公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

おっさんという概念

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評判良かったみたいですね、このドラマ。
こういう、おっさん勘違いすんなよ系の記事を見るといっつも思うわけですわ。
おっさんには何を言ってもいいわけじゃないぞと。
そして逆についても書けと。


ぼくの周りでは、勘違いしたおっさんによる若い子へのアプローチを見たことがない。
なので、フィクションを真に受けて若い女性にアプローチするおっさんなんているのかと眉唾ものではある。
が、結婚相談所のブログなんかを見ていると、「若い子とお見合いを組め、結婚させろ、それが仕事だろ」という40・50オーバーのおっさんはいるそうだ。
なんとも身の程知らずで恥知らずな話である。
子供を産みたいから35歳までの女性を希望している男性もいるそうだが、自分たちの年齢を棚に上げて何を言っているのだろうか。
不妊の原因は女性にだけあるのではない。
精子だって劣化するし、女性も元気溌剌な遺伝子が欲しいに決まっている。
卵子にたどり着くまでに途中リタイアしそうなしょぼくれた精子なんて誰が求めるものか。
一生懸命働いてきた女性が、そんなおっさんとお見合いを組まされるなんて罰ゲームか何かだろうか。


加藤茶が45歳の年齢差がある女性と結婚したことは、10年近く前とは言え覚えている人も多いだろう。
堀北真希と結婚した山本耕史もそうだが、男性芸能人は年下の女性と結婚しがちである。
最近だと山Pが女子高生をテイクアウトしたり、西川貴教が年の差婚をしたりと、おっさんたちを色めき立たせる案件が頻発している。

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しかし、彼らが年下の女性からモテるのは、男前かつ経済力があり、それに由来したスマートな振る舞いと余裕のある風格を持った男性だからだ。
そんな条件を積み重ねていっても、リアルに老後のことを考えたら年齢で弾かれる可能性がある。
男性が10も20も離れた年下の女性にモテるには、運も必要なのだ。


そして、上記したことは性別を逆にしても言える。
おばさんが若い男性にモテるわけはないので、どうか安心してほしい。
女性誌やネットの女性向けのコラムには、【年下男子にモテるアラフォー女子の特徴☆】【後輩男子がドキッとする大人女子の仕草♪】などとこの世の終わりみたいな見出しがあるが、性別逆にしたら気持ち悪いよなあと思いながら見ている。
まあ、こうしたコラムでは20代後半から30代前半の女性を対象にしているだろうから、「おばさん」と言うには残酷かもしれない。
男性は女性に比べて性行為によるリスクが少ないため、そんなに好きな相手でなくてもセックスができる。
40点の女性でも90点の男性とセックスすることは可能なので、若い子にモテると勘違いしやすいのは女性にも多いと思う。
しかし、いざ結婚となると90点の男性は同スペックくらいの女性を求めるので、「若いうちはモテた」と過去の栄光にすがるおばさんが社会に産み落とされる。
そもそも、穴モテを心からのモテと解釈するほど落ちぶれてしまってもいいのだろうか。
少女漫画みたいに、超絶男前が並み居る美人を差し置いて冴えないヒロインに恋をするなんてことは現実にはない。
君たちはヒロインのように見た目はいまいちでも清い心を持っているわけではないし、教室の隅っこでイケてないグループ同士で固まっていたモテないババアなので、勘違いしてはいけない。


上でリンクを貼った記事のように、おっさんに対して「勘違いするな」と諫めるような風潮は世間には多いけれど、おばさんに対して苦言を呈している言論は少ないように思う。
おっさんは馬鹿にしても問題ないという空気ができているのではないだろうか。
【おじさんのこんなラインはキモイ】【キャバ嬢が見た生理的にありえない男性客】みたいなネット記事はあるのに、逆はあまり見かけない。
おばさん叩きのような記事を書くと、差別だなんだと騒ぐ厄介な人たちが山から下りてきて暴れるのだろう。
自分が同じことをされて腹が立つのなら、他人にそれをするべきではないのだ。
ダブルスタンダードもいいところである。
【年上男性・年下女性】のカップルは、ともすれば「ロリコン」と叩かれがちであるが、【年下男性・年上女性】のカップルにはそういった罵倒はあまり見られないように思う。
昔、とあるジャニーズ(名前忘れた)と女優の吉田羊に交際の噂が立ったことがあった。
その際、女性向けのネット掲示板などには「大人の魅力が若い男性に伝わってすごい」といった意見が多かったと記憶している。
なんとも都合のいい話だ。
若い女性が好きな男性はロリコンという"悪"にしておかないと、おばさんの立場がないのだろう。


そもそも、男性がただ若いというだけで女性を求めるわけがないことも分かってほしい。
世の男性が若さ至上主義であるなら、若さに嫉妬して発狂しているおばさんたちは若いうちに幸せになっていてしかるべきなのだ。
年齢なんてただの記号に過ぎないのだから、必要以上に卑屈になる必要はない。
ただ、人間に寿命があり、加齢によって身体機能が衰えるのは仕方のないことだ。
そのため、健康な相手という基準で選んだ場合や、老後のリスクも考えたときに、年齢で弾かれてしまうのも仕方のないことである。
現実を受け入れることができずに蓄積していく不満や怒りを、「勘違いおじさん」という存在を笑ったり叩いたりすることで発散しているのかもしれない。
もちろん根本的な解決にはなっていないことは言うまでもない。


年上のイケメン上司に迫られるとか、生活に疲れた社会人お姉さんと大学生の恋愛とか、年の差カップルを扱ったフィクション作品は昔から存在するので一定の需要はあるのだろう。
ただ、二次元のキャラクターには海溝のように刻まれたほうれい線も、黒ずんで今にも取れそうな乳首も、革靴でむれむれになった足もない。
個人的に、いかに自己陶酔できるかが人生を楽しく過ごすコツだと思っている。
オンリーワンのかけがえのない自分を自信を持って世間に売り出し、周囲はみんな自分のことを大好きだと思えれば毎日愉快に過ごせるだろう。
周りはそれを勘違いと言うかもしれないし、ぼくも散々言ってきたけど、極端な話は人に迷惑をかけなければOKである。
恋愛という相手ありきのものであれば、他人の気持ちを考えて酔いましょうねということだ。