公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

乳を見るとき、乳もまたお前を見ている

女性は胸を見られているのに気が付いていると聞いて、戦慄した。
彼女たちはパイオツに目玉でも付いているのだろうか。
男がいくら視線をごまかして見ようとしても、女性にとってはバレバレなのだそうだ。
ただ、見られたことに気が付いたときしかカウントしてないのだから、判定としてはザルもいいところである。
自分が気が付かなかったときには認識できないのだから、自信満々に言うことでもない。
女性は自分がカウントした100倍は自分の乳が見られていると思った方がいい。


ぼくは意外と女性の仕草で見ていることがある。
それは、ブラジャーの肩紐や後ろのあたりをボリボリ掻いている動作だ。
別にその動作に幻滅しているわけではなく、ついつい目が行ってしまう。
服の上から掻く人もいれば、薄着の場合や首回りが開いている服のときなんかは、服の中に手を突っ込んで掻いている人もいる。
フィットするようにできているわけだからそりゃ蒸れるだろうし、痒くもなるだろう。
あのあたりを掻いているということは、当然だがブラジャーを身に着けているということになる。
こちらにしてみればブラジャーというのはいやらしい存在なので、何と言うかいやらしさの片鱗を少しでも垣間見られたことに視線が奪われるのだ。
どちらかと言えば隙のある弛緩した行動なので、油断してやってしまった仕草を見ることのできた幸福も感じられる。
ただ、ブラジャーのあたりを掻く人というのは普段から内でも外でも気にせず掻いていると思うので、たぶんそんなにラッキーなことでもない気はする。


そう言えば学生の頃、女友達から「下着を捨てるときはハサミで切り刻んでから捨てている」と聞いて、軽くカルチャーショックを受けた。
捨てるくらいならもらうのにとも思ったが、身体から離れた下着には興味がないので、それなら切り刻む作業を手伝うことを提案しようかとか、思考が頭を駆け巡った。
教えてくれた子はそれはもうものすごい美少女だったため、自衛としては確かに理に適っている。
捨てたゴミを漁ってでも下着を入手しようと考える輩がいても不思議ではない。
ガチの人であれば、切り刻んだ下着を鑑識班の如く復元するとか、股間部分の切れ端だけ探し出してお守りとして持ち歩くとかしそうなものだが、そこまでのリスクに対応するのは下着専用のシュレッダーでも用意しないと無理だろう。


そのとき聞きそびれたのだが、パンツはゴムがだるだるになったら捨てるだろうが、ブラジャーはいつになったら捨てるのかと疑問に思っている。
乳首の部分が擦れて痛いとか、ホックがバカになってすぐ外れるとか、分かりやすい捨て時があるのだろうか。
下着の捨て方といい捨て時といい、まだまだ世の中には知らないことがたくさんある。