公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

工業製品としての生き方

【コタツ記事】という言葉をご存じだろうか。
外に出て取材をして裏取りをして自分の実体験に基づいた内容の記事ではなく、テレビやSNSの内容をパクって編集して書く記事のことだ。
タツに入ったまま誰でも気軽に書ける浅い内容の記事という侮蔑的なニュアンスが込められた言葉である。
【アイドル○○がインスタにアップした写真に絶賛コメント殺到!?】
【俳優の◆◆が好きなタイプの女性を告白!】

みたいな見出しがついたようなやつで、言われてみれば見たことのある人もいるだろう。


上記したように、コタツ記事のほぼ全ては芸能ニュースだ。
どこぞのアイドルがSNSにアップした投稿にこんな反応がついてましたとか、とあるタレントがテレビでこんなこと言ってましたみたいな、何の内容もないものがほとんどなのだ。
こういう記事はクラウドソーシングのサイトで一文字0.5円の素人ライターが書いているので、安く買いたたかれている人らがいる限りなくなることはないだろう。
それはどうでもよくて、SNSで芸能人が写真をアップするとコメントが付くのは捏造でなくさすがに事実だと思う。
例えば、肌のアップや生足の写真を上げると、コタツ記事によれば「肌キレイ!」とか「美脚!!」ってコメントが付くらしい。
ずっと疑問だったんだけど、コメントしてる人はあれがその芸能人の本当の姿だと思っているのだろうか。


今やSNSにアップする写真を加工することなど常識であり、芸能人だけでなく一般の人も普通にやっている。
人前に出る仕事をしてるんだから美容にも気を使っているに違いないと主張するかもしれないが、明らかに不自然な写真もいっぱいある。
明らかに白く加工して毛穴のひとつもない肌や、伸ばしすぎて縮尺がおかしくなっている脚の写真をアップしている芸能人もたくさんいるのだ。
しかし、ファンたちは工業製品のように加工されまくった写真を見て賞賛のコメントを送る。
桑田の息子みたいに加工ありきでネタとして楽しんでいるのか、ファンの中では見えている姿が真実なのかは定かではない。


それか、コタツ記事に取り上げられることを目的としてコメントをしている人もいるかもしれない。
「今日も世界で一番かわいい」とか「○○しか勝たん」とか、美辞麗句が過ぎる言葉をそのタレントに浴びせているのを見ると、もはや大喜利にしか見えないのだ。
いかにそいつに対して分不相応な言葉を投げかけるかみたいな。
まあ芸能人の側としても、明らかな嘘でも賞賛されることは大切なのかもしれない。
人前に出る以上は褒め言葉だけでなく誹謗中傷を聞いてしまうことも多いだろうから、いかに自分に陶酔して自分がカッコいい・カワイイと思えるかが大切なんだと思う。


あと、最近多い【美尻・美バスト】のような言い回しも好きではない。
美尻や美バストを披露しがちなのは最近で言うと田中みな実なのだが、あの人は美容に関してストイックだから実際に乳や尻は綺麗なのかもしれない。
でも、美尻や美バストが使われがちなシチュエーションのほとんどは、写真集や新作下着のプロモーションなのだ。
広告ともなれば被写体の加工は当たり前だろうから、お肌のコンディションが多少悪くてもそれなりには見えるだろう。
大体、下着に覆われていればある程度の形はキープできるから、そりゃ美しく映るだろうと。
下着を外した時に左右の乳があらぬ方向を向いているとか、乳輪が湯呑の直径くらいあるかもしれないのに、見えている部分だけ切り取って「美」と言ってしまうのはいかがなものかといつも思っている。
管轄外の背中の肉を引っ張ってきて水増ししているのだから、そもそも乳なんて大きさからして偽装だらけだ。


最後に全然関係ないけど、ぼくは女性の顔を見るときに明日花キララか深田えいみのどちらかに似ていればほぼ整形だと思うことにしている。
整形のパターンが少ないのか、女性自身が可愛い・美しいと感じる顔を集約すると両者になるのかは定かではない。
だけど、これだけ多様な価値観に溢れた現代社会においても、美の基準って似たり寄ったりなんだなと思う。