公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

ぼくのかんがえるさいきょうのかんこくじんじょせい

大昔、太った男性が札束を敷き詰めたバスタブに入り、両側に美人の女性を侍らせた広告を雑誌の後ろの方で見たことがある。
パワーストーンかなんかのスピリチュアル的な商品の広告で、購入すれば金運や異性運に恵まれてこの写真の人みたいになれますよという触れ込みだった。
もちろん嘘だろうし、好奇心で購入する気もおきないが、同じ広告は何度か見たことがあるので、買う人間はいたのだろう。
AVのモザイクが消える謎の機器とか、付けるだけで女性が寄ってくるフェロモン香水とか、やはりいつの時代も人はエロスに釣られる。


広告の舞台がインターネットに移っても、それら胡散臭い広告が消えることはなく、むしろ悪質化している。
閲覧したウェブサイトや購入した商品に基づいて表示される広告なんかもあり、自分の閲覧履歴の結果とは言え、何でこんな広告が表示されるのかと不思議に思うこともある。
最近、ぼくのウェブブラウザに表示される広告は、なぜか美容系のものが多い。
よくよく考えてみたら、yahooなどのポータルサイトに表示される女性向けの香ばしいコラムをブログネタのために見ることがあるので、その履歴に基づいて美容系の広告が表示されていると思われる。
最近頻繁に表示される広告に、こんな見出しのものがあった。

『韓国人女性に毛穴がない理由!?』
『韓国人女性に肥満がいない理由!?』
『韓国人女性にAカップがいない理由!?』


一体、韓国人女性とは何者なのだろうか。
肌が綺麗でスリムで乳がデカいという、最強の属性を併せ持った人種がいるのだ。
一時期、【フランス人は10着しか服を持たない】【ゆで卵を作れなくても落ち込まないフランス人】【フランス人の部屋にはごみ箱がない】といった、決めつけ極論も甚だしいタイトルの書籍が乱発されたことがあった。
まさに、『ぼくのかんがえるさいきょうのふらんすじん』であるが、韓国人女性がうんぬんの広告を見て思い出した。
(【フランス人は10着しか服を持たない】はちょっとだけ読んだが、アウターや靴などは10着のうちに含まないという謎ルールが展開されており、完全にタイトル詐欺だった。)


広告の中身は見ていないので、商品の詳細やウェブサイトの内容は不明だが、こういうのは誇大広告でJAROとかに言ったら何とかしてくれるのだろうか。
だって確実に嘘である。韓国人に限らずデブや貧乳がいない国など存在しない。
それとも、商品紹介ページで大げさな表現にならないようにやんわりと否定しているのだろうか。
また、どの広告も露出度高めのスリムなお姉さんの写真と一緒に上記の文言が表示されているが、全て同じ商品なのだろうか。
だとしたら、毛穴のブツブツと肥満と貧乳に効果のある画期的な商品である。
閲覧履歴やcookieを削除すればPC上からは見た記録は消せるが、あちらのサーバーにはクリックした実績が残るので、いくら気になったとしても広告はクリックしたくない。
こんな広告に釣られるアホがいるから広告を打ち出しているわけで、韓流ブームも相まって韓国人女性と言っておけば一定の数は騙せるのだろう。
男性にとっては金とエロ、女性にとっては美容とモテは切っても切れないということか。


肥満はいないっていうけどサモ・ハン・キンポーは太ってるよなあと思ったが、彼は男性だしそもそも香港人だった。