公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

ブリーフ博士

成人男性が白いブリーフを履くのは気持ちが悪いという意見があるらしく、何となく分からんでもないけど見た目の問題で終わらせるのもつまらんので考察してみた。


子供の頃はみんなブリーフだったと思うが、それは親が買ってきたものを履いていたわけで、自分の意思はあまりなかったように思う。


思春期になって異性の目を意識し出すようになると、自分の好みが形成され親が買ってきた服をそのまま着ることに反抗し、自分で着るものを選ぶようになり、下着も自分で選ぶようになる。


小学校高学年くらいの頃、発育のよかった同級生がある日突然こち亀のトランクスを履いてきて衝撃を受けたのを覚えている。


彼にとってもこち亀デビューは不安でいっぱいだったはずだが、同級生より先んじて大人になったという自信もみなぎっていたことだろう。


こちらがいくらおちょくっても大人の階段を二段飛ばして駆け上がっていく彼が眩しく見えたものだ。


ブリーフを卒業するということは自我の芽生えと親離れの一歩であり、親の管理下を脱し、男一匹大地に立つという決意の現れだ。


若い男性がブリーフを履くということは、未だに親の庇護下にある自立できていない印象を持たれてしまうのでマイナスなのではないだろうか。


また、ブリーフを履いているおっさんもいるが、あれはあれで男を捨ててしまったというか、今度は妻の管理下に入った気がしてしまうのでモテないのだろう。


若い頃は自分で下着を選んでいたのに、今は妻が選んでくれた下着を何の疑問もこだわりもなく履いていることに悲しくなる。


奥さん側も旦那がブリーフを履いてくれるとカッコ悪くなってモテなくなるので浮気防止にいいのだろう。


自分の価値を上げて釘付けにするのではなく、あえて常温に放置しといて腐らせて、自分しか食べられないようにするとは向上心のない行為だなあと思う。


最近の子供はブリーフを履かないというか売ってないらしく、友人宅に遊びに行ったときにも幼稚園児の長男がボクサーパンツみたいのを履いていて、子供服業界の変遷に驚いた。


えらいオシャレな感じのやつで、子供のうちからこんなしゅっとしたものを履いていたら、来るべきトランクスデビューのあのドキドキ感が味わえないのではないだろうか。


まあ今の子供たちなりにぼくらの時代にはなかった大変なこともあるだろうから、自分らの時代が特別というわけでもないのだ。