公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

おまえ ほんま あかん

職場を変えてからのここ2年半くらいで自転車乗りを再開した。
1月にはカッコいい自転車を購入したので、サイクリング生活を楽しんでいる。
それ以前の4~6年間くらい(大体2014年~2020年初頭)は自転車自体を保有していなかったので、かなり久々に乗ったことになる。
その間に自転車を取り巻く環境がすっかり変わり、今まで曖昧になってきた自転車の交通ルールについても厳しくなったように思う。
普段から乗っていた人には周知の事実かもしれないが、個人的にはいろいろ戸惑っていることもあるのでちょっと書いてみる。
ちなみに、前提としてうちの地域は車の運転マナーがとにかく酷いので、車を擁護するつもりがないことだけはご承知いただきたい。


自転車のことについて書く前に、まずはぼくが住んでいる地域のドライバーの民度の低さについて述べていく。
赤信号でも平気で突っ込んでくる、歩行者や緊急車両に道を譲らない、狭い道でもスピードを出しまくるなどの、ベーシックかつスタンダードなルール違反は当然備えているのでここでは割愛させていただく。
当地域で特徴的なクソドライバー仕草としては、『クラクションに対する沸点の低さと怒りの長さ』『交差点での振る舞い』である。
交差点でのクソマナーについては以前にも書いたことがあるので省き、クラクションについて説明させてもらう。
例えば、車Aの前に強引な車線変更をして車Bが割り込んでくるとする。
もちろん車Bの運転は褒められたものではないのだが、ここで車Aが鳴らすクラクションが尋常ではないのだ。
ラクションをべた押しし、そいつが視界から消えるまで許さないくらいの勢いで鳴らし続ける。
ぼくの地元でも他府県でも抗議のクラクションを鳴らす車はもちろん見たことがあるが、その際は軽くプッという程度であった。
あんな粘着質なドライバーが多数を占めているなんて、魔境みたいなエリアである。
また、前述した割込みほどではなくても、不快なことがあるとすぐ沸騰してクラクションを鳴らすのもポイントだ。
バスガイドをしていた友人の奥さんが、あそこではとにかくクラクションを鳴らされることが多かったと述べていた。
いろいろな土地を見てきたガイドさんが言うんだから相当なものなのだろう。


では本題に戻って自転車を取り巻く環境について。
最も変化したこととしては、『自転車は基本的に車道を走れ』というルールが徹底されたことだ。
自転車も本来は車両なので車道を走るのは当たり前なのだが、そのあたりはなあなあで見過ごされてきたように思う。
車道を走るのはいいとしても、『基本的には車道』の部分を都合よく解釈して、『何がなんでも歩道を走るな』と主張する一派がいることが厄介だ。
これは歩行者・自転車双方の言い分に納得するところがある。


まず、自転車は絶対に歩道を走ってはいけないということはないのだ。
車道を走るのが困難なときは、あくまでも歩行者優先でスピードを落として走っていいことになっている。
ところが、歩道であってもスピードを落とすことなく突っ込んでくる自転車が多い。
常識のアップデートができていない年寄りに至ってはベルを連打して強引に通行しようとするので、そのままあの世への道を突っ走ってほしい。
(ベルを鳴らして歩行者をどかせるのは違法)
また、駆け抜けていく電動自転車もなかなかの恐怖だ。
非電動の自転車に比べて重量があるのに、ペダルは軽いものだから簡単にスピードが出る。
加えて、前後に子供を乗せるためのシートなんかがあると重量に加えて前後左右に幅を取る。
ところがそれでスピードを出し、狭い歩道を強引に通行するものだから仮にぶつかられたらたまったものではない。
どうも世間的には子育てをがんばっている親を批判してはいけない風潮があるらしく、文句をつければ「欧米と違って子育てに不寛容な社会…。」などとSNSに書かれるだろう。
(ここでの”欧米”とは本人が勝手に創造した理想郷としての”欧米”であって、確固たるデータがあって言っているわけではないのもポイント)
お前が子供を育てていることと、道路交通法は全くの別問題なのである。


ぼくの住んでいる地域は信号のない交差点が多く、道が狭いため一方通行箇所が多くてややこしい。
車が交差点でロクな停止も徐行もしないことはもちろんなのだが、自転車はもっと酷く、スピードを落とすことなく駆け抜けていくのだ。
あれは見ていても恐怖でしかない。
歩行者や他の車両とぶつかる可能性を考えないのだろうか。
今まで事故を起こしたことがないから、これからも安全だと考えているのだろうか。
歩きスマホと同じで、今まで事故を起こしていないのはお前以外の周囲が気をつけているからに他ならないのに。
あとはまあ、言うまでもないけれど自転車運転中のスマホ操作は言語道断であるし、イヤホンなんか付けてたら最悪だ。
自転車中にスマホをいじるような差し迫った要件があるのだろうか、いやない。(反語)


じゃあ、自転車がどうして歩道を走るのか。
ひとつはもちろん走る権利があるからだが、もうひとつは『路駐が圧倒的に多い』からなのだ。
前述したように、車道を通行するのが困難なときは歩道を走ってもいいのだが、歩道を選ばざるを得ない自転車側の事情もある。
通常の道路であれば自転車レーンは車道の左端にあるため、路駐の自動車に邪魔されることがとにかく多い。
外国によっては完全に自転車の専用レーンがあり、車の駐停車も禁じられていると聞くが、国土の狭い日本では実現が難しいだろう。
それでも、広めの道なんかでは自転車専用の車線が設けられており、『自転車専用なので乗車したままの駐車も違反』という看板も見る。
当然ながらそんなエリアであっても路駐のやつらは存在するし、ここぞとばかりに停まっているでっかいトラックなんかは横を通るのが恐ろしい。
自転車の交通ルールを取り締まるのは結構だが、自転車レーンに路駐している間抜けも同様のテンションで取り締まってほしい。
あと、自転車乗りによっては車に幅寄せされたり煽られたりしたという話も聞く。
公道が自転車にとって決して運転しやすい環境でないということはどうぞご理解いただきたい。
じゃあ乗るなとか言うやつはお前のそのしょうもない車を破壊する。


ぼくが自転車に乗っていなかった数年間で、クロスバイクロードバイク乗りが圧倒的に増えた。
女性でも乗ることができるコンパクトなフレームも開発されて、体格や性別問わずスポーティな自転車に乗ることが可能になった。
加えてコロナ禍で密を避ける必要になったことや、フードデリバリーの普及から自転車のニーズも増えたことだろう。
統計とかは参照していないけど、自転車乗りは確実に増加しているに違いない。
事情はあれど、自転車は歩行者からも車両からも厄介者扱いされがちだ。
だからこそというわけでもないが、槍玉に挙げられないためにも善い自転車乗りである必要がある。


現在の住まいが交通マナー最悪であるということはたまに書いているが、一般的に言われるマナーの悪い地域ではない。
じゃあ気のせいじゃないかと思われるだろうが、決して被害妄想で語っているわけでも幻覚を見ているわけでもない。
車に限らず、基本的に公道を利用している全ての存在が己の思うままに闊歩している。
性格上、いろんなものを受け流すのが下手くそなので、マナーの悪い人を見るたびにもやもやしたりいらいらしたりしている。
せめて迷惑をかけない範囲で単独事故でも起こして、学んでほしいと思うところだ。