公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

みんなで本を読むことにした③

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↑前回までのお話はこちら↑


読書会参加記録その③


読書会本編終了後の、フリートークでのこと。


どんな作品や作者が好きかという話題になったとき、ぼくにも話が振られた。


ぼくは今回の課題図書であった海外文学はほとんど読まないし、
それは自己紹介や会話の流れでハッキリ述べていた。


そのため、進行の人も
『○○さんは日本文学では何がお好きですか?』
とぼくに聞いてきたのだが、ここはどう答えるべきかと一考した。


というのも、ぼくは時代劇が好きで、鬼平犯科帳なんかは特にファンだ。

 
ただ、あれがある種エンタメ小説であることも理解していて、それだけに
『好きな文学は何ですか?』と聞かれて鬼平を挙げていいものか悩んだのだ。


『好きな作者は誰か?』という質問ならされたことはあるが、
好きな『文学』という聞かれ方をしたのは初めてだったので、ちょっと迷った。


こういったガチ勢の集まりでは最近の作家や作品を挙げるよりは、
教科書に載っているような作品や、古典と呼ばれるような作品、
文学界に影響を与えたような作品が好まれるのではないかという偏見があった。


事実、他の人が挙げた好きな作家や作品はぼくが聞いたことのないもの、
読んだことのないものが多かった。


さらにはドイツ文学とその他ヨーロッパ文学の違いについても語りだす人が現れ、
そもそも海外文学なんてどれも似たようなもんだろうと思っていたため、
きっちり考察して自分の言葉で説明できることがカルチャーショックだった。


ドラゴンボールはともかく、ワンピースは鼻で笑いがちなサブカルクソ野郎みたいな人間がいるのも事実なので、
好きな作品や読んだ小説で当人の価値が決まらないのも分かっているが、余計なことを
ごちゃごちゃと考えてしまった。


いわば、映画ファンの集いで『踊る大捜査線が好き』と答えるようなものではないかと思ったのだ。
(ちなみに踊る大捜査線も大好きである)


こんなことを考えるのは池波正太郎先生や長谷川平蔵に非常に失礼であり、好きなものは自信をもって
好きだと主張すればいいのだ。


太宰治が好きだと言っておいたが、好き度で言うと鬼平には劣るし、
代理で挙げられた太宰治にも申し訳ない。


どうでもいいけど、太宰治は『太宰』と呼び捨てされがちなのはなぜだろう。


『夏目』とか『川端』とは言われないのに。


おそらく、あの場にいた大体の人は、どんな作者や作品を挙げてもきっちりトスを上げるような
人たちだと思われたので、妙な心配や勘繰りをせずに自分を主張しておけばよかったと後悔している。


あそこで引っ込んでしまったのは自分らしくないなと落ち込みつつ、キーボードを叩いている。


その③で終わるつもりだったが思いのほか長くなったので、次回に続く。