公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

語尾にザマスを付けるタイプの親になろう

テレビドラマやなんかで、幼稚園や小学校のうちから子供にお受験をさせる描写がある。
昔はそんなのを見て、子供のうちからそんなことさせんでも、思う存分遊んでもらって中高から受験すればいいのにと思っていた。
今、自分が子供を持つような年齢になり、結婚した友人たちの子供は小学校に入学した。
小学校受験をしてお目当ての学校に入学できた子も、まさに受験に向けてがんばっている子もいる。
これまでの経験の中で、ぼくもお受験に対する考えが変わりつつあったのだった。


短期のアルバイトで、とある工場に何日か行ったときのこと。
そこは電子機器に付いている基盤からレアメタルを取り出す施設であった。
PCなどの基盤を手作業で取り出し、レアメタルやらその他再利用できる部品を選り分ける業務が主だった。
あまり大きな施設ではなく、従業員も少なかったが、もしかしたら大きな機器は別の施設で解体しており、ぼくのいたところには手作業で取り出せる大きさの機器がメインだったのかもしれない。
事務の人を除いて社員は全て男性で、ぼくと一緒にバイトに来ている人も男性だった。
まあ何というか、言っちゃ何だが粗暴な感じの人たちで、このバイトをしなければ一生関わることのない種類の人間だなと感じていた。
彼らは休憩時間になると予想通りタバコを吸い、様々な話で盛り上がる。


彼らは必要以上にデカい声で話すので、会話の内容は嫌でも耳に入ってくる。
数日と言わず、数分彼らの話を聞いていると分かるのだが、ネタは以下の5パターンしかない。

・パチンコ(ギャンブル全般)
・風俗(女の話)
・酒
・タバコ
スマホゲーム

ぼくはここ以外にも工場的なバイトや単純作業のバイトに従事したことがある。
そこで見かけた"それっぽい"人たちの話題は、基本的に上記したものしかなかった。
上記した5つが全て網羅されているわけではないが、スマホゲームの話題はほぼ確実に入っている。
本当にインテリジェンスの"イ"の字すら見当たらないトークテーマである。
趣味嗜好でその人の全人格を判断するのは間違っているし、じゃあ美術館巡りが趣味だったりタモさんみたいに地層に詳しかったりするのが高尚かと問われれば違う気もする。
ぼくだって女体は好きだしお酒も飲む。
ただ、趣味が偏っていやしないかと思うのだ。
差別するわけではないが、日常的に上記したものに"しか"触れないような人たちは、申し訳ないけど正直あまり関わりたくない。
上流階級の人間でもお高くとまっているわけでもないのだが、合う合わないは確実に存在する。
ぼくはたまたまそういう層と合わないだけだ。


前置きが長くなったが、ぼくが子供にお受験をさせることについて考えが変わったのはこれらの体験によるところが大きい。
学費が高額だったり、入学に一定の学力が必要だったりというような学校に子供を通わせられるのは、教育に一定以上の時間とお金をかけることのできる家庭に限られる。
そうなると、家庭の生活レベルや文化レベルはそれなりにまともだったりする。
頭のおかしなやつもいるだろうが、それでも受験をせずに誰でも通えるような学校に比べれば少ないだろう。
変なやつの割合が増えると、比例して学校の環境も悪くなる。
勉強は塾なり家庭学習なりで補うことはできるが、環境の悪さは自分ではどうしようもない。
分別のつかない子供のうちから悪影響を受けやしないか不安だから、せめて少しでもいい環境に子供を放り込みたいというのが親心だと思う。
まして、幼稚園や小学校であれば子供が小さいため、保護者と関わる機会も多いだろう。
上で挙げたような趣味"だけ"を好む人たちには、失礼を承知で言うが程度の低い人らが多い。
そんな親に教育された子供がどう育つかはお察しである。
いい年して常識のないやつには本当に話が通じないので、あおり運転をした話を自慢げに聞かされたら顔が引きつってしまう。


子供がやりたいことや将来の夢を見つけたとき、往々にして学力が必要なことが多いので、適切な環境で勉強させることは大切である。
そもそも、やりたいことを見つけるためにも、見聞を広げるという意味で勉強は必要だ。
最近あまり聞かないものの「教育ママ」なんて言葉もあるが、今の時代変な人たちの言葉狩りに遭いそうだなあと思っている。