公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

勝手に泣いてろ

何かしらの作品を進めてくる際、『泣ける』ことを推してこられることがある。


人それぞれだと思うが、ぼくは泣けるかどうかを評価基準に盛り込んでいない上に、泣けることをしつこく言われるとむしろマイナスに感じる。


『泣く』という感情は怒りよりも激しい感情だと思っていて、簡単に放出するものではない。


泣くことでストレスを解消したい人はすればいいし、別に文句も言わないが、普段から泣きたいと思うこともないし作品の力を借りて泣く気にはならない。


泣けるということをアピールしてこられると途端に陳腐な印象になってしまう。


ぼくは漫画のONE PIECEが好きなのだが、一時期のあれの持ち上げ方も非常に気持ちが悪かった。


とりあえずココヤシ村あたりの話を紹介してみたり、チョッパーとヒルルクのシーンを流してみたりと、テレビなんかでも感動する作品であることを前面に押し出されていた。


そこだけが見どころではないのに、泣けることを前面に押し出したONE PIECEの推されっぷりはあまりいい気分ではなかった。


今でも覚えている当時のCMがあって、ユニクロのTシャツのCMなのだが、横ノリ系のスケートボーダーみたいな人が、
『ルフィがぁ、兄エースを助けるシーン、マジいいシーンなんすよ』
と連呼する内容で、男性の喋り方が本当にアホみたいだったので印象に残っている。


動画を貼ろうと思ったけど見つからなかったので、興味のある人は探してみてほしい。


このCMを作った人はこれでONE PIECEやTシャツのプロモーションになると本気で思っていたのだろうかと疑問を投げかけたくなるほど、偏差値の低い内容だった。


大体、邦画における『泣ける』って家族なり恋人なり大切な人が死ぬことによって成立しているので、展開もワンパターンでつまらない。


『駄目な映画を盛り上げるために簡単に命が捨てられていく』
とはミスチルの曲の歌詞だが、この歌が作られたときもそういう映画が多かったように記憶している。


一方でトトロは誰も死なないのに感動するわけだから、ジブリってすごい。