公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

なにかになりたい欲求

るろうに剣心という漫画で、
『無くしたものはまた見つかることもあるが、捨てたものは戻ってこない』
というようなセリフがあって、別に人生に影響を与えたとかではないがやけに覚えていた。


最初に言っておくとぼくはアンチ断捨離である。


別に断捨離が嫌いとかやっている人に思うところがあるのではなく、単純に収集癖があり物欲も強い上、雑多でありながらぼくから見たら機能的で成立している空間が好きなので、断捨離とは対極な生き方をしているためアンチと名乗っている。


ミニマリストや断捨離といった、モノに依存しない生き方とか、モノではなくコトにお金を使おうという人が増えているらしい。


モノはいつか無くなるが、経験や体験は覚えている限り失われることはないので好きにお金を使えばいいと思う。


どうも物欲というのは三大欲求に比べて軽視されがちで、物欲にまみれているのはみっともないと考えている人もいる。


物に踊らされているとか、自分のコンプレックスを物品で満たそうとするのは直接的すぎるという考えがあるらしく、スマートな生き方には見えづらいのだろう。


自分の自信は何かを所有したり身に付けたりすることで成立していると理解しているのなら構わないし、モノに頼ろうが自信が持てるのなら問題ないと思う。


その日の服装がバッチリ決まると一日気分がいいし、自信云々ではなくても気持ちが晴れやかで過ごせるに越したことはない。


以前、テレビかなんかでミニマリストの部屋を見たことがあるが、あれはあれで病的な香りがプンプンしていた。


写真を一枚見ただけなのでどんな暮らしをしているか定かではないが、パソコンくらいしか部屋に置いてないような人もいて、シンプルでクリーンなはずなのになぜかくさそうだなと思ってしまった。


ミニマリストにもいろいろな人がいると思うので、ぼくが見た例だけを全員に当てはめるのが間違いなのは承知している。


元々、モノに縛られず今あるものに感謝して大切にしていきたいから断捨離をしたんだと思うが、あそこまでの過激派になると捨てることが目的になっているとすら感じられる。


ミニマリストになりたい!』とか言っている人もいるが、ああいうのってなろうと思って明日からなれるもんなんだろうか。


ぼくのような浅薄な人間からしたら、なりたいんならそのへんのもの捨てればいいだけではと思うのだが違うんだろうか。


今あるものや大切にしているものを捨てるのは確かに骨が折れそうではあるが、生き方の問題なので簡単になれれば苦労はしないのだろう。


シンプルに生きられるはずのミニマリストだが、なりかたは以外と複雑で奥が深いのかもしれない。