそらく、知り合いのエロモードを見るのが無理なのだと思う。
経験もあるので、性行為について変に神聖化していたり、高い理想を持っていたりということはない。
誰しもが性欲を持っており、エロいことを考えて実行しているというのも理解はしている。
好きなAV女優とか、実際にしたプレイの内容を聞く分には楽しく愉快に過ごせるので、視覚情報として認識するのに抵抗があるのだろう。
そんな妙に生々しい"オス"の面なんか見たくないし、ぼくは同性愛者でもないので知る必要もない。
友人とセクキャバに行った経験も、複数プレイの経験もないが、仮におごってもらえたとしても行くのは断固拒否すると思う。
女友達となし崩し的にセックスをしたことはないが、それはそれで興奮するのだろうか。
友人はほとんど結婚しており、今から異性の友人とセックスするとなると不貞行為になるのでリスクが高すぎる。
昔、女友達の家に泊めてもらったとき、夜中に目が覚めて友人の方を見ると、ワンピースで寝る派の彼女がパンツ丸出しで爆睡していたのは逆にチンコが軟化してしまったことがある。
「キャバクラは女性に見栄を張りに行くところ、スナックは女性に慰めてもらいに行くところ」と、ある漫画で読んだことがある。
冒頭で紹介した下品なスナックに行った頃は、いろいろこじらせていてめんどくさい時期だったので、気が付いたらお姉さんにあれこれ愚痴を吐いていた。
品格に関わらず、スナックには男を甘えさせる何かがあるのかもしれない。
