公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

その話はレールに乗せるな

日本は東西でエスカレーターの片側を空ける位置が逆なのだそうだ。


どっちの日本がどちら側を空けるのかは忘れたが、なぜかぼくはこの話題を聞くと非常にイラっとしてしまう。


理由は分からないが、そんな底の浅い話で場を繋いだ気になっているのが浅はかだし、黙っていたほうがマシなくらいくだらない。


きのこの山たけのこの里のどちらが優れているかを競っているやりとりをネット上で見かけることがあるが、あれはネタとして楽しんでいる面もあって本気で憎み合っているわけではないのでまだ理解はできる。


しかし、エスカレーターに関しては心底どうでもよく、みんなが立っているほうに立って空いているほうを空けておけば何の問題もない。


関西に行ったとき、他府県からの旅行者と思われるグループが
「関西は右側に立つんだよね」
みたいな話をしていて、お前らが旅行に来たのはそんなしょうもないことに気づいて再認識するためなのかと、こいつらの今後の人生の先行きを案じていた。


一方、京都に行ったときは
「京都だけは右側を空けるんだっけ?」
とか話していた旅行者を見かけて、いちいち関西内で地域差があんのかも知らんし、そんな不確かな情報を間抜け面で喋ることを京都の人に申し訳ないと思わんのかと憤慨していた。


世の中にしょうもない話題はたくさんあるし、吐いた次の瞬間には忘れられているようなトピックも山のようにあるだろう。


何でエスカレーターの立ち位置の話題にこんなに腹が立つのか全く分からないし、こうして文章にしているだけでも腹が立ってきた。


お前は関西が右側立ち左側空けだからと言って、乗ろうと思っていたエスカレーターの構成がたまたま右側空け左側立ちになっていたとして、それでも流れに逆らって空いている右側に立つのか。


正直そんなもん意識して乗っているやつなんかおらんし、みんな先に乗り込んでいる人に続いて立っているし、歩く人は空いているほうから上っていくだろう。


東西の違いとかどうでもいいから、自分で周囲の状況を判断して、最適な位置取りをしろと言いたい。


むしろ、そこで流れに逆らって常にその地域ごとの立ち位置にいれるやつのみ、エスカレーターの話題を出してもいい。


おそらくぼくの前世は冷凍マグロか、誰かの敷いたレールの上を歩んできた人生を送ってきた人間だったのだろう。


と思ったけど、それならエスカレーター自体を憎まないといけないのに、エスカレーターの立ち位置の話をするやつが許せないだけなので、ぼくの憎悪をそこまで駆り立てるものは何なのかきちんと分析してみたい。