公共の秘密基地

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老人theマスク

毎朝出勤するときドラッグストアの前を通るのだが、コロナ以降、毎日のように行列ができている。
マスクや消毒液、トイレットペーパーを求める行列だと思われ、並んでいる層は老人や主婦らしい人が多い。
先日もドラッグストアの近くを通って出勤したのだが、その日は珍しく何の行列もできていなかった。
後で知ったのだが、開店時のマスクや消毒液の販売を取り止め、入荷があった場合のみどこかの時間帯で販売することにしたとのこと。
賛否両論あると思うが、ぼくは英断だと思う。
仕事をしている人は開店からマスクを買いに並べないし、行列を作れば感染のリスクも高くなる。


コロナウィルス騒動では、感染源として何かと若者が叩かれがちである。
発症しても無自覚だったり、老人ほど重症化しない若者が外出し、ウィルスをばらまいているらしい。
『渋谷』『原宿』『若者』などのワードは記号としても分かりやすく、『最近の若者は…』という論調に持っていきやすいのだろう。
しかし、ダイアモンドプリンセス号の頃は、乗客の老人がその後スポーツクラブに行くなどして感染が広がっていた。
街を歩いていても、若者ばかりが多いというわけではなく、老人の姿も見かける。
開店前のドラッグストアに行列を作っているのも老人がほとんどだ。
若者ばかりを血祭りにあげるような報道をするのはいかがなものだろうか。


ネットでは、ドラッグストアでの老人のマナー違反や傍若無人ぶりが明らかにされている。
開店前の行列の割り込みトラブルや、店員に対する暴言、購入制限を守らない買い物など、具体的な事例が次々報告されている。
もちろん、ネットの情報なので真偽のほどは不明だし、マナー違反もすべてが老人の仕業でもないだろう。
でも、実際に事件扱いとなって報道されている事例もあるわけだが、テレビではいまいち老人の問題行動として大きく取り上げられていない気がする。
やはり、テレビを見ている層は老人がほとんどなので、老人寄りの報道をするのだろう。
あくまでも若者を悪とし、老人は感染の被害者というテイにしておけば、ウケがいいのだろう。
政府発表も、票をたくさん持っている老人向けに、行動的な若者がウィルスを拡散させているということにしているようだ。


マナーの悪い奴、外出を自粛しないやつは若者・老人問わずにいるわけだが、マスコミも政府も確実に高齢者を甘やかしている。
非常識な言動を取り上げられるのも若者ばかりで、老人はスルーだ。
テレビ、特に昼間のワイドショーを見ているのは老人がほとんどということは、逆に言えば絶好の注意喚起の機会でもある。
お前らの身勝手な行動も、この危機的状況を構成するのに一役買っているのだということをなぜ言わないのか。
年を取ると考えが凝り固まって頑固になり、人の助言を聞かなくなる。
それに加えてワイドショーで若者がコロナウィルスを広めているという論調で報道すれば、自分たちは間違っていないと余計に増長し、行動を改めることをしないだろう。
老人の意識を変えるためには、どんどん高齢者の自己中心的な行動を取り上げ、客観的に自分の言動を見直してもらうべきだ。


緊急事態宣言が5月まで発令され、夏場のイベントも延期や中止を表明しはじめているようだ。
先の見えない危機的状況の中で、特定の世代を悪とするような世代間対立を煽っている場合ではない。
誰が一番悪いとかではなく、すべての世代が己の行動を改め、一丸となって事に当たらないと事態は収束しない。
マスクの販売方法を変えたことで、ドラッグストアの店員さんは問い合わせの対応に追われることだろう。
入荷した商品が陳列される具体的な時刻については回答できないとポスターに書いてあるにも関わらず、聞いてくる人はいることだろう。
ああやって一生懸命働いている人がいるからこそ、ぼくらは安心して買い物ができるのだ。
みんな偉いしみんながんばってる。