公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

お前なんか誰も助けたくない

流行らせたかったけど流行らなかった言葉やモノってたくさんある。


毎年の流行語大賞に聞いたことのない言葉が選ばれるように、
ある程度の力でごり押ししても、それは世間に本当に浸透しているとは言えない。


完全にスベっていること、スベるであろうことを、考えた段階では想像もできないのだ。


とある詐欺に付けられた名称なんかは、世間の反応を予見できなかった典型だと思っている。


その昔、オレオレ詐欺というものがあった。
(今でもあると思うが)


最初は電話口でオレオレと名乗って親から息子の名前を引き出させ、
お金を振り込ませる手口だったが、対策が取られるようになると、
息子や娘を名乗り、トラブルに巻き込まれて至急お金が必要になったから振り込んでほしいという内容に変わった。


手口が多様化してきたことでどっかの偉い人が集まって、オレオレ詐欺に代わる新しい呼称を決めようということになり、
採用されたのが【母さん助けて詐欺】だ。


知らない人も多いと思うので、この言葉にどれだけ知名度がなく、浸透していないかが分かるだろう。


こんなしょうもないことを決めるために、呼び名を募集するための広報費用や、会議当日の場所の手配から
おっさんたちの交通費や昼食代、終わった後の打ち上げの費用まで、税金から捻出されているだろう。


その後、オレオレ詐欺的な手口は電話やメール、SNSなどにも波及し、結局【特殊詐欺】
という名称に落ち着いた。


会議をしたおっさんらが、【母さん】という用途を限定される名詞を、一般的に広く周知すべき詐欺の名称に盛り込んだことが
理解できないし、類似の詐欺はこれから電話だけではなく、メールやSNSでも一般的になるだろうという先見の明が
なかったことも無能である。


とりあえず集まって話し合っとけば仕事をした気になる人が多いという典型で、
本当に無駄だし、こんな人らが決定権を持っていることが恐ろしい。


先日、ニュースで見たのだが、コンビニの店員が特殊詐欺の事件を未然に防いだという。


何でも、70代のおじいちゃんが電子マネーを大量に購入しにきたので、不審に思った店員が事情を聞くと、
3億円受け取りのための手数料を電子マネーで支払うよう言われたとのことだった。


割とよくあるニュースではあるが、
このジジイは、70年間生きてきて何を学んだのだろうか。


確かに、昔は電話口やメールで連絡を取ってくる詐欺は少なかっただろうし、
もちろん電子マネーで支払いをさせる手口もなかっただろう。


だが、70年の人生の中で、何の苦労もなく大金を入手したことが
もしくは入手できそうなチャンスがあったと言うのだろうか。


アホはいつまで経ってもアホであり、年をとったくらいでは変わらない。


無駄な金と労力を使って間抜けな詐欺名を決めるおっさんも、
ボーっと人生を通過してきて何も学ばなかったジジイも等しく間抜けではあるが、
もう母さんはお前らのことを助けてはくれないので、自分で何とかするしかない。