公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

びっしゃびしゃのお花

今日言いたいことはただひとつ。
女のカバンを持つ男はアホ。
これのみである。
定期的に言っているのだが、先日とある出来事があったので書いておきたくなった。


ここで言う「カバン」とは文字通り己の荷物が入っている袋のことである。
己の意思で自宅から自分に必要なものを入れて持ってきた荷物のことを指す。
そのため、買い物したものが入ったエコバッグや紙袋、または家族で外出した際の子供の持ち物なんかは含まない。
「必要だから自分で持ってきたもの」というのが重要であって、出先で増えたものは除外するわけだ。


先日、街を歩いていると和服を着て歩いている男女ペアを見た。
まあおそらく友人同士でも夫婦でもないのでカップルとする。
着物のレンタルをして街歩きをしている人らはよく見るので、このふたりもその界隈の観光客だと思われる。
着物だけではなく履物や巾着袋も貸してくれるところも多いようだ。
驚いたのは、彼女のものと思われる巾着を彼氏が持っていたことである。
最初は彼氏の持ち物かとも思ったのだが、デザインといい色合いといい明らかに女性ものだ。
何より、彼氏は自分のものと思われる巾着を既に持っていた。


男性が女性のカバンを持っているシーンは何度も遭遇したことがあるが、こういうシチュエーションでは初めてだった
ちょっと待てと、小物も含めての着物コーディネートだろうが。
普段は身に着けないものを着用して、ふたりで街を歩くから特別感があるんじゃん。
ちょっと横の彼氏見てみろって、巾着ふたつ持ってんだけど、変だと思わん?
お前例えばトイレとか行くとき、彼氏にカバン渡してもらって、それ持ってトイレ行くでしょ?
ほんで戻ってきたら彼氏にまたカバン預けんの?召使いかって。みっともない。


カバンとはファッションの一部である。
女性はカバンを複数持っている人も多く、気分やコーディネートによってカバンを選ぶ。
今日のカバンは彼女の今日の着こなしに合わせて選択したものなわけだ。
決して彼氏の服装に合うようにセレクトしたものではない。
女性用のカバンを男性が持ってるだけでちぐはぐな印象になるし、上記したように召使いか忘れ物を届けに来た人にしか見えない。
また、彼女のほうもバックありきのコーディネートなので、手ぶらで歩いてると何とも言えない違和感がある。
そのため、ファッションのテイストが同じカップルだったら彼氏にカバン持たせてもいいかとは当然ながらならない。
以前は、リクルートスーツ姿の彼女の就活用カバンを持って一緒に歩いている普段着の彼氏を見かけたことがある。
お前は自分の荷物も自分で持てなくて、しんどい就職活動とその先に待ち受けるお仕事をどう乗り越えるつもりなのか。
同僚も上司もカバンなんて持ってくれんぞ。


彼女が持ってほしいと要求しているのか、彼氏が自発的に持っているのかは定かではない。
彼女がカバンを持つことをお願いしてきたとして、何の疑問もなく持っている彼氏もどうかと思う。
チンコの先っぽみたいな髪型をした人畜無害そうな男性も、自己表現は暴力のみのような粗暴な男性も、属性に限らず彼女のカバンを持つ男性は存在する。
そもそも、基本的に自分の荷物は自分で持つべきである。
彼女だって、彼氏にバシっとキメたカワイイ自分を見てほしいから服装を考えたわけだ。
「今日はこのカバンにしよ」と思って出かけても結局は彼氏に持たすわけで、なんか空しくないだろうか。
何で持つんだろうか?優しさ?彼女を疲れさせたくないとか、苦労させたくないとか?
ほんならもう歩くこともやめさせて、彼氏が抱きかかえてデートすればいいのに。
疲れる仕事も辞めてもらって、危ないから外にも出ないでもらって、身の回りの面倒を全部見てあげてお金も稼いでくればいいのに。
パートナーを一人前の人間扱いしてない印象を男性には受けるし、自分の荷物すら自分で持てない自立できてない人という目で女性を見てしまう。
女性に優しいのは結構なことだが、お花に水をやりすぎれば腐ってしまうので優しさと甘やかしは決定的に違う。


彼女のカバンを持つ彼氏は、どうか責任をもってその彼女をそのまま引き取ってほしい。
お前らの中だけで完結するのならまだしも、男性は女性のカバンを持つべきというワガママな考えを持った女性を量産しないでほしいのだ。
もしもお別れするときはそのまま野に放たずに、きちんと伝えておくべきだ。
「自分は今まで君のカバンを持ってきたけれど、全ての男性が女性のカバンを持つとは限らない。だから、カバンを持つことを強制してはいけないよ」と、当たり前ではないことを懇々と言っておいてほしい。
もちろん、大体の女性は「よそはよそ、うちはうち」を理解しているだろうから、どの男性に対してもカバン持ちを強要しないだろう。
ところが誰にでも同じ扱いを要求し、甘やかしを当たり前と考え、叶わないと機嫌の悪くなるアホ女も少なからず存在するので、早いうちに手を打っておかないと後々面倒になる。


昔見た映画に、所有者以外が持つと柄の部分からトゲが飛び出す剣が登場していた。
盗難対策と甘やかし防止のためにぜひとも導入してほしい。
しかし巾着ふたつ持ちはなかなかの衝撃だった。
これを超えるインパクトは「リュック代理背負い」くらいだろうがさすがに見たことはない。

【追記あり】4月に読んだ小説と漫画

先月に続き、4月は漫画と小説をいくつか読んだので紹介していく。
多くの人に薦めたいので、がんばってネタバレなしで魅力を伝えていきたい。


読んだもののうち上ふたつが小説で、あとは漫画。
特筆がない限り、電子ではなくて現物で購入している。

邂逅の森

他人の人生を追体験し、自分になかった価値観を知ることができるのが物語の良さだと思う。
映像作品とは違い、文章のみで書かれた小説は己の想像力が重要になってくるのだが、こと情景が頭に浮かんでくるという点においては抜群の作品だった。
他に例が思い浮かばないけど、どうも『狩人』って属性は強烈な個性を持ったキャラクターになることが多い気がする。
その一因が、この作品でも描かれている彼ら特有の習慣や風習に由来するのだなと思った。
また、この物語に登場する『マタギ』『阿仁』『村田銃』などの用語で、ゴールデンカムイの『少女団のお荷物』こと谷垣源次郎が頭に浮かんで仕方なかった。
そのため、主人公の松橋富治は性格こそ異なるものの、見た目は完全に谷垣で想像していた。
時代的にもゴールデンカムイのちょい後だと思う。
マタギたちの間では山の神様は女性で、ブスで嫉妬深い割にはドスケベという風習があるらしい。

まっぷたつの子爵

ぼくの好きなガンダムOVA作品(ポケ戦)の監督さんが、物語のラストはこの作品を意識したと聞いたので読んでみた。
海外文学は翻訳の具合で物語への没入度が変わってくるのだが、正直この本の翻訳は自分には合わなかった。
翻訳が合わないときは古い年代に訳されたものがほとんどなのだが、2020年に翻訳されたものだということなのでやっぱり合わないのだろう。
タイトル通り、戦争に行った子爵は砲弾で身体を真っ二つにされるんだけどそれでも生きて故郷へ戻って来る。
ところが片方だけの子爵は、以前と違って邪悪な面が目立つようになったというお話。
子爵は真っ二つになってからのほうが生き生きとしていて、ばいきんまんの如く悪いことをして領民にかまってもらいたがっていた。
「人間は不完全なほうが相手の気持ちを理解することができる」という台詞が作中にあるのだけど、自分のことができてないやつほど他人の世話を焼きたがるやつだろう。
正直、レビューするほど何かを読み取れたわけではないので書くことがそんなにないけど、ポケ戦ラストのモチーフにしたというくだりは何となく分かった気がする。
ちなみに子爵の見た目はジャイアントロボの素晴らしきヒィッツカラルドで補完していた。

王様ランキング 13

第二部が始まった本作。
アニメは途中までしか見てないけど、結構出来がよかった。
ボッジとカゲには和気あいあいと旅をしててほしいので、これからの展開に期待ができそう。
ボッジの髪型は初期の頃のペタッとしたやつのほうが好き。

ONE PIECE 102

追記したのはこれ。
肝心なものをど忘れしていて情けない。
かつてはにわかオタクが好む作品の代名詞とされたONE PIECEであるけれど、今や102巻持ってる人もそう多くはないのでは。
恋ワンピの作者みたいに長い年月をかけて醸造されたやばいやつも出てきたし。
数年前からずっと感じてたんだけど、ゾロって新世界に突入してから本気出してなかったと思う。
ピーカは周囲と協力して倒しただけでダメージを受けた描写はなかったし。
余力を残して戦ってるイメージがあった中、今回のキング戦は久々の格上との闘いで燃えた。
錦えもんがパンクハザードでローに身体を切断された話題が出てきたけど、そんなことあったなあと思って調べてみたらパンクハザード上陸が2012年(単行本発売日)だった。

ゴールデンカムイ 1~29(既刊)

何度か書いているが、ゴールデンウィークに備えて既刊を全て新品で買った。
29巻発売日当日に本屋に行ったら、帯にとんでもないことが書いてあってびっくりした。
今やオタクの仮想敵となっている実写化であるが、どうなることやら。
今回単行本を初めて買ってみて、聞いてた通り加筆が多いなと思った。
29巻あたりからバリバリ加筆すると聞いているので楽しみ。
将来忘れっぽくなったとき、これは無料公開を機に作者の心意気に共感したから全巻揃えたんであって、実写映画化するから買ったわけではないとハッキリ覚えておきたい。

寄生獣 1~10(完結)

ブックオフに並んでる漫画といえばで三番目くらいに思いつくこちら。
ちなみに一番目は『殺し屋1』だけど読んだことはある。
寄生獣は絶賛する人が多い作品であり、天邪鬼な自分としてはじゃあ読まないでおくかとずっと避けていた。
ミギーのことは知っていたので、ARMSみたいなバリバリのバトル漫画かと思ってたら違った。
寄生生物は確かに強いんだけど人間に殺せないことはないし(一部を除く)、彼ら自身を増やすことはできない。
途中からこれ、絶滅エンドとか無理じゃね?と思っていたので、結末やパワーバランスが最高に好みだった。
序盤で出てきた犬のやつは努力の方向が間違ってるのに妙に自信満々だったので、現実でもそういうやつを見かけたときのいい例えができた。
ゴールデンカムイしかり、この作品しかり、タイトル回収が見事な作品は大好き。

銃座のウルナ 1~7(完結)

とあるところで見かけたので購入してみたものの、とにかく本屋にもネットにも売っていないので手に入れるのに苦労した。
中古ならすんなり手に入るが、なんとなく新品で欲しかったのだ。
単行本の装丁がとにかく凝っていて美しいが、下手に表紙をめくってカバー下を見るとネタバレを喰らうので要注意。
志願兵のウルナが蛮族との紛争地帯になっている島に派兵され…から始まる物語。
とにかくスルメ漫画で、何度も読み返したくなる。
昔、雨上がり決死隊のホトちゃんが「趣味が違うほうが夫婦はうまくいく」というようなことを言っていた。
愛し合っている者同士であっても同じものを好きになる必要はないし、ましてや同じものを憎む必要はない。
戦地から身体だけでなく心も戻って来るためには、愛する故郷や大切な人たちとの交流が不可欠なんだろう。
例えば自分の恋人が戦争に行ってたとして、恋人が日常に戻るための存在に自分がなりたいって思うじゃん。
っていう気持ちでもう一回読みたい。
あと、靴の描写が丁寧だったり、「国の経済が逼迫していると靴が短くなる(革を調達する余裕がないから)」というセリフがあったりするあたり、作者さんの靴へのこだわりが半端ないと思った。
こういう面白いけど知られていない漫画を連載当初から見つけてくる人って、どういうアンテナを張ってるんだろうか。


先月の漫画レビュー(ネタバレあり)
mezashiquick.hatenablog.jp


面白かった小説(ネタバレなし)
mezashiquick.hatenablog.jp

ドズル・ザビ 誤解される

嫌いだけどもついついしてしまいがちなのが「古参アピール」だ。
「自分は前からこれのファンだった」というやつである。
流行ってるものについての先見の明をアピールしたくなるのはすごくよく分かるが、自慢されているほうはうっとうしいことこの上ない。
ぼくもやりがちなので気を付けなければと思っている。


ぼくが「いっちょかみこたつ記事メディア」と呼んでるアニメ・漫画系のwebサイトがある。
先日はこんな記事をアップしていた。

magmix.jp

鬼滅の刃原作未読組の感想を取り上げ、以前から原作知ってましたと言わんばかりの謎マウントを取っている。
『原作未読組の感想がじわじわくる』って、初見の人間を完全に馬鹿にしてかかっているわけだ。
このサイトみたいに話題になってから飛びついたやつに言えたことかと白々しい気持ちで眺めている。
どうせこいつらも、ジャンプ掲載当初から鬼滅に注目していたわけではなく、アニメが話題になってからよだれを垂らしてすり寄ってきた輩だ。
鬼滅のアニメは放送当初、原作ファンやアニメ好きからは注目されていたものの、ここまでのブームにはなってなかった。
コロナ禍で自宅にいる時間が増えたことで動画配信サービスの需要が高まり、その中で鬼滅もアニメ終了間際か終了後に広く知られることになったと記憶している。
というか連載当初から知っていようが、マウントを取る理由にはならない。
普段アニメや漫画を見ない層にまで広まったからこそ、ここまでのブームになったのだ。


このサイトは最近だと最終回を迎えたゴールデンカムイ、映画化されたオッドタクシーなどの記事がいっちょかみで増えている。
ところがロクに調べもせずに書いているので穴があるのだ。

magmix.jp

この記事ではゴールデンカムイ最終巻の30巻が6月に発売されると書いているが、最終巻は31巻で7月発売である。
「最新巻」「最終巻」を間違えたのか、本当に最終が30巻だと思っているのかは定かではない。
誤字だったとしても全然違う意味になるわけだからきっちりチェックすべきだし、最終巻が何巻であるかも調べれば出てくるのだからどっちにしても見過ごせない。
このサイトを叩こうと思ってわざわざミスを探したのではなく、たまたま見かけた記事でこの体たらくだ。
シビアな視点でひとつひとつの記事を読んでいけば、もっと粗が見つかるだろう。
上記のミスはこのブログ公開現在(2022年5月2日18時)でも修正されていない。
もっと言えば、漫画を紹介するのなら「既刊」とか「完結」とか付け加えるべきだ。
「全○○巻」という書き方では完結したのかと誤解されてしまう。


アクセス数を稼ぐ必要がある以上、多くの人に見てもらえるような内容にするのは当然で、みんなが知っている作品について記事にするのは理解できる。
なので、メジャーどころばかり取り上げていることに文句を言うつもりはない。
ぼくがこのサイトをここまで毛嫌いしているのは、基本的に「わかってない」からなのだ。
例えば、ガンダムについて書かれた記事での前科がある。

magmix.jp

『初見で震えたモビルスーツ&アーマー』としてガンダム各作品に登場した機動兵器を挙げているのだが、ビグザムについて書かれた内容に問題があるのだ。
パッと見どこがおかしいのか分からないだろう。
なぜなら、この記事には修正が入っているのだ。
こんなこともあろうかと修正前の記述をコピっているので、修正後の内容と合わせてぜひ見てもらいたい。


【修正後】

戦況が連邦側に有利となった終盤、背水の陣で切羽詰まったドズルがビグ・ザムに乗り込むと、連邦MSや戦艦など抵抗する術もなく圧倒。連邦パイロットも恐怖で呆然とします。

【修正前】

戦況が連邦側に有利となった終盤、背水の陣で切羽詰まったドズルがビグ・ザムに乗り込むと、見境なくビーム砲を斉射。敵だけではなく味方のザクやソロモンを焼き払う鬼畜ぶりは怖すぎます。

全然違うのがお分かりいただけたと思う。
決してこのサイトを貶める意味で捏造したのではなく、本当に書いてあった内容だ。
大前提として、ドズルがビグザムに搭乗して無差別攻撃を行った事実はない。
ライターはガンダムを見たことない可能性が濃厚であり、一体何を参考にして記事を書いたのか疑問だ。
ガンダムを一度でも見たことがあれば、ドズルが怖い顔の割に愛妻家で子煩悩で家族思いで部下思いなのはアホでも分かるからだ。
そもそも、ドズルがビグザムで出撃したきっかけは、ビグザムをソロモン内部で運用するのは味方の損害が激しいと判断したためである。
(『こいつが強力なのはいいが、このままでは基地の損害も馬鹿にはならん。』と明言している)
その後、ソロモンを放棄するにあたって残存戦力が撤退する時間を稼ぐために、連邦の主力艦隊に特攻をかけたのだ。
何なら、特攻前に同乗していた部下に脱出するよう勧め、ひとりでビグザムを操縦していた。
こんなことをする男が、自軍の基地や味方を焼き払うような真似をするだろうか。
司令官が真っ先に逃げずに、軍隊の殿を務めるなんて最高にカッコいいではないか。
そりゃ流れ弾に当たったやつはいたかもしれないが、少なくとも記事にあるように誰彼構わず焼き払った事実はない。
『切羽詰まった』という表現も違うと思うし。
というか、ドズル出撃の経緯はネットで検索すればいくらでも出てくる。
ライターはwikiすら参照しておらず、ドズルの顔だけ見てこいつは悪い奴に違いないとイメージで記事を書いた可能性もある。


あとは、エヴァについて何にも分かってないと思ったこちらの記事。

magmix.jp

まず、シンジくんを一概にヘタレと断定するのは異論がある。
今までのロボットアニメ主人公が異常に前向きだったり環境適応能力が高すぎただけで、一般的には普通の反応だと思う。
久しぶりに会う父親に呼ばれて仕事場に行ったらよく分からんロボットに乗って戦えと言われて、はいそうですかと受け入れられるだろうか。
今まで気さくに接してくれていたので味方だと思っていたミサトさんを助けを求める目で見るも、彼女も父親側の人間だったのでかばってはくれなかった。
この場にシンジくんの味方は誰もいないのである。
『物語の主人公であるならば、人類のために少しは前向きに考えてみてもいいはず。』って、視聴者目線で言うなよ、シンジくん目線で言えよ。
シンジくんは自分のことを主人公だと思っているわけでもないし、この時点では初号機のパイロットだと自負しているわけでもない。
どんなメンタルしてたらそんな状況で「人類のため」なんて思えるだろうか。
普通は自分のことしか考えられないだろう。
ロボットに乗ったことないので知らんが。
長くなるのでこのライターが他にもヘタレとしているシンジくんのエピソードについての言及は省くけど、情けないと断定できる内容でもなかった。


まあエヴァに関しては解釈違いもあるだろうが、ガンダムに関してはなぜ修正前の内容があんなだったのかライターに聞いてみたい。
解釈違いでなく完全な誤りなのだから。
ガンダムはアニメだけでなくゲームや漫画等も多数あるので、本編を見ずにそれらの知識で大雑把にストーリーを理解した可能性がある。
件のライターは他にもガンダム関係の記事を同サイトにあげているようだが、きちんと作品を見て書いてほしい。


『人は分かり合えるか』というのがガンダムという作品のテーマだと勝手に思っている。
ところが、ガンダムファンは好きな作品で当人の人格を否定したり、新作をこき下ろしたり、常に喧嘩をしている。
ガンダム好きな人たちが一番分かり合えていないわけだ。
最初はみんな初心者なので、ニワカだの何だの心の狭いことを言うつもりはない。
だけど、バレないと思っていい加減なことを書くとすっ飛んでくる人がいるので注意したほうがいい。

ゴールデンカムイ最終回に添えて

ゴールデンカムイが本日4/28に最終回を迎えた。
以下に感想を書いていくが、ネタバレ多数なので要注意で。

テーマが重たいだけに、最終話のタイトル通り大団円でよかったと思う。
以前にも書いたが、最近バッチリ全巻購入している。

mezashiquick.hatenablog.jp

最終回は少し駆け足な感があったので、単行本でバリバリ加筆されることを期待したい。
個人的にはチカパシとエノノカのことも補足してほしい。


この作品の良いところは、どんな頭のおかしい人間でも逃げずに自分の業と向き合っているところだ。(だからか知らないが生き生きと楽しそうなやつが多い。)
どうしようもない家庭環境・性癖・トラウマ・弱さ・罪など。
それらに振り回されつつも抜け出そうとあがいて立ち向かって、己を丸出しにして殴り合ってぶつかり合って誇りと尊厳と生き様を獲得する。
結果的に人が死んだりしているので、行動が正しいかどうかはさておき。
そして最後にはみんな満足して死んでいくのだ。
辺見の言葉を借りるなら、「命の煌めき」を見る物語だった。
房太郎のように夢半ばのやつもいたが、意志は白石に受け継がれたので、白石が王となった国で房太郎のことは語り継がれているだろう。
白石って湿っぽいのは嫌いといいつつも、房太郎との約束は忘れなかったり、キロランケのことも気にかけていたり、杉元とアシリパさんにコインを送ったり、割と義理堅いやつだ。


満ち足りて死んでいく者が多いからこそ、土方の最期の言葉が「悔しいなぁ…」なのは悲しかった。
ぼくは新選組が好きなので、どうしても土方贔屓なところがある。
史実では死んでいた彼だから、ゴールデンカムイでも死んじゃうんだろうなあとどこかで覚悟はしていたのだけれど。
「この世に恨みを残した悪霊」「死に場所を探している」などと散々な言われようで、過去に囚われているかのような印象を受ける土方だったが、彼なりに日本のために戦い、日本の未来を見据えていた。
土方の形見である和泉守兼定が杉元を救っただけではなく、アシリパさんの助けになってアイヌの未来に役立ったのは土方としても本望だったろうし、キムシプから受けた恩を返すことにもなった。
好きなキャラが死ぬかもしれないというのはこの作品においてはみんなが思っていたことであり、余裕をぶっこいていたのはアシリパさんと永倉新八ファンくらいのものだろう。(永倉は大正4年に病死する)


個人的にはアシリパさんって子供なのにえらいもん背負わされてんなあと思った。
割とこじらせた男性が多い中、その願望が全て彼女に集中していくのはしんどいだろうなあと。
一緒に旅をしてきた大人たちが五稜郭や列車の中で次々に死んでいくのを目の当たりにしているし。
ウイルクやキロランケから託されたアイヌの未来、杉元のアシリパさんを庇護したいという欲求(後半はマシになったけど)、兄貴とアシリパさんを重ねて孤独を癒してくれる存在を求めていた尾形、ゴールデンカムイの呪いに巻き込んだ恨みをアシリパさんにぶつけてくる鶴見中尉。
彼女が自分の道を決めるまでには相当のストレスがあったことだろう。
最後は杉元と北海道に帰って、おいしいものを食べてヒンナヒンナしてくれてそうなので何より。


ぼくはSNSとかはやっていないし、身近にゴールデンカムイのファンもいないけど、多くの人とリアルタイムで最終回を共有できるって素晴らしいことだと思う。
作者さんや出版社の心意気に応えるためにも単行本は購入させてもらったし、これからも応援していきたい。

おまけ

好きなキャラ3人(順位とかはない)

  • チンポ先生

自分の完璧を、アシリパさんをかばって死ぬ今だとハッキリ言った紳士で格好よすぎるチンポ先生。
鉱山に閉じ込められた杉元と白石を救出したり、ガレキからインカラマッちゃんをかばったり、チンポ先生は紳士なのだ。
インカラマッちゃんと谷垣が想い合っていることを察して、彼女に手を出そうとしなかったし。
万が一にでも生きていて、偽アイヌが潜伏していた村で子種をばらまいてほしい。
あと個人的には強敵と戦ってほしかった。
後半は割とまともな面が目立っていたけど、師匠の不細工な妻を寝取って報復に来た10人を返り討ちにしたり、性欲が旺盛すぎて定期的に女性を抱かないと不安定になったり、やっぱり頭おかしい。
アシリパさんも最後の列車までハンペンを持ち歩いていたあたり、本当に懐いていたのだろう。
その男のチンポが紳士かどうか”抱かせて”見極めろ、男を選ぶときはチンポだ。

  • 二瓶鉄造

勃起おじさんこと二瓶鉄造。
アニメ版は声優が大塚明夫さんで最高だった。
結局エゾオオカミを仕留めることができなかったのに、自分の死に方を「悪くない」と言える潔さ。
オオカミが最後に見る人間でありたいと言っていたけど、自分のように執念深い人間がレタラ達にとって今後現れないだろうことを見越していたのかもしれない。
彼の「ひとりで立つ」、勃起の精神は谷垣からチカパシへ村田銃と一緒に受け継がれたのである。
最終話で谷垣も二瓶と同じく子供を15人作っており、一人だけ女の子であとは男の子という構成が二瓶と逆なのも受け継がれていて笑った。
辺見にせよ二瓶にせよ、金塊に頓着しないタイプの囚人は好きだ。
序盤でいなくなるのが惜しい、強烈なインパクトを残したキャラ。

  • 鶴見中尉

特に思い入れはなかったけど、最終話ひとつ前の話にやられた。
形見である妻と娘の指の骨が線路に落ちていくときの一瞬目に光が入る表情、最高だった。
形見ではなく権利書を選んだあたり、月島と鯉登に語った「個人的な弔いのためだけに道をそらすなどということは断じてない」というのは本当だったのだろう。
だがそのあとにアシリパさんに向けて言い放った「愛するものはゴールデンカムイにみんな殺される 全部お前の責任だぞウイルク!!」というセリフも真実なのだと思う。
本当は鶴見中尉も形見を選びたかった、個人の意思で動きたかったんだろうけど、権利書を選ばざるを得なかった。
そうさせたのはゴールデンカムイの呪いとそれに自分を巻き込んだウイルクであり、彼への恨み言を娘であるアシリパさんに向けたのだ。
きっと、日露戦争で砲弾に頭を吹き飛ばされたとき、鶴見中尉の魂は既に抜けかけていたのだろう。
魂を額当て(大義の暗喩だと思う)で無理に押しとどめていたけど、それもなくなって形見も権利書も金塊も失って、魂を繋ぎ止めておくものがなくなってしまったのだ。
妻子や部下などあまりにも多くのものを犠牲にしたために戻れなくなってしまったところに、ダメ押しで大切なものがなくなってしまってはあんな表情にもなるだろう。
杉本も鯉登も夏太郎も傷が増えていたが、あの傷は彼らの魂を抜くに至らなかったし、まだまだこの世での役目を終えていなかったのだ。

好きな扉絵

  • 55話

ドリフが好きなので初見で爆笑した。
アニメでアイキャッチとかになってくれんかと思ってたけどならなくて残念。
チアをやってる家永と、チンポ先生がいかりやさんポジションなのがいい。
サカナクションのPVだって言ってる人もいるらしいけど、そっちは知らん。

  • 155話

Doorsの2ndアルバム【Strange Days】のジャケットが元ネタになったやつ。
このアルバムは好きなのでニヤッとした。
155話はヤマダ曲馬団の話だし、サーカス繋がりだろう。
チカパシのポジションにいる子供、こんなに顔にシワあったっけと思って改めて見たら割とあった。

岩の下のダンゴムシ

ゴールデンウィークに備えてゴールデンカムイを全巻購入した。
新刊を29巻分購入できるなんて、自分も大人になったものである。
ゴールデンカムイはいい作品だけど、Twitterとかで見る腐女子のノリがとにかく不愉快だ。
結局あいつらって、登場人物の男性を腐妄想つまり同性愛者にして楽しむために作品を読んでるから、一生相容れることはないし相容れたいとも思わない。
あくまでも腐妄想に巻き込みたいキャラが重要で、世界観とかは二の次なのだ。(キャラ重視がダメだとは言わんが)
だからキャラクター本位の「推し」って言葉が生まれたんだと思う。
「推し」という言葉を使いたがる人とは深いところで作品の話はしたくない。
最近のオタクはとにかく「誰が推しか」といううっすい話しかしていない。
たぶん、物語の構造や解釈とかの細かい話になると馬鹿がバレるからだろう。
流行りに乗って内輪の話についていくために上辺だけで作品を見ている上に、SNSで作品の考察を呟いて間違うのが怖いのだ。
とはいえ、登場人物の性的嗜好を歪めて作品を食い荒らすイナゴ腐女子如きのために面白いと思った作品の購入を躊躇するのはアホらしいので、ゴールデンカムイは購入した。
あいつらは自分のオナニーのために流行りものに飛びつくだけなので、流行が過ぎればそのうちいなくなる。
腐女子とか女オタクって大げさで声がデカすぎるのも面倒だ。
こっちから見に行かなければ接点を持つことがないし、わざわざうんこの匂いを嗅ぎに行ってクサいと文句を言うこともないだろう。


ぼくはCDでも漫画でも手元に置いておきたいと思った作品は購入している。
音楽はサブスクで聞くこともあるが、漫画アプリは出版社公式のやつしか入れていないし課金もしていない。(ジャンプ+とかくらげバンチとか)
そのため、よく広告で見るようないろんな作品が見られる漫画アプリはよく知らないので、音楽のサブスクみたいに月額で漫画を試し放題のやつがあればいいなと思ってる。あるかもしれないけど。


ずっと思っていたことなのだが、漫画アプリの広告で紹介されている漫画はどうしてあんなにつまらなさそうなのだろうか。
自分が知ってる面白い漫画でもあの広告になると一気に魅力が削がれるのだ。
ダイの大冒険とか王様ランキングがあの広告になっていたのを見たことがあるが、これで魅力が伝わると考えているのだろうかと頭が痛くなった。
なんて表現したらいいか分からないが、とにかく「あの広告」としか言いようがない。
わざとつまらなさそうにしているとしか思えないし、ある種の才能だと思う。
よく広告で見るのはフランス傭兵が日本の高校生に転生する作品だが、転生してまでやることが語学マウント取ってくるやつにやりかえすってしょうもなさすぎる。


実際のアプリには様々な漫画があるのだろうが、広告で紹介されている漫画はとにかく型押しで似たり寄ったりの内容ばかりだ。

www.jprime.jp

この記事にもあるが、陰湿な内容だったり設定が突飛だったりするものの、中身は意外と尻すぼみで大したことのないものが多い。
性別によっても好まれる作品が異なり、女性向けなら悪役令嬢ものが主流だ。
男性ものなら今は追放ざまあ系が主流だと思う。*1
「読んだ後、特に何も残らないような作品」とは言いえて妙だ。
素人投稿の小説サイトは流行したジャンルが金太郎飴のように続くので、それを原作とする漫画も同じような作品ばかりになるのは仕方ないのだろう。


ちなみに、漫画アプリの広告にはよく「○話無料」とあるが、漫画アプリによっては「1話-①」「1話-②」とか「1話-前半」のように勝手に話を分割している。
それが1話分とカウントされるため、実際1話丸々読めるわけではないのだ。
あと、ピンを抜いて人物を助ける系のスマホゲームのアプリ広告はわざと失敗すると広告のタップ率が高いらしい。


正直、やりたいことも行きたい所も読みたい本もたくさんあるので、巷に溢れるお手軽な娯楽を楽しむ時間はない。
TikTokyoutubeスマホゲームやテンプレ型押し漫画は気軽に楽しめていいかもしれないが、右から左に抜けていくだけで何にも残らない。
たまにはなにも考えずに気軽に見られるコンテンツに触れたい気持ちは分かるが、それをメインにしたくはないのだ。
口を開けてれば無料のコンテンツがいくらでも飛び込んでくる時代なので、取捨選択はきっちりしなければいけないと思う。
ぼくも決して高尚な娯楽を楽しんでいるわけではないし、ぼくの楽しんでいることも見る人から見れば低俗なのかもしれない。
だから、お手軽な娯楽としたコンテンツに触れている人を馬鹿にする意図はない。


冒頭でも述べたように腐女子は好きではないけれど、内輪で盛り上がるうちは勝手にやってくれたらいい。
ゾーニングというやつは大事なので、わざわざ外に出て見せつけるようになった時点で露出狂とやってることは変わらないのだ。
アニメの広告に文句を付けてるフェミニストみたいに、自分が気に食わないものに対して(気に食わないだけなのに妙な屁理屈をこねて)やめろなんて言えるほど傲慢でもない。
「誰かの萌えは誰かの萎え」なんて言葉を昔聞いたことがあるが、気に入らないからという理由で何かを弾圧すると、自分の好きなものも同じ理由で叩かれる可能性も考えておくべきだ。
ぼくは最近、AVのインタビューパートをちゃんと見たほうが興奮できるということに気が付いた。
昔はあんなもん誰が見るのかと思っていたので、インタビューを無駄だと言う人のことを批判するつもりはない。

*1:仲間に見放されるものの実は比類なき力を秘めており、追放されたあとはその力で悠々自適な生活を送る。一方、仲間は主人公の有能さに気が付かず追放したことで、その後苦労し落ちぶれることになる。それを「今さら気付いてももう遅い」と蔑む系のジャンル