公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

マッチングアプリの男と女とこれからのヤングへ

最近は読書日記みたいになっているけど、ちょっと印象的な出来事があったので久しぶりに書く。
ぼくは、マッチングアプリには変な男しかいない」と言う女性は架空の生き物なのだと思っていた。
そんな女性の話を聞くたびにイラっとするものの、だけど本当は存在しないのだと。
「変な男しかいない」と言った時点でその発言がブーメランとなって自分に返ってくるだけなのだから、冷静に考えてそんな自分のことを棚の上の上に置いたおこがましい発言、良識のある人なら言うわけないだろうと。

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先日の月曜日は有休を使って休みにしたので、あちこちをふらふらした帰りにいつも行っているコーヒー屋さんに行った。
そこは分かりづらいところにある上に、営業しているかしていないのか判断がしづらく入りにくいので休日でもあまりお客さんが来ないのだが、そのため静かな空間でゆっくりすることができる。
平日のしかも閉店一時間前であれば尚更人は来ないだろうと高を括っていたのだが、ぼくが入店してしばらくして女性の二人組がやってきた。
正直、入ってきた時点で嫌な予感はしていたのだが、片割れの女性がとにかく声が大きくて非常に閉口した。
そのお店は全部で6席ほどしかないこじんまりとした店内な上、店主さんが物静かでBGMも控えめなので大体のお客さんは声のボリュームを落として会話をするのだが、その片割れの女性は音量調整機能が壊れているのか単に頭が悪いのか、デカい声で喋ったり爆笑したり、とにかくわんぱくである。
連れの女性もそれに釣られたのか徐々に声のボリュームが大きくなり、ぼくの憩いの空間はあっという間に台無しになった。
コンパクトな店内である上に声の音量調整機能がバグっているため二人組の会話は筒抜けで、ジムに行ってるけど成果が出ないとか、ダイエットのいいサプリがあるとか、実家の母親のご飯の文句とか、カスみたいな話ばかりしていた。
(実家暮らしの男性を敬遠したり、「子供部屋おじさん」と言うのはOKだが、実家暮らしの女性を「子供部屋おばさん」と呼ぶのは差別なのでNGらしい)
こういうとき、店を出てしまったら負けだと変に意地を張って長居しても精神衛生的に何も良いことはないので、ストレスの原因を取り除く意味でもさっさと退店してまたの機会に来ればいい。
二人組の女性の不幸を祈りつつ帰る準備をしていると、例の「マッチングアプリには変な男しかいない」が聞こえてきたので、これはぜひ拝聴させてもらおうと思い、浮かせた腰を落ち着けて兜の緒を締め直した。

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人間誰しもが聖人ではないので、愚痴のひとつも言いたくなるときだってあろう。
自分のことを棚に上げていると分かっていても、吐き出したいものがある。
話を聞いてみれば、同性の目から見ても確かにそれはロクでもない男であると言わざるを得ないこともある。
それを踏まえて彼女(実家暮らしのほう)のマッチングアプリ体験談を聞いていた、というか耳に入ってきたのだが、彼女が出会った変な男はこういうことのようだ。
(ちなみに実家暮らしの女と声のデカい女は別)
まず、職業が「公務員」の男性と出会ったそうだ。
メッセージのやり取りをしていたとき、彼女は「公務員って言っても色々いるから具体的にはどんな仕事をしているのか聞きたかった」らしい。
そこで相手に「何の仕事をしてるんですか?」と聞いたところ、「公務員です」と返ってきたそうだ。
そして男性も彼女に仕事を聞いてきたらしいのだが、まずそれが不満だったらしい。
曰く、「自分の仕事も明かさないのにこっちの具体的な仕事を聞いてくることは”普通は”おかしい」とのこと。
もう本当にホラーだと思った。
会ったこともない相手の会話の裏を読み取って思った通りの返答ができないと、「変な人」とされてしまうなんて緊張感が半端ない。
共有していない”普通”を押し付け、相手に全ての責任があるかのように振る舞うのはコミュニケーションとは言えない。
彼女の質問の意図は分かる、公務員と言っても役所で働いている人から警察官や消防士など様々である。
だったら、「公務員って具体的にはどんなお仕事なんですか?」とでも聞けばいいわけだ。
関係性が築けていない相手へ伝える努力もせず、自分の頭の中で勝手に思い描いていた会話のフローチャートから少しでも外れるともう減点対象になるなんてこの人は貴族かなんかだろうか。

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そしてまた別の男性の話。
その人ともメッセージをやりとりしていて、あるご飯屋さんの話になったそうだ。
そのお店は彼女が知っているものの行ったことのないお店だったようで、彼女としてはその男性と行ってもいいかなという気分だったらしい。
なので「私その店知ってますよ」と返答したらしいのだが、色よい返事がなかったことが彼女はご不満だったらしい。
曰く、「”普通なら”こっちがそう言ったら誘ってくるでしょ」とのことだ。
女性に聞きたいんだが、みんながみんなここまで察してちゃんで会話に対してのハードルが高いもんなのだろうか。
ぼくの友人たちは大体が結婚しているのだが、男友達は奥さんが求めるバカ高いハードルを乗り越えたのならなんてデキるやつなんだと見直さざるを得ない。
女友達は男にここまでの高いハードルを設定しておきながら、それに見合った相手を見つけることができたのならなんてスゴいやつだと認識を改めざるを得ない。

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なんかもう、彼女らの話を聞きながら日本の行く末に思いを馳せてしまった。
こんな手前勝手なことを思っている女性ばかりではないことは承知している。
だけど、歩きたばこしかり、回転寿司ペロペロしかり、アホというのは悲しいかな目立ってしまうので、こんな自己中心的な意見ほど印象に残ってしまう。
少し前に話題になった『女性は美容やファッションにお金がかかっているから食事は男性が奢れ論争』を思い出した。
こんな意見が目立ち、少なからず共感する人が現れ、話題になってしまうようでは若い人がめんどくさくて恋愛したがらんのも頷ける。
男性は女性と食事をする際、スムーズにお店を決め、スマートにエスコートをし、ウィットに富んだ会話をして楽しませ、サッとお会計を済ませなければならないし、ひとつでも選択を間違えればナシ認定の烙印を押されてしまうのだ。
一応言っておくと、これらは全てぼくが自分の耳で聞いた話で作り話ではない。
架空の女性を創造してまで女叩きをする趣味などない。
店内の環境や向こうの声のボリュームなどの諸条件が重なったことで、「門前の小僧習わぬ経を読む」状態になったのだ。(使い方は間違っているが)

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男性も女性も各々生きていれば苦労もあるだろうけど、正直言って、出会いに関して言えば遥かに女性が恵まれていると思う。
だけどそのことを自覚していない女性は多い。
女性の「いい人いない」は『自販機に欲しい飲み物が売っていない状態』、男性の「いい人いない」は『砂漠で飲み物がない状態』とはよく言ったものだ。
恋愛に苦労しているような男性は女性の眼中にも入らず、認識すらしてもらえないのだから彼らの心中を慮ることなどできないだろう。
話を横で聞いていた限り、件の女性は割と何人かとメッセージのやり取りをしたり実際に会ったりしたようだ。
あんな自分勝手な思考しかできない女性でもマッチングまでこぎつけられるのだから、性別による差は本当に大きいと感じる。
(顔面のことについて触れるのはフェアではない気がするのでやめておくがまあお察しである)
ぼくは、ああいうブスほどマッチングアプリをやったほうがいいのではと最近思う。
とにかく大量のアプローチがあると聞くし、自分がまだ選べる立場にあると錯覚させられることで自己肯定感が爆上がりするからだ。
上がった自己肯定感をプラスに使って、自分が女性だからここまでのボーナスがあるのだと気が付いて謙虚になり、相手に感謝の気持ちを抱くことができるようになれば素敵なことだ。
まあ大体の人はぼくが今回出会った女性のように勘違いし、減点方式でしか人を判断できないモンスターになってしまうわけだが。
男性は女性に比べてセックスに対するリスクやハードルが低いから、別に好きでもない相手とも関係を結べる人が多い。
だから、世間では二軍三軍の女性にも、マッチングアプリという狩場においては一軍の男性からアプローチがある。
ところがまあそれは所謂「穴モテ」というやつなので相手に愛情はないのだが、普段は拝むことのない一軍男性のチンコを見たという自信は二軍三軍の女性を変にこじらせる。
件の女性がエリートのチンコとお突き合いをした経験があるかどうかは知らないが、まあまあ年齢がいっているように見えたのにも関わらずああも幼稚で攻撃的かつ他責志向であれば、真実に目覚めるよりはあのまま生きていったほうが本人のためだと思う。

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人は一人では生きていけないとよく言うが、それは死生観とかの話ではなくて価値観が偏らないようにするためにも大切なことだと思う。
若い人が恋愛・結婚をしたがらない原因はいろいろあるだろうが、SNSに蔓延っている極端な意見を鵜呑みにして自分の人生を決めるのはやめたほうがいい。
SNSの隆盛によって今まで日の目を見なかったマイノリティの意見が目立つようになった。
もちろん、マイノリティだからといって無視していい理由にはならないが、中には目立ちたいがためにあえて過激なことを言うやつや、ただのバカも存在する。
それらの意見に同調する人も多数いるかもしれないが、それが決してその属性の総意ではないことは踏まえておくべきだ。
『男がおごるべき論争』もそうだが、あれに同調した人がいるからと言って全ての女性がおごりを望んでいるわけではないし、全ての男性がおごるべきと思っているわけではない。
SNSには「夫が家事をしない」「妻が浮気している」「育児しんどい」などの体験談やそれを元にした漫画などが溢れている。
本気で問題提起をしようとするパターンもあれば、極端なことを言ってバズりたいやつ、創作で特定の属性を叩きたいやつなどいろいろ存在する。
謙虚が美徳とされる日本では大っぴらに幸せアピールをすることはみっともないとされたり、余計な嫉妬を招いたりしがちなのだが、日々忙しくしながらも楽しく愉快に暮らしている家庭も存在するわけだ。
いろんな価値観と接することで、自分が普段接している考え方や、話題になっている意見だけが正しいわけではないと理解できる。
過激なことを言っている人って、見てるだけでもこっちが消耗してしんどくなるから興味本位でも見にいくのはやめよう。
ああいう人らは一生すみっこから世間に呪いを吐いて生きていけばいいのだ。
怖いもの見たさ・クサいもの嗅ぎたさの気持ちも理解できるけど、あんまり頻繁にうんこの匂いを嗅ぎに行ってるといつの間にか自分にも匂いが移っているかもだから気を付けよう。
あと、こないだの女どもに言いたいけど、店内で喋るなとは言わんがデカい声で話したいのならそれなりに広い店とか賑やかな店に行け、本当にうるさいから。
”普通は”それなりの気遣いを備えているものでは。