公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

不感症な女性たち

男女関係というのは難しいものだ。
おっぱいが大きくてエロければいいとか、高収入で甘やかしてくれればいいとか、そんな単純なことでパートナーを選べればいいのだがそうもいかないようだ。
婚活市場において、29歳と30歳の女性は目に見えて差があるらしい。

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この記事の人は結婚相談所の経営者であるため、マッチング率やお見合い申し込みの傾向から判断した事実を述べているに過ぎないと思う。
30歳の女性を貶めようという気も、加齢によって女性の価値が目減りすると言いたいわけでもないだろう。


それに対するお気持ち表明として書かれたのが以下の2記事のようだ。
他にもあったけど、目を引いたものだけをピックアップしてきた。
ある一定の世代の女性に向けた記事をまとめてあるサイトのようだ。

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まあ予想通りというか何と言うか、かなりの怒りを表明していらっしゃる。
ぼくとしては、29歳と30歳に大した違いがあるとは思っていない。
マッチングアプリや結婚相談所などの条件が先行するような市場だと、探す側も単純にキリのいい数字で条件を区切っているだけだとも思う。


ひとつめの記事では、「私たちは記号ではない」と主張している。
それはその通りだと思う。
まして、たかだか1歳年を取って年齢が繰り上がったくらいでは何も変わらないだろう。
それを踏まえて言いたいが、男性だって収入という"記号"で判断されている。
この人は他人を記号で判断したことはないのだろうかと思っていたら、こんなことを書いていた。

もし年齢問わず私が大切にしている価値観を共有できるのであればどんな世代の方も大歓迎だ。アプリを長らく使ってきた経験上、価値観を共有できる人と効率良く出会うために年齢フィルターをかけているにすぎない。

屁理屈をこねこねしているが、自分がやる分にはいいけど他人にフィルターをかけられると腹の立つタイプのようだ。
このテの人は、自分の事情を斟酌するよう求める割に、他人にも同じような事情があることを考えようとしない。
女性に年齢フィルターをかけている男性も、若い方がかわいいからとか扱いやすいからとか、女性を下に見たことばっか考えてるわけではないと思う。
年下の方が話しやすいからとか、今まで付き合ってきたのも年下が多かったからとか、各々に理由があるのだ。
このライターはとにかく感情的で、自分の都合の悪いところにだけ怒っている印象を受けた。
マッチングアプリだろうが結婚相談所だろうが職場での出会いや友人の紹介だろうが、どんな出会い方でも条件はある。
わざわざイライラする場に留まらなくても、年齢というフィルターをかけられにくい所に行けばいいと思うのだ。


ふたつめの記事では、"トロフィーワイフ"について記述されている。

経済力を持った男性が成功の証として美しい妻を手に入れる。トロフィーワイフという言葉があるように、石油王レベルの方々はどうぞお好きにやって下さいと思いますが、結婚相談所に来て「自分でも手の届きそうな無難なトロフィー探し」をしているつもりならやめてもらいたい。まともな女性はそんな人たちの選考からは外れたいはずです。

確かに、結婚相談所に来てまでそんな思考でいることは勘違いにもほどがある。
しかし、この人も年齢のせいにしてひねくれている部分はあるなあと感じた。
"男性が言っている"と他人の口を借りた上で「若い女性は従順で頭が悪い」と決めつけたところで、若い女性が求められている現実が変わるわけでも、自分が選ばれるわけでもなかろうに。
そもそも、女性を若さだけで選んでいる男性がどれだけいると思っているのか。
そんな男性が多数なら、この人らの婚活は20代のうちにとっくに終了しているはずだ。
同じくふたつめの記事でも述べられているが、「男性=収入」「女性=若さ・外見」を売りにした婚活は必ず不利になる。
収入は余程のことがない限りは減ったりなくなったりはしないが、若さや美貌は必ず減っていくものだ。
それらを等価と捉えて自分のウリとするには無理がありすぎる。


二記事目は女性にも意識の改革を求めている内容だが、一記事目はとにかく男性に対しての怒りを表明していた。

結婚はおろか、「人生」において若さへの執着を強める呪文のように読めてしまった。

そしてこの記事では、男性が女性を若さで選ぶ理由のひとつが「出産」であるとしている。依然として女性が男性の子孫繁栄のための道具のように扱われていると、私には感じられた。

なんかもう、読んでるだけでうんざりして「おお…」という感じになる。
ただ、若さに執着しているのは男性だけでなく、女性もそうだと思うのだ。
世間に溢れる「○○女子」を見ていると、単なるカテゴリー分けでなく、いつまでも若く子供でいたい女性の願望が顕在化しているようにも見て取れる。
確実に世間の女性は子供っぽくなってきている。
別に論破したいわけではないので、このへんは単なる所感だ。


以前、婚活パーティのサイトをいくつか覗いたことがある。
どういった括りの集まりかにもよるが、参加条件が

男性:【大卒 or 身長180㎝以上 or 年収700万円以上】
女性:【●●歳~××歳】

なんていうパーティも珍しくなかった。
男性の参加条件が「and」でなく「or」で心底よかったと思う。
そもそも、学歴や年収は努力次第で後から足すこともできるが、年齢は過ぎ去ってしまえば元に戻ることはないのだから、非常に残酷な条件だ。
女性の条件が年齢のみに限定されているところを見ると、上記の記事を書いたライターのように、世間は若さ偏重主義に違いないと憤慨するのも分かる気がする。
かと言って、参加条件を決定したのが男性であるとも限らないのだから、自分が選ばれない理由や若さを重視する世間の風潮に対する怒りを男性にぶつけられても困る。


大体こういう人らは、自分らが被害者になったときには大声でわめきたてるくせして、自分たちが加害者になることには無頓着なのだ。
「おばさん」と呼ばれれば怒るが、「おっさん」とは平気で言う。
年齢という"記号"で判断されたくないと言いつつ、男性を収入でえり好みする。
特に一記事目の人は書いたことを逆にして考えてみたらいいのだ。
「男性はATMではない」「女性の生活を安定させるための道具ではない」
その通りなんだけど、こんなこと言ってる男性を見てどう思うだろう。
先進的だと思うだろうか、めんどくさいと思うだろうか。


若さや高収入が武器になるのは事実である。
いつかはそうした考えが変わる日が来るかもしれないし、年齢や収入だけをパートナー選びの判断材料としていない人もいるだろう。
しかし、婚活"市場"という呼称である以上、需要と供給のバランスによって成り立っている。
高収入に安定感を抱くのも、若さに魅力を感じるのも、残念だが仕方のないことだ。
年齢で判断されたくないのなら恋愛の市場にシフトするか、年齢を気にしない傾向のある海外(どこか知らんけど)に行けばいいと思う。
納得いかないのはよく分かるが、声を挙げて世論を変えようとするよりも自分を変えた方がよっぽどストレスフリーだ。
それは決して負けたわけでも、諦めでもない。
価値観をすり合わせながらパートナーと歩んでいく結婚生活において、我を押し通してばかりではしょうがないだろう。
どうしても受け入れられないのなら、せめて自分だけは"記号"で相手を見ないようにして、同じように"記号"で判断されてツラい思いをした人に優しくしてあげればいいのでは。
痛みを知った人間にしかできないことは、同じ痛みを抱えた人間に共感してあげられることだ。


ぼくも平均から見ると収入は少ないのだが、決してそういう理由で相手の年齢にこだわっていないわけではない。
年齢を重ねた女性の理屈っぽさや柔軟性のなさ、自分のことを棚に上げまくる姿勢やこじらせっぷりが面倒なだけで、年齢自体はそこまで問題ではない。
自分の収入が少ないことを理由に年齢不問にしてしまうと、相手の年齢を人質に取っているみたいで気分が悪いのだ。
とは言え、ほぼ介護みたいな相手に迫られても困るので勝手なものである。
好きなタイプは高畑充希です、宜しくお願いします。