公共の秘密基地

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Bunny Wailerとレゲエとまどマギと日常

3/10(水)


tower.jp

Bunny Wailerが亡くなってショックを受けている。
昨年はFrederick "Toots" Hibbertも亡くなったため、レゲエ界の大御所がどんどんこの世を去っている。
ぼくがレゲエを聞くようになったのは、定番だがBob Marleyだ。
初めて彼を知ったのは【EXODUS】でも【Legend】でもなく稲中だった。
行け!稲中卓球部】という漫画のとある話で、「最後はボブと化し 君に歌を贈るよ」というセリフと共に、ボブと思わしきコスプレをした登場人物が何かを歌っていたのである。
当時高校生だったぼくは地元のCD屋で2枚組のアルバムを買ってボブを聴き、それ以来なぜかレゲエは全く聞いていなかったのだがここ数年狂ったようにCDを買い漁っている。
今でもそのアルバムは家にあるので、ぼくの中にもラスタの血は息づいていたのだろう。


ぼくの住んでいるところには純粋な中古CD屋がなく、レコード屋さんがCDも売っているという形だ。
先日、いつもレゲエのCDを買っているレコード屋さんに行ったらUK・USロックのCDコーナーが消滅していたので、店員さんに事情を聞くと「CDは売れないのでレコードのコーナーを増やす」とのことだった。
昨年アメリカでは数十年振りにレコードの売り上げがCDを上回ったと聞いたし、レコードは根強い需要があるのだろう。
レコード事情にはいまいち詳しくないのだが、CDがニッチな趣味として脚光を浴びないのはどういうわけなのだろうか。
店員さんはぼくがレゲエ好きなことを知っているので、「レゲエは置いとくんで」と言ってくれたのが嬉しかった。
最近は地元のローカル音楽ショップに行ってもジャニーズと坂道系とK-POPとアニソンのコーナーが広いので、CDはもうそのへんしか売れないのだと思う。
ローカルなお店ではCD用のビニールカバーやプラケースを買って、CD自体は中古レコード屋さんや通販で買っている。
タワレコ等の大手はもうちょい店員さんのこだわりを出してがんばっているが、それでも上記した人らの売り場面積は広い。
それでも、昨年は米津玄師のアルバムがバカ売れしたらしいので、まだまだCD販売は死んでないと思いたい。


10年前、世間のごく狭い範囲が【魔法少女まどか☆マギカ】に沸いていたあの頃。
ぼくは正社員の職にも就かずにプラプラしていて、印刷会社でバイトをしていた。
当時は朝食をほとんど摂らず、昼と夜に爆食いするという食生活を続けていたため、今よりも10キロは太っていたのである。
その上、夕食はバイト先の人らと近所の王将に行ってしこたま飲み食いすることも多かったので、暴食と怠惰が留まるところを知らなかった。
それからリバウンドもなしに10キロ戻したことを考えると、ダイエット本の一冊でも出せるんじゃないかと思っている。
職場の人間関係は良く、雰囲気のいい環境だったので仕事自体は楽しかった。
しかしバイトとは言えめんどいものはめんどくさくて、日曜日の深夜に放送されていた【日常】のエンディングテーマを聞きながら、「寝て起きたらまた仕事かあ」と思っていたものだ。
これだけアニメが乱造されていると昨シーズンの放送作を思い出すのも困難だが、10年前の今の時期にまどマギと日常が放送されていたことは決して忘れない。


東北で地震があったときも、その職場にいてみんなでテレビを見ていた。
被災地の状況は画面を通してしか分からなかったが、津波に飲み込まれる土地や炎に包まれる家屋を見ていると同じ日本で起こっていることとはとても思えなかったし、何よりもうひとつの懸念が頭から離れなかった。
というのも、翌月の4月は友人の結婚式に招待されていたのだが、新婦の出身地が東北の某県だったのだ。
幸いにもご家族は全員無事で、自分のことのように安心したのを覚えている。
「今やっても後からやっても同じ」という新婦側のご家族の意見で結婚式は予定通り行われ、友人たちの間にはなんやかんやで3人の子供がいる。
ぼくは控えめに言ってもクソみたいな20代を過ごしていたのだが、周りの人間もクソだらけじゃなくてよかったなあと安堵することしきりだ。


追記:
さっき最寄りのタワレコに行ったらレゲエコーナーが(たぶん)消滅してた。
この国はもうおしまいである。