公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

長男だから我慢できたとか何とか

そこそこでかい本屋の前を通りかかったら、店の前に恵方巻コーナーのごとくブースが設けられていて、
鬼滅の刃19巻本日発売でーす」
と店員さんが呼び込みをしていた。


新連載の頃からジャンプで追いかけているが、初回はとにかく地味な話で、ぼくは好きだったのだがこれは寿命が短そうだなという印象を受けた。
(そもそも第一話のタイトルが『残酷』って時点で目を疑った。)


最近のジャンプは序盤でだらだらと主人公が修行をするとすぐアンケートで不人気になってしまい打ち切られるというせっかちな読者が多いので、最初はある程度スピード感のある展開が求められる。


実績のある作者でもない限り、まずは読者を引き込んで人気を獲得することを優先して、その後で描きたいことを描く感じだ。


その点、鬼滅の刃は序盤でいきなり修行パートが入り、これはジャンプ打ち切り漫画史にまたひとり新人が加わるなと思っていた。


しかしながら徐々に人気が出てきて、先日まで放送していたアニメは大人気のうちに幕を閉じた。


あの作品は台詞回しや会話の間、キャラクターで魅せるタイプの漫画で、戦闘シーンが決してうまいわけではないというかどちらかと言えば下手だ。


それが、アニメの制作会社の技量で戦闘シーンがばっちり補完され、非常にいい出来に仕上がっていた。


ジャンプ作品のアニメ化は制作会社に恵まれないことが多い中、鬼滅はいい会社を引き当てたと思う。


人気が出たのはアニメ効果らしいが、特に女性に人気があるらしい。


オタク、特に昔のアニメオタクって周りの評判とか関係なく、自分の好きなものをとことんまで愛でる人が多かったように思うが、今のアニメオタクはいかに流行っているものをチェックしているかを重視している気がする。


昔のオタクにあった、好きなことに全力だけどそれゆえに何かが欠落していて、そのアンバランスさが話してて楽しいし興味をそそるという特徴が今のオタクにはない。


SNSが一般的になり、同好の士を簡単に見つけることができるようになって、アニメをコミュニケーションツールの一種として用いている人が多いからだと思う。


特に女性においてはその傾向が顕著で、流行っているアニメにとにかく群がるあたりはファッションや食の流行と変わらず、あの人らはやはりアニメオタクである前に女性なんだなと実感した。(失礼な言い方かもしれないが。)


昔は同じ趣味の人を簡単には見つけられなかったし、今ほどオタクをオープンに公言できる風潮でもなかったため、みんな地下でひっそりと活動していた。
(勘違いしている人もいるようだが、オタク趣味を公言しやすくなったとは言え、アニメオタクに対するイメージがよくなったわけでないことは承知しておくべきだ。)


昔のオタクと今のオタク、どちらがいいとか優れているとかではないが、アニメや漫画がまだまだアングラとされていて、日の当たらないところで牙を研いでいてよく見たら素敵なことやってんなくらいの頃が好きだ。


ぼくはアニメを見るが別にアニメオタクというわけではない。


ただ、そういった人と関わることは多いし、別に偏見を持っているわけではないことはヨロシク。


次のジャンプアニメはチェンソーマンかSPY×FAMILYのどちらになるか楽しみだ。