公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

高所得サラリーマンと美人な専業主婦

久しぶりにクレヨンしんちゃんの劇場版【ヘンダーランドの大冒険】を見た。
思い出補正だと思っていたがやっぱり面白かった。
所々演出がホラーだったり、伏線の回収がきちんとしていたり、物語としても十分見ごたえのある作品になっていた。
終盤の追いかけっこは作画に気合いが入りまくっており、とにかくヌルヌルとよく動く。
アクション仮面・カンタムロボ・ぶりぶりざえもんのオールスターが共演するのもおそらくこの作品くらいだろう。
ひまわりがまだ生まれていない頃の作品のため、ひとりで奮闘するしんちゃんが健気で勇ましくもある。


今になってクレヨンしんちゃんを見ていると、大人になってから気が付くことがたくさんある。
例えばしんちゃんはよく、みさえのことを尻がでかいとか大根足とかスケスケおパンツだとかいじっている。
作中では年増扱いされることも多く、少年の頃のぼくもみさえはおばさんだと思い込んでいた。
しかし、みさえは29歳である。江戸時代の吉原の遊女ならとっくに引退している年齢であり、女子とかお姉さんと呼ばれる年齢ではないにしても、年増扱いされるような年齢でもない。
そして冷静になって考えてみると、29歳の人妻でケツがデカくてエロい下着を履いているって、とんでもないドスケベである。
しんちゃんがスケスケだと認識するくらいだから、サイドが軽く透けているとかいうレベルではなく、子供が見てもハッキリ分かるほどシースルーの下着なのだろう。
みさえは夏場になるとショートパンツを履いたりタンクトップだったりするので、もしも近所にいたらエロエロ若奥様として認識されることは間違いない。


また、ひろしについても同じことが言える。
作中では足がクサいうだつの上がらないサラリーマンとして描かれ、しんちゃんやみさえには安月給と揶揄されることもある。
しかし、35歳で課長、埼玉の郊外に庭付き・車庫付きの一戸建てと自家用車を保有している人間は確実に勝っている。
一説によると、ひろしの年収は600~650万円らしい。
同世代の中では確実に高所得者の部類に入るのではないだろうか。
クレヨンしんちゃんの連載が始まったのはバブル真っ最中だったため、当時の基準で考えれば大したことのない収入だったのだろう。
よくひろしは理想の父親として挙げられることもあり、ネットを漁ればひろしの名言集が数多くヒットする。
ただ、その中にはひろしの言ったものではないセリフが混じっていることも多いので、ドヤ顔でひろしの名言を披露してクレヨンしんちゃんガチ勢にマウントを取られないように注意しよう。
しんちゃんもひろしも園長もぶりぶりざえもんも、当時の声優さんは降板したり亡くなったりしているため、寂しい限りである。


自分が働くようになってみると、ひろしの偉大さが身に染みて分かる。
ジブリなんかでもそうだが、大人になってから見ると感じ方の変わる作品は楽しい。
しんちゃんがみさえのデカい尻をあんまりネタにするもんだから、巨尻とはマイナスポイントであると当時のぼくは思っていたが、欠点どころか大幅な加点要素であると今は噛み締められる。
今からひろしのようになれるとも思わないが、せめて尻がデカくてエロい下着を履いてくれる女性との縁がありますように。