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mezashiquick.hatenablog.jp
昨日はマイケルとのめくるめく日々の切れ端を語ったが、一週間そこらの滞在でも話は尽きないし覚えているものだなあと懐かしくなった。
とにかく当時は見るもの全てが新鮮で、刺激的な日々だった。
あの思い出は死ぬまで語れる、かけがえのない宝物だ。
アメリカの高校にも初めて行き、学食では1/4切れのピザとフライドポテトが出され、そりゃ10代のうちからこんなもん食ってたら体臭もキツくなるわとは今のぼくが思ったことで、当時はこんな素敵なものが毎日食べられるなんてお祭りじゃないかと無邪気なものだった。
マイケルはどうやらぼくの友達のことが気に入ったらしいが、彼は不器用な人間なので、女性へのアプローチを心得ていないようだった。
自分で考案したオリジナルの武器の絵をプレゼントしたり、極寒のスケートリンクでキンキンに冷えたコーラを買ってあげたりと武骨なアピールをしており、これは友人代表のスピーチの内容に使えるなとにやにやしていた。
マイケルから友人のことを相談されたかどうかは記憶が曖昧なのだが、相談されてたら確実に焚き付けてるので、彼は秘めたる情熱を他ならぬぼくに相談することもなく、愛に殉じる覚悟を決めていたのだろう。
結果として彼の恋は叶うことがなかったが、マイケルの噛めば噛むほど味の出るビーフジャーキー的な良さは友人には理解できないだろうと思っていたし、あいつは見た目はいいけど食べてみたら想像と違ってがっかりするスニッカーズのような男でも選んどけばいいのだ。
数年後、大学生になったぼくは突然マイケルと連絡を取りたくなり、彼を振った友人に添削を頼んで手紙を出したのだが返事はこなかった。
苗字が分かればFacebookでも探せそうなものだが、マイケル関連で残っているものは思い出と当時の写真しかない。
彼は今頃どうしているのか。
結婚してて子供でもいたら、ゲーム好きで穏やかで、マイクに似てふくよかな親父になっていることだろう。
奥さんにも冷えたコーラではなく、暖かいコーヒーをおごれるナイスガイになってるといいな。
聖剣伝説3がリメイクされると聞き、一週間だけ共に過ごした日本人のことを彼が思い出してくれてたら嬉しい。