公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

露出はつらいよ

変態っているじゃないですか。
ちょっと変わった性癖があるってレベルじゃなくて、下手したら通報されるようなやつ。
ああいう人が、何でそんな趣味嗜好を持つようになったのか知りたいなと思うことがある。
聞いた後に「ゴメン」と言いたくなるような凄惨な過去ならともかく、思春期のとある出来事をきっかけにみたいなエピソードはぜひご披露いただきたい。


www.uhb.jp

最近見たニュースだと、この変態にインパクトを感じた。
以下ニュース文抜粋。

5月25日午前0時10分ごろ、北海道札幌市南区澄川の地下鉄澄川駅付近の道路で、男が下半身を露出し20代女性の前に現れました。
(中略)
女性は地下鉄澄川駅方向から住宅街の路地へ入って歩いていて、男は頭に女性用のパンツを被り、裸の上にブラジャーを身に着け交差点付近に立っていたということです。
男に気付いた女性はその場から逃げ、警察に通報し事件が発覚しました。男の行方はわかっていません。

女性用の下着を身に着けるのは納得はできないが理解はできる。
コートの下は全裸パターンに類似する、ベーシックかつ王道の変態だ。
ただ、パンツを頭に被っちゃダメだろと、ぼくからすると苦言を呈したくなる。


何事も、緩急というか落差や意外性が重要だと思っている。
不意を突かれてボケが飛んでくるからお笑いは面白いとか、市役所で真面目に働いている地味な女性が実はド淫乱であるとかである。
今から面白いこと言いますよで登場してきたり、見るからにセックス大好きだったりでは、緩急がつきにくい。(見るからにセックス大好きでも問題はないが)
コートの下が全裸パターンは、露出するまで一応は普通の人間と見た目は何ら変わらない。
目が血走っていたり、鼻息が荒かったりするかもしれないが、パッと見ただけでは変態だと判断しづらい。
そのため、コートの前を開けたとき、一般人だと思っていた落差で余計に驚く。
変態の皆さんは見せることそのものや背徳感に興奮しているだろうと思われる。
見せた人が驚いてくれたほうが見せ甲斐があるだろうし、いかにビックリさせるかも重要ではないか。


ところが、頭に女性もののパンツを被っていたらどうだろう。
どこからどう見ても変態であることは間違いないので、見た目の印象以上は何も生まれない。
今から変態行為をしますよと宣言して露出したところで、変なおじさんが変なことをしているだけなので、意外性は皆無だ。
パンツを被っていた方がポテンシャルが発揮できるのかもしれないが、ちょっと欲張りすぎの感も否めない。
せっかくリスクを冒して変態行為に励んでいるのだから、中途半端なところで止めずに、より高みを目指すべきだ。


ただ、おっさんは通りすがりの女性の前にいきなり現れたのか、それとも目立つ所に突っ立っていたのかによって、アプローチの仕方が変わってくる。
突然目の前に現れたのなら、前述した通りパンツを被るのは愚策としか言いようがない。
ただ、パンツを被って下半身丸出しで立っていた(ここで言う"立っていた"とはおっさん自身のことであって下半身のことではない)のなら、そこには意外性が発生するし合理的だ。


まず、交差点に女性用のパンツを被ったおっさんが立っているとは誰も思わない。
(目の前に露出狂が現れるとも誰も思っていないだろうが、先ほども述べた通り、飛び出してくるタイプの変態は「目の前に変態が現れたことの意外性」よりも、「普通の人だと思っていた人が変態だったという意外性」を重視した結果の行動なのだ。)
交差点のおっさんは目当ての女性に露出して興奮したいというよりは、不特定多数に見てもらって興奮したいからそこにいたと見るべきだろう。
車・歩行者の双方から目につきやすい交差点を選んだことからも、ほぼ間違いないと思う。
そうすると、突然目の前に登場してコートの前を開けるという瞬発力勝負よりも、長時間視線を引き付けておけるインパクトと、一瞬視界に入っただけでも変態だと認識できる分かりやすさが必要になる。
おっさんが立っていたのは終電後の深夜とのことなので、歩行者よりは車のほうが多い可能性も考慮したのだろう。
紹介した記事の内容からでは詳細な位置情報までは読み取れないが、おっさんはまだ逮捕されていないようなので、続報を待ちたいところだ。


ぼくは変態界ではビギナーなので、もしかしたらおっさんがパンツを被った高尚な理由があるのかもしれない。
いけないことをしているという背徳感で興奮するのは同意するが、それが公然わいせつのレベルにまで昇華されると理解が及ばない。
露出が好きな人は、自分を辱めたいという意味でMなのだろうか。
それとも、他人に無理やり恥部を見せつけてやりたいというSの精神なのだろうか。
一口に露出狂と言っても、いろんな派閥がありそうである。