子供の頃、とにかくコロコロコミックが人気で、小学生の流行はあの雑誌から生まれていた。
ミニ四駆にビーダマン、ハイパーヨーヨーをはじめとするおもちゃの数々は漫画やアニメとのタイアップで子供心を絶妙にくすぐり、皆がこぞって買い求めた。
一方、ぼくは当時から皆が右を向いているときは左を向いているアナーキーな子供だったため、コロコロには一切手を出さず、もっぱらボンボンだった。
当時クラスの人気者はみんなコロコロを読んでおり、ボンボンはいまいちイケてないグループの愛読書だった。
コロコロ派には大概兄貴がおり、ある程度の年齢に達すると兄貴の読んでいるジャンプに手を出し、コロコロを卒業するのだ。
ぼくには兄がいないため、いい年して中学くらいまでボンボンを読んでいたし、何ならデラックスボンボンや増刊号も買うほどボンボンが好きだった。
ボンボンのいいところは、第一にロボット漫画が充実していたことだった。
ときた洸一先生の描くガンダム漫画は、田舎すぎてガンダムが放送されていなかったぼくにとってありがたい存在だった。
ガンダムのプラモデルを戦わせる漫画(タイトル忘れた)に影響され、おこづかいを貯めて買ったプラモに下手くそな改造を施して取り返しがつかなくなったこともいい思い出だ。
墨入れくらいまでにしとけばよかったものの、ビンに入った塗料やパテに手を出したあたりからグッと上級者感が増すのでやりたかったのだ。
ロックマンXも少年誌とは思えないハードなタッチや内容だったと記憶している。
特にアーマーアルマージとVAVAがハードボイルドで格好よかった。
第二に、ボンボンは下品だったが、それはうんことかちんことかの下品さではなく、エロがほとばしっていたのだ。
がんばれゴエモンのヤエちゃんに性癖を歪められた小学生は多いことだろう。
漫画版の人魚変化の術がとてつもなくエロく、確実に少年誌に載せていい内容ではなかった。
ゴエモンの作者である帯ひろ志先生が亡くなっていたと知ったときは思い出が欠けてしまった気になったし、帯ひろ志先生の別名義のエロ漫画を見たときは10年早く知りたかったと悔やんだものだ。
また、増刊号に載っていた銭湯の漫画がものすごくエロく、今でも内容を容易に思い出すことができるほど読み込んでいた。
確か全3話で、最終話に出てきた欧米ハーフの女の子に発生したラッキースケベ(当時はそんな言葉なかった)は、今でも戦えるレベルの激しさといやらしさを秘めている。
ボンボンは2007年に休刊になっており、ガンダムの漫画もコロコロに移ったらしく、やっぱりコロコロのほうが人気だったんだなあと切なくなった。
ボンボンもコロコロも子供が好きな雑誌ではあるけど、いつか読まなくなる雑誌でもあり、制作側がどういう思いで作っているのか聞いてみたい。
初対面の同世代の人との話題がないときはボンボン派だったかコロコロ派だったかの話をすると盛り上がるのでおすすめ。