公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

教育の賜物

昔、ロンドンハーツの企画で、芸人の携帯電話に搭載されている文字入力の予測変換をクイズ形式にして当てるコーナーがあった。
予測変換はよく使う言葉や最近使った言葉が変換候補の先頭に表示されるので、ゲスな内容のものやエロを想起させるものは特に盛り上がっていた。
ぼくは自意識過剰なので、もしもこの企画が自分に適用されたらと考えて戦々恐々としたのを覚えている。
よく考えたら誰も自分の予測変換など興味はないのだが、それよりも「もしも見られたらどうしよう」という恐怖が勝ったのだ。
それ以来、携帯電話でもスマホでもパソコンでも予測変換機能はオフにして使っている。
あとなんか、機械ごときにぼくのニーズを先回りして解決されたくない。


携帯電話でも一応はネットに接続することができたが、それでもまだまだインターネットは専門的な知識が必要で、本格的に取り組もうと思ったらパソコンは必須だった。
ネットがより身近に感じられるようになったのは、やはりスマホが普及してからだろう。
今やパソコンを持っている人よりスマホを持っている方が多く、一家に一台ではなく一人一台のレベルだ。
ネットが一般的でなく携帯電話でやりとりをしていた頃は、浮気がバレる原因と言えば相手からの着信やメールが主だった。
ロンハーの企画でも、パートナー以外とのやりとりを連想させる内容の予測変換は盛り上がっていた。
ところが今は、パートナーの「検索履歴」を見てしまって幻滅するというケースもあるらしい。


ananweb.jp

まあソースがananなので、便所の落書き程度の気持ちで見てもらったらいいと思う。
そもそも、パートナーのスマホを勝手に見るのは誰も幸せにならないのでやるべきではない。
「やましいことがないのなら見せられるはず」という意見もあるだろうが、やましかろうがやましくなかろうがプライバシーに関わるものは見せたくない。
「彼女がチラ見して戦慄した『男性の検索履歴』」と予防線を張っているが、十中八九無断で見ているはずだ。
検索履歴なんてピンポイントなもの、うっかり目に入ってくるようなものではない。ましてやスマホの小さい画面である。
きっと普段から彼氏の隙を伺っては、スマホを覗き見る機会を狙っていたのだ。
勝手に見たことがバレたら責められるけど、彼氏の検索履歴はこき下ろしたいから、自分が被害者になりたいあまり嘘をついているとしか思えない。
最後の「彼氏が共用パソコンでエロ動画を検索していた女性」はわざと見ようとしたのではないので理解はできるが、エロ動画を検索していたことを幻滅されても困る。
「百歩譲って見るのは仕方ないにしても」じゃねえよ、なんでこっちがエロ動画を見ることをお前に譲歩してもらわないかんのか。
風俗なら賛否あるのは分かるが、エロ動画まで否定されたらどうしようもないではないか。
品性のない場末感丸出しのコンテンツを掲載している雑誌に言われたくない。


select.mamastar.jp

こちらは、子供の検索履歴を見て戦慄したお母さんの投稿だ。

『検索履歴に
女の子のトイレ
女の子の足に傷
人間が死ぬ
動物 死ぬ

などがありました。
検索はボイス機能を使ってやっていたようです』

5歳の子供にしてはなかなかパンチの効いたものを調べている。
「女の子の足に傷」は山本英夫の【ホムンクルス】に出てきた、自分の足首を切って血を飲んでた女子高生を思い出した。

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「異常者が好みそうな動画」「どうしたら普通の子に戻ることができるのか」「一生このままなら一生監視するつもりでいます」と、お母さんも過激な言葉で気持ちを綴っている。
その反面、「異性に対する興味を厳しくシャットダウンして、健全に育たないのも不安です」と言っているあたり、母親の葛藤が伺える。
原文ママで引用したが、「シャットダウン」じゃなくて「シャットアウト」だと思う)
ぼくは子供がいないので母親の気持ちが分からないから、子育てについてごちゃごちゃ述べることはできない。
でもここで言う「普通」って理想の押し付けだなあとは思った。


そりゃ確かに、女性のトイレ風景に興味を持つのは多数派ではないかもしれないが、あくまでも対象がトイレだっただけで普段見られないものを見たいという気持ちは誰にでもある。
5歳の子供だったら男性と女性の身体的な違いも分かってないから、性的なものに起因したわけじゃなくて純粋に疑問に思っただけかもしれない。
死についても同じで、死ぬということがどんなことか理解していないゆえの検索履歴だろう。
実際にトイレを覗く行為や他人の足に傷をつけることがいけないことであると教えればいいだけだ。
他のお母さん方からは、「誰でも残虐性は持っているし、それがあるから命を大切にできる」「本人がただ単に疑問に思っていることを調べただけなんじゃないかなと思った」という意見が寄せられていたようだ。
子供のことなので過剰に心配してしまうのは分かるが、これを「性癖」と言ってしまうのは早計な気がする。
お母さんも普段からエロいことばかり考えているからそんな思考に至るのだ。
オマーン国際空港」と口に出して発音してニヤニヤしてるドスケベ人妻に違いない。


大体、お父さんとお母さんが夜な夜なやってるお前を作った行為だって、当人からしたら異常な光景だ。
だってそこはおしっこが出るところですからね、子供の常識から鑑みれば舐めたり入れたりするとこじゃないよ。
そもそも、どういう性癖がお母さんの言うところの「普通」なのだろうか?
「「おっぱい」くらいならこんなふうには思わなかったのですが」と記事内では言っているが、おっぱいが子供でも連想できるような安易な性癖だとするのは四六時中おっぱいのことを突き詰めて考えている人に失礼だと思う。
子供の検索履歴を「異常」と切り捨てるお母さんがどんな性癖を持ってるか、酒でも飲みながらじっくり聞きたいところだ。
自分らが普通だと思ってやってたことが、他人からすれば異常だなんてことはよくあることだ。
「男性の筋肉にグッとくる」とか「ベッドの上では正常位のみ」みたいなありふれたことを言うのだろうか。
正常位しかしないのも確実に異常だと思うが、それに気が付くことはないだろう。


しかし、自分が多感な時期にネットがなくて本当によかったと思う。
思い出すだけで恥ずかしくなるような痛々しいことをしていたのが容易に想像できる。
今の自分だったら検索バーにどんなエロワードを入れるだろうか。
素直に知りたいことを打ち込んでいた件の子供がある意味うらやましくもある。
ぼくはそうしたエロ関連の履歴には変な自尊心が働くため、直接検索バーに打ち込むのではなく「女優一覧」のコーナーから目当ての女優に飛んだり、好みのフェチズムを探したりする。
そうでなくても予測変換は消すに限るのだ。
「あ」の変換候補のトップに「明日花キララ」が出てきたら恥ずかしいでしょうが。

自分プロデュースに必死

今は毎シーズン何作かアニメを見てるくらいだけど、昔は恋愛シミュレーションゲームをやってたり、消費者側としてコミケ的な活動にも参加したりしたことがある。
昔はそうしたオタク的な活動、というか二次元的アニメ的趣味を好んでいる人間に人権はなく、白い目で見られていた。
ぼくらの両親世代になると宮崎勤事件の影響もあってか、より印象は悪かったように思う。
当時はネットが未発達で、何より住まいが田舎だったため同じ趣味の人間も少なく、閉じたコミュニティで活動するしかなかった。
それでも楽しかったし、ひねくれたオタクが持ちがちな選民思想のような歪んだ考えもなく、地元で開催されたアニメのイベント会場の前でまほろさんの等身大パネルと写真を撮ったときのぼくは心からの笑顔をしていたと思う。
当時一緒にオタク趣味を楽しんだ友人とは、住む場所は分かれてしまったけれども今でも付き合いがある。


そのため、オタク趣味を公言しやすくなった現代が気楽であると思う一方で、価値観の相違を感じることも増えた。
ぼくは自分がアニメオタクであると思ったことも自称したこともない。
出会ってきたオタクたちの中はオタク活動にパラメーターを全振りしている人もおり、人間的に非常にアンバランスだった。
世間的には評価されなくてもその癖のある感じが魅力であり、その情熱が非常に素晴らしく、好きなことをやっている人間の輝きを感じたものだ。
ぼくは当時からファッションが好きだったため、アニメやゲーム以外にも自分の核となる部分はあったし、ゲームは今は全くやらないし、大量のアニメを見倒したわけでもない。
オタク趣味に全傾倒している人を知っている立場からすれば、簡単に名乗るべき肩書でないと思っているのだ。
全力で振り切ってこそのオタクだと思うし、ぼくはなりふり構わずひとつのことに熱中することはできない。
だから、今の「おれ?オタクだけど」的な感じで気軽にオタク趣味をアピールする、オタクという言葉が軽くなった風潮はあまり好きではない。
(個人的には”ヲタク"という言い方も好きではない)
知識の量や使った金、好みのジャンルなどで趣味の優劣は決まるわけではないし、そもそも優劣など存在しないと思う。
だけど、ジャンプを毎週読んでいたり、深夜アニメを少々見ていたりするレベルでオタクを名乗られると、何だかがっかりしてしまう。


以前、ビッグコミックスピリッツで連載している漫画家さんがTwitterに投稿した内容で覚えているものがある。
美容院で髪を切ってもらっているとき、自分が漫画家だという話になり、その美容師が「自分は漫画にめっちゃ詳しいからどこで書いてるか教えてほしい」と言ったのだそうだ。
漫画家さんは自分の掲載誌を明かしたのだが、美容師の回答は「分からない」だったらしい。
いわゆる三大漫画雑誌、ジャンプ・サンデー・マガジンしか知らないという人は多いだろうし、それは別に咎められることではない。
「詳しい」と言ってしまうことが問題なのだ。
「好き」くらいに留めておくのがベターな選択肢だと思う。
"詳しい"と言ってしまうと、厄介な人から知識でマウントを取られたり、上記の例のようにがっかりされたりする可能性がある。
否定してくるような面倒なやつもいるけれど、"好き"にしておいたほうが危険は少ないと思う。
おそらく件の美容師も、ジャンプの一部作品を毎週立ち読みしているか、いいところ三大漫画雑誌くらいしか読まないくらいだろう。

togetter.com


また、主にマスメディアのアニメへの擦り寄り方もちょっと複雑な思いがする。
昔はオタクへのバッシングを率先して行い、「気持ち悪い」というレッテルを貼りまくっていたメディアが、今はアニメを全力で利用して数字を稼ごうとしているのは滑稽に思う。
鬼滅の刃フィーバーは記憶に新しいだろうが、あれから声優も地上波のテレビ番組にバンバン出るようになった。
「泣けるアニメ ベスト50!」みたいな番組も、ぼくが見ていた頃は母を訪ねて三千里*1の親子再会、ラスカルを野生に返す場面、みなしごハッチでカマキリのおじさんが死ぬシーン、パトラッシュとネロが天に召されるくだりなどが毎回上位で、ワイプで柴田理恵が号泣するまでがセットだった。
Airびんちょうタンが紹介されることなどなかったし、流れたとしてもお茶の間が妙な空気になっただろう。


今は平成後半のアニメもランクインすると聞いているし、適当な芸能人を出演させてお茶を濁すのではなく、アニメ(大体エヴァとか)が好きな出演者でしっかり固めているようだ。
別にいいんだけど、ああいうのってこっちが滑ってるみたいで恥ずかしいのだ。
声優専門のラジオやテレビ番組って妙な挨拶があったり変なコーナーがあったりして独特な雰囲気なのだが、たまにそのノリを地上波番組に持ち越す人がいると、内輪受けが理解できず空気の読めない大学生にしか見えない。
番組内で野沢雅子が悟空の声をやるくらいならまだいいが、若手声優が深夜アニメのよく分からんキャラの演技を全力でさせられて、スタジオが堪らない空気になるのはこちらの心が痛くなる。
ランキング形式でアニメが紹介される番組も、若い子なら最近のアニメが取り上げられると「このシーン流すとか冒険してんなあ」と分かってる自分に酔いしれてニヤニヤできるのかもしれないが、ぼくはただひたすらに恥ずかしい。
結局、今まで隠れていたものが急に明るみに出されて、当人たちはどう思ってるのか知らないけれどそれを楽しんだ者たちからすると、眩しさに目が追い付いていないのだ。
十数年経っても慣れないのだから、これはもう一過性のものではないと思う。


だから、先日たまたま見つけたこちらの書き込みはなんとなく理解できる。

anond.hatelabo.jp

妙に意識高い系の趣味にしないでほしいというのは同意するものがある。
今まで粗野だとされていたもの、日陰に置かれていたものを「オシャレな自分が楽しんでます」「意外にこんなのも好きなんですよ」みたいなスタンスで「あえて」「ハズし」でやってる感が鼻につく。
高校生の頃に読んだメンズファッション誌で、各界の著名人がおススメの映画を紹介するコーナーがあった。
その中で、男前のサロンスタッフ("美容師"とは紹介されてなかった)が好きなアニメから選んでみました、というコンセプトで三作品紹介していた。
サロン系のファッションが流行っていたため、美容師がファッションリーダーとしてもてはやされていた時代である。
アニメがサブカルだった当時、同好の士を見つけたようで嬉しくなったのだが、彼が挙げていたのは攻殻機動隊やよく分からん海外アーティストのPVだったのだ。
攻殻機動隊はいいが、アーティストのPVはアニメーションかもしれんがいわゆるアニメじゃないだろうと腑に落ちなかったのを覚えている。
サロンスタッフの彼が本当にアニメが好きなのか、自分にギャップを持たせるためにあえて楽しんでいるのかは知らない。
ただ、そこまでしてオシャレさをアピールするあたりが(しかも本来オシャレでないものを使って)小賢しいなと言うか、「自分の手にかかれば野暮なものでも洗練させられますよ」的な姿勢が嫌だった。


サウナの例にあてはまるのは、立ち飲み屋や角打ちなんかもそうだと思う。
女性だけでも利用しやすいお店、オヤジ趣味を排したスタイリッシュなお店などが増えてきている。
とりあえず「ととのう」とか言い出してからサウナ界にも意識の高い人間が増えた気はしていたので、業界のことには詳しくないけれど上で紹介した記事は共感した。


アニメに限らず、生活を豊かにするコンテンツがたくさんあるのだから、話題についていくためにも広く浅く楽しむ姿勢が正解なのかもしれない。
ぼくのような古いタイプの地球人はいずれ淘汰されていくことだろう。
別にライトなオタクに腹が立つとか、アニメが大々的に取り上げられることに文句を言いたいわけではないのだ。
ただなんかビックリしているだけなのだ。

*1:一里=約4㎞

悪そうじゃないけど大体友達

ヤリマンについては自分の生活領域を侵犯しなければ、好き勝手に存在してくれればいいと思っている。
ぼくがヤリマンのことがそんなに好きではないのは、ヤリマンと言いつつやらせてくれないからだ。
真のヤリマンなら、触れるもの皆セックスするような気概を見せてみろよ。


少し前、インターネットの一部界隈で話題となっていたテーマがある。

note.com

どういった内容であるか、上記のnoteから一部引用する。

なかなか第2子を妊娠できず不妊治療を進めていた女性が、たまたま不倫したタイミングで妊娠が発覚してしまい、夫に全てを話すか悩んだが全てを秘匿して生きていくことを決意したーーというものである。

詳しく知りたい人は、漫画へのリンクを貼っておくので参照いただきたい。

select.mamastar.jp

select.mamastar.jp

前後編に分けて長ったらしく描いているものの、要は「私は悪くない」と言いたい内容だった。
しおらしく罪を認めているように見えるが、その実は不貞行為に走った私の事情を忖度してほしいという意図が丸見えである。
そもそも、心の底から自分が悪いと思っているのなら旦那の欠点を書く必要などないわけで、こいつが不貞行為をした事実のみを淡々と描写すればいいのだ。
結果的に女性の大好きな「共感」狙いになっていて、「旦那に愛情を感じられないのなら一夜の過ちくらい仕方がない」としたいのが見え見えだ。


こいつの姑息なところは、二重三重に防壁を張っているところだ。
まずは、旦那への不満をあげつらって、子供が欲しいのに旦那を異性として見られなくなったジレンマを描写する。
おそらく同じ悩みを抱えている奥様方は多いと思うので、この時点で同情気味になる人もいるだろう。
そして、元カレと生でやった5日後に旦那とセックスをしたことを後半で明かす。
これにより旦那の種なのか元カレの種なのか分からないので、一見すると托卵ではないような空気を醸している。
そして最後に、旦那への裏切り行為を明かさずに墓場まで持っていく決意、今後は贖罪の気持ちを忘れずに旦那へ尽くしていく決意を綴っている。


とりあえず、誰の子種であろうがこいつが不貞行為をした事実は変わりない。
不倫の罪を托卵の罪で上書きしているようにも見える。
また、托卵というヘビー級の爆弾を隠す決意をしたことを爽やかに描いているのも腹が立つ。
自分のしたことの重大さに気が付いていないし、バレなけりゃ何をしてもいいと思っているのだろうか。
旦那のため、子供のために隠し通す決意をしているものの、言い訳に家族を使っているところも最高に見苦しい。
我が身かわいさに家族を盾にするようなやつが、償いを忘れずに生きていくなんて謙虚なことができるわけないだろうに。
自分一人で抱えていく決意をした割には体験談を投稿しているし、ちょろちょろ気持ちが漏れている。
こいつは日々、旦那に似なくなっていく子供を見て正気が保てるだろうか。
何より、妊娠しづらい体質だから避妊具は使わなかったと中学生みたいなことを言っているわけで、背徳感にまみれた元カレとの気持ちのいいセックスをしっかり楽しんでいるわけだ。
「一線を越えてしまいました」じゃねえよ、今井絵理子みたいなこと言うな。


とにかく吐き気をもよおすくらいの邪悪である。
自分が邪悪であると気が付いておらず、前向きな選択をしたと思っているのがどうしようもなく救いがない。
この罪は墓場まで持っていくと言っているが、このクソ女の行くところは墓場ではなくて地獄だ。
この世の全ての罵詈雑言を浴びながら死んでいってほしいと思う。
実際に他人の身体に傷をつけるような、分かりやすい加害行為だけが咎められるのではない。
ぼくの知人には奥さんの托卵が発覚して離婚をし、心が病んでしまった人がいる。
托卵は女性にしかできないれっきとした裏切り行為であり、「魂の殺人」なのだ。
誰の子供であろうとこの女が腹を痛めた事実は変わりないので、一仕事終えた充実感から罪の意識が希薄になっていると思われる。
大多数のまともな女性にも失礼な話だ。
江戸時代の罪人のように顔に入れ墨でも入れてほしい。


また、この漫画が貼ってあったサイトには旦那が不倫した妻の体験談も書かれており、当然ながら基本的には制裁を喰らっていた。
托卵女のように旦那側の不倫にも事情があったかもしれないじゃないか。
男性の不倫は性欲まみれの万死に値する行為で、女性の不倫は止むに止まれなかった仕方のない行為、ともすれば托卵女の話のように美談扱いされかねないのが納得いかない。
理由はどうあれ裏切られて傷ついた人がいるのなら、性別関係なく平等に糾弾されるべきだ。


ついでにサイトを巡回してみたけど、自分がどれだけかわいそうで苦労していてモヤモヤしているか知ってほしい人たちがたくさんいるという印象だった。
旦那・義実家・両親・兄弟姉妹・通りすがりの無神経な人たちなど、自分の思う通りの行動をしてくれないすべての人間に牙を剥いている。
明らかに生活に害を成しているようなものは一刻も早く取り除けばいいが、それ以外のことでそんなにカリカリする必要ありますかね。
確かにお前は正しいのかもしれんし間違ってないのかもしれん。
だけど、それをいちいち発信して共感を求めて認めてもらう必要ってあんのだろうか。
別に自分の全てが否定されたわけでもなし、人生なんて思い通りにいかず、モヤモヤすることなんて生きてりゃいくらでもあるんだから。
Twitterで日々、家事育児の愚痴を呟いてるようなアカウントを見てると、こいつ他人にマウント取られた体験談がやけに多いなあと疑いの目を向けてしまう。
まあカリカリしたことを発散しすぎるのも問題だぜと言ってしまっては、ぼく自身にもブーメランが返ってきてしまうのでこれくらいにしておく。


メンタルがクソザコなぼくからすれば、托卵女の責任転嫁能力と自分の罪から目を背ける圧倒的防御力は見習いたいところでもある。
とりあえず、両親の不貞行為が発覚してショックがより大きいのは、子供の立場から言うと母親のほうだと思う。
もちろん父親が浮気をしていいということではないが、「火遊び」なんてお茶を濁した言い方をしてないで、「毒を食らわば皿まで、挿入したら最後まで」の精神でいけばいいんじゃないでしょうか。

さよなら大好きな人

田村正和さんが亡くなった。
ぼくが昔見ていたテレビドラマやバラエティ番組に出演していた人が次々に亡くなっていき、時代の流れを感じる。
あんなドラマもあったなこんなのも見てたなと考えていたら、子供の頃の記憶が続々と蘇ってきた。
そこで今回は、田村正和さんに絡めた当時のドラマについて支離滅裂に綴っていく。
アラサー後半からアラフォー前半にかけては響く内容になっていると思う。
wiki等は見ずにできるだけ当時の記憶を頼って書くので、細かい誤りはご容赦いただきたい。


田村さんの作品で一番の有名どころは古畑任三郎だと思うし、ぼくが彼を初めて見たのもそれだった。
堂本剛版・金田一少年の事件簿で育ったぼくにとって、刑事・探偵ドラマは事件が起こってそれを主人公が解き明かしていき、最後に犯人が発覚するものだった。
そのため、最初から犯人が分かっていてそれを古畑任三郎が追い詰めていくストーリー展開は斬新で、とにかく夢中になって見ていた。
聞いた話になるが、犯人が最後まで分からない形式のドラマでは、大物俳優を起用することで誰が犯人なのかある程度分かってしまうそうだ。
古畑形式にすることで、そうした点を考慮することなく大物をキャスティングすることができるらしい。
この点は、明らかに怪しい人物を登場させるtrickにも通じるものがある。
古畑で印象に残っているのは観覧車が邪魔で爆破しようと思ったキムタク犯人回であるが、あの回は唯一古畑さんが犯人に手をあげたことでも有名らしい。
あとは風間杜夫だか誰かの回で、早々に犯人だと見抜かれるのだがあえて指摘せずに古畑さんがからかってたような話もあったと思う。
制服の巡査役でなかなか古畑さんに名前を覚えてもらえなかった向島くんが、イチロー犯人回でイチローの兄弟だと言う展開には驚いた。


古畑任三郎以外で田村さんを見たのは、月9でやってた【じんべえ】だ。
奥さんが亡くなり、その連れ子役の松たか子とのラブストーリー的な話だったと思うが、正直それくらいしか覚えていない。
とりあえず主題歌はめちゃくちゃ有名なので、聞いたことのある人もいるだろう。


www.youtube.com

原作ありでしかもあだち充なんて知らなかった。
この歌手は小室哲哉プロデュースだった気がするんだけど、これ以降見なくなった。


次は日曜9時にTBS系列で放送していた【オヤジぃ。】だ。
田村正和が頑固で昔かたぎな父親を演じており、妻役に黒木瞳、長女が水野美紀、次女に広末涼子、末っ子の長男に岡田准一という布陣だった。
黒木瞳は別のドラマでも田村正和と共演しており、彼の妻役はこの人と言う意見も多い。
ここで末っ子の長男を演じていた岡田くんは数年後、同じ放送枠で深津絵里末っ子長男姉三人というドラマに出演していた。
あと、田村さんの逝去に対して極楽とんぼ加藤浩次も番組でコメントをしており、俳優デビューとしてこのドラマに出演していたらしい。
彼は月9の【人にやさしく】の印象が強すぎて忘れていた。
頑固親父という役柄上、田村正和は事あるごとにキレるのだが、冷静でコミカルな古畑の印象が強すぎるのでこんなに感情をあらわにする田村さんを見たことがなかった。


ちなみに、このドラマについては印象深い出来事がある。
水野美紀演じる長女は教師の仕事をしており、外でも内でも優等生として通っていた。
しかし、心中では家族のことを軽蔑していて、弟妹たちの悩みや不幸にも本当はざまあみろという気持ちで接していたのだ。
マイナスな感情を持つ自分にも心底嫌気がさしており、あるときそれらの葛藤を父親に対して泣きながらぶちまけるシーンがある。
当時小学生だったぼくの妹が、その場面を見てなぜか号泣しており、軽く引いた。
水野美紀の演技に圧倒されたのか、役柄を自分と重ね合わせて共感したのかは定かではない。
少なくとも、あいつは細やかな心の機微を感じることのないくらい己の思うままに生きているのだから後者ではないだろう。
主題歌が花*花だったので、曲なら知ってる人もいるかもしれない。


www.youtube.com


確か【オヤジぃ。】の後は、フジテレビ系列で放送されていたさよなら、小津先生だ。
小津先生は元々銀行だか証券会社だかで金融関係の仕事をしており、なんやかんやあって教師をすることになった。
そのため、教師なんて自分のやるべきことではないと思っており、最初は職務に対して投げやりな態度だったと思う。
生徒や同僚との関わりの中で小津先生自身も成長していくのだが、ぼくが覚えてるのはこれくらいだ。
他のドラマでの役柄も癖のある人物ばかりだったが、今まで見た中で最もどうしようもない田村正和だったと記憶している。
あとは主題歌がaikoだった。


www.youtube.com

ドラマのオープニング映像では、自転車を漕ぐ小津先生のイラストが動いてたような気がする。
あと、aikoには思うところはないが、aikoを好きだと言う女にはロクなやつがいない。


ここでちょっと余談。
役柄の印象が強すぎると言えば田村正和もそうだが、古畑任三郎で今泉くんを演じていた西村雅彦(現:西村まさ彦)もあてはまる。
おっちょこちょいで事あるごとに古畑さんにおでこを叩かれていた今泉くんだったため、西村さんについてもしばらく役柄のイメージが更新されることがなかった。
西村雅彦を古畑以外で見たのは王様のレストラン【TEAM】だが、印象が強いのは後者だ。
【TEAM】はフジテレビ系列で放送されていたドラマで、少年犯罪をテーマにした内容である。
文部省(当時)の役人だった草彅剛と、叩き上げ刑事の西村雅彦のコンビが事件を解決していくという話だった。
西村さんの演じる役柄は過去に娘が少年犯罪被害に遭っており、事件で関わることになる少年たちにも性悪説を前提として非常に厳しい接し方をする刑事である。
そのため、今泉くんとは全く異なり激しい怒りをむき出しにするキャラクターだった。
ストーリーが進むにつれて彼は少年に対する態度を軟化させ、思いやりを持って接するようになる。
最終回のひとつ前の話で、西村さんが加害者の少年に歩み寄ろうとして撃たれるか刺されるかしてしまい、公園のベンチに座ったまま意識が遠のいていくシーンが心に残っている。
この作品はぼくの好きなテレビドラマのひとつなのだが、なぜか映像ソフト化はされていない。
一説によると、総理大臣になる前の小泉純一郎が出演していたからという説もあるが、詳しいことは知らない。


時期は忘れたが、金曜10時くらいにやってた【美しい人】もちょっとだけ覚えている。
田村正和に加えて常盤貴子大沢たかおが出演していたのたが、主題歌がフランス語であったことが記憶の大半を占めている。
大沢たかおが妻役の常盤貴子にDVをする旦那を演じており、オープニングでも彼が拳銃を持って歩くシーンがある。
(調べたが大沢たかおはヤクザ役だったらしい。こわい。)
フランス語の主題歌も合わさって、何となく暴力と色欲を伴った不穏な空気を感じる大人なドラマである気がしたので見てない。
実際、当時のドラマは暴力や性的な描写が今より多かったので、そういうシーンもあったことだろう。
ちなみに主題歌はこちら。
覚えている人がいたら嬉しい。


www.youtube.com

脚本・野島伸司なんて、胸くそ悪い展開になる予感しかしない。
出演者に時代を感じるし、雨上がりの宮迫さんが出てるのも知らんかった。
しかし田村正和はひとつひとつの所作にエロスを感じるし、常盤貴子は色っぽいですな。


また、この歌手はフジテレビ系列のバラエティ番組だったLOVE LOVE あいしてるに出演し、名物コーナーのひとつだった篠原ともえの楽屋訪問も受けている。
ぼくがあのコーナーで覚えているのは、東野幸治の楽屋で彼が放課後電磁波俱楽部の格好をしていた回だ。


書いていて思い出したんだけれども、キムタクが検事役を演じていた【HERO】ってドラマがあったのはご存じだろう。
最終回後のスペシャルドラマで、彼が山口県だかどっかに飛ばされて綾瀬はるかとコンビを組む話があった。
その回の犯人は中井貴一だったのだが、彼が犯行を自白するシーンは見物だ。
数分間に渡って彼の一人語りで、場面転換や回想映像を挟むことなく、ずっと中井貴一のセリフと表情のみで犯人の心情を描写していた。
あのシーンをまた見たいと思っているのだが、検索しても映像がヒットしないのだ。
せめて知ってる人とあの感動を共有したいのだが、覚えている人はいないだろうか。


上で挙げたドラマはほとんどが中学から高校あたりに見たものだ。
田村正和って大人のドラマに出てる印象が強いけど、こうして思い出すとホームドラマにも割と出ていたらしい。
彼はプライベートを他人に見せる人ではなく、何なら人前でも「田村正和」を演じていたという話もあるようだ。
古畑任三郎なんて今改めて見るとかなり癖のあるクドい演技だけど、それでも成立するのは田村正和あってのことだろう。
あのキャラクターは田村正和自身が決めたものらしいから、IWGPで窪塚くんが演じたキングと似通ったところがあるかもしれない。


田村さんの訃報を受け、古畑任三郎の脚本を書いた三谷幸喜は以下のコメントを発表している。

「古畑を僕に書かせてくれたのは、紛れもなく田村さんです。田村さんがいなくなってしまった今、古畑任三郎が事件現場に戻ってくることはもうありません」

田村正和への愛と感謝、そしてもの悲しさと寂しさを感じさせるコメントだ。
脚本家自身がこう言っている以上、少なくとも三谷幸喜が関わった古畑任三郎リメイクは制作されないだろうし、ぼくもリメイクの必要はないと思う。
古畑は田村正和のキャラクターあってのものだし、特定のキャラクターによって成り立つ作品は他の人物では替えが利かない。
(もちろんドラマとしてもおもしろいけど)
視聴者には犯人が分かっていても見てしまうのは、「田村正和古畑任三郎」がいかにして犯人を追い詰めるかというスター性の成せる業ではないだろうか。
ネタが枯渇しているドラマ業界においては喉から手が出るほど欲しいリメイク素材だろうけど、古畑任三郎田村正和のまま眠らせておいてほしい。
ご冥福をお祈りします。

逃げるは恥だが君の膵臓を食べたい

逃げ恥は見てないし、どん兵衛のCMではどんぎつねしか見ていない。
ガッキーの出演作で最後に見たドラマは【マイ☆ボス マイ☆ヒーロー】だ。
いまいち思い入れがないと思いきや、ガッキーと星野源の結婚には心中がかなりざわついてしまった。
我々の世代で言うと、反町隆史松嶋菜々子が結婚したときに近いだろうか。
しかしこのもやもやは何なのか。
真希のときも、雅治のときも、景子のときも、さとみのときにも自分に関係のない出来事として流していたのに、結衣のときはどうも心中穏やかでない。


まあそれはさておき、昨年末にこんなことを書いた。

mezashiquick.hatenablog.jp

かいつまんで言うと、「婚活女性の求める"普通の男性"についての愚かしさ」という内容だ。
ブログの中盤にこんな記事を貼っている。

news.careerconnection.jp

当時、この「普通の男性論」がかなり話題になったのを覚えている。
ぼくもブログでかなり毒と恨みをまき散らした。


上のネットニュースが話題になり、ワイドショーで取り上げられ、番組で作成された画像がこちらだ。

f:id:mezashiQuick:20210520095540p:plain

この画像は見たことがある人も多いのではないだろうか。
元記事を見てもらえれば分かるけど、婚活女性が明確にこうした条件を提示したわけではない。
「恋愛コンサルタント」を名乗る謎の存在が、婚活女性の求めるニーズを解説しただけなのだ。
根拠なしの分析ではないと思うが、少なくとも記事内では「普通の男性論」の元となったデータは示されていない。
突然出てきた星野源に至ってはとんだとばっちりだ。
だから、記事や画像だけで婚活女性の身の程知らずと現実の見えてなさを笑うのは間違っているのだ。
間違っているのだが、素敵なカウンターだなと思っている自分もいる。
星野源を自分の留飲を下げるツールとして使ってしまって申し訳ないけど、彼がガッキーと結婚したことは個人的にかなりスカッとした。


結婚相談所のブログや、婚活女性の体験談などを見ると、彼女たちが求める"普通"のハードルが高すぎることに愕然とする。
この年齢なら"普通"年収はこれくらい、初回のデートでおごりらないなんて"普通"ありえない、旦那両親との同居なんて"普通"はない、などなど。
そんなもんは結婚してから考えろよと思うことも"普通"の括りで問題にしているのだ。
「今」のお前が結婚できていないから婚活してるんだろうが。
ぼくは星野源は魅力的な人だと思うのだが、分かりやすい男前でもないため普通の顔として例えに挙げる女性もいるかもしれない。
もちろん、全ての婚活女性が身の丈に合わない相手を求めているわけではないだろう。
センセーショナルな存在が目立つだけで、粛々と婚活をして幸せを掴んでいる"普通"の人が多数なはずだ。


小学生男子は「足が早い」だけでモテるのに、年齢を重ねると条件が増えていくのはどうしたことなんだろう。
おそらく、自分の選択が間違ってなかったと思いたいのだ。
自分はこの年齢まで待ったのだからその分だけ幸せにならないといけないと考えており、それは並みの幸せではダメなのだ。
既に結婚して子供もいる幸せな友人にマウントをとるためには、相手のスペックが最重要となる。
結婚が遅れたのに平凡なスペックの男性がパートナーでは妥協して結婚したと思われかねないし、早々に結婚しておかなかった自分の選択が間違っていることになる。
いつでもハイスペックな男と結婚できたけど、"あえて"この年齢まで結婚しなかったということにしたいのだ。


普通の男性を求める貴女はどうなのかと。
普通の女性ですか?普通の男に選ばれる何かを持ってるんですか?
婚活女性の求める「普通の男性」はガッキーを選び、ガッキーに選ばれるスペックなのだ。
彼を普通とするのなら、最低でもガッキーでないと普通の男性とは結婚できないことになる。
星野源はやっぱり普通の男性ではなく、それ以上のハイスペック人間だったのだ!って言いたいのではない。
君ら婚活女性が言ってる"普通"のレベルがどれほど高いか、そして君らはその"普通"にすら選ばれないのだと認識してほしいのだ。
ハードルを高く設定したところで、自分がそれを飛び越えられるだけの脚力があるかどうかは別である。
この場合は、ハードルが高いことにも気が付いておらず、飛ぼうとして脛を強打して初めて高さに気が付いたとなるだろうが。


その上、ガッキー32歳、星野源40歳の8歳差である。
結婚においてネックとされている年齢差も「普通の男性」なら易々と乗り越えられるのだ。
繰り返すが、決して婚活女性自身が「星野源=普通」と言っていたわけではない。
お前自身が普通でないから普通を求めるなというのは暴論なのかもしれない。
手に入るかどうかはともかく、求めるのは自由なのだから。
だけど、自分の普通を相手に求めて押し付けることは不毛だと思う。
とりあえず、なぜ結婚できないのか嘆いている婚活女性は方向性が見えてよかったじゃないですか。
ガッキーを目指せば普通の男性と結婚できることが分かったわけだし。
というかみんな変なんだから、世の中に普通の人間なんていないよ。


まあ偉そうなことを言っているけど、ぼくはただ単に己のルサンチマンを発散しているだけで、婚活女性に恨みがあるわけではない。
アホが嫌いなだけで、自分の幸せのために遮二無二になっている人を馬鹿にするつもりはない。
若いころは普通の男性なんてつまらないとしてときめきを求め、婚期に焦りだすと今まで見向きもしなかった普通の男性を上から目線で品定めする。
普通の男性は君らの受け皿ではないんでね、一生悪い男にドキドキしてたらいいんじゃないですか。


しかし次に結婚するのは誰なんだろう。
恭子(叶ではない)なのかはるかなのか、まさみか翼か架純か里穂か、誰でもいいけどガッキーほどの衝撃はないだろう。
ふたりとも爽やかでいい感じの夫婦だと思う。
ご結婚おめでとうございます。