公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

大人女子の皆さんへ

昔、ショムニというドラマで「女の価値は男の数で決まる」というセリフがあった。
今だったら炎上確実なセリフだけど、当時はそれが受け入れられていた。
女性は若さと見た目、男性は経済力のみが求められていた時代はシンプルだったように思う。
今だと男性だったら、稼ぎもそうだがいかに家事育児を担ってくれるかも要求されている。
じゃあ今の女性には何が求められているのだろうか。
いくら晩婚化が進んだり生涯未婚率が上昇したりして、アラサー女子だの大人女子だの気色の悪い概念が登場したとしても、若さや見た目を求める人が多いことに変わりはない。
それに加えて、男性は女性にどうあってほしいと思っているのだろうか。


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ネットのパトロールをしていたら、【大人女子のためのWebメディア】を掲げたサイトを見つけた。
高尚そうな看板とは裏腹に、内容は大体がセックスの話で占められているので、大人女子とはドスケベのようだ。
サイトのトップページによると、読者平均年齢は32.5歳とのこと。
まあ確かに、一般的に女性の性欲が増すと言われている時期であるが、30歳を超過しても"女子"を名乗ることをみっともないとは思わないのだろうか。
見た目や気持ちを若く保ちたいと思うことは悪ではないが、何でもかんでも"女子"を自称したがるのは気色が悪い。


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本題はそこではなく、このコラムである。
どうも、投稿者はジェンダーギャップに敏感らしく、ジェンダー観の鈍い周りに辟易してイライラしているらしい。
まあ別にそういう人もいるわなくらいの気持ちで読んでいて、さぞかし男女間の格差にお困りなのだろうと思っていた。
投稿者に対する編集者の返答も、「日本のジェンダー観は昭和のまま時が止まっている人がほとんど」と同意している。
しかし、この投稿者も偏見にまみれたこじらせ人間だなと感じた点がある。
そう思ったのは、記事内の以下の記述だ。

じゃあ専業主夫になってくれる人を探せばいいじゃんと言われますが、そしてそういう男性と付き合ったこともありますが、最初からヒモ願望の男性って何か非常識な部分を持ってたりするんですよね…。

専業主夫を"ヒモ"呼ばわりするって、それこそまさにこの女性が忌避している"昭和の価値観"そのものではないだろうか。
確かに専業主夫は少数ではあるけれども、昭和に比べれば増えてはいるだろう。
夫婦がお互いに話し合って決めたことなら、どちらが家計を担ったって家事をしたって問題ない。
専業主婦をヒモ呼ばわりしたら全方位から叩かれるだろうに、逆ならOKと思っていそうなのが恐ろしい。
自分が受け入れられない専業主夫という新しい価値観に"ヒモ"というレッテルを貼る行為は、この人が嫌っている男性優位の社会と同じことをしている。

「男性は結婚前と変わらず仕事ができてずるい、女性は姓を変える必要もあるし、仕事だって結婚前みたいに続けることが難しい。専業主夫?ただのヒモでしょ?」

ってことだろうけど、この人は一体どうなったら満足するのだろうか。
別に、女性が姓を変えることを受け入れているのならそれでいいし、無理ならば話し合えば済むことだ。
仕事を続けたいのに辞めざるを得ない状況は問題かもしれないが、本人が納得しているのならお前が口を出すことではない。
いちいち自分の価値観を周囲に押し付けて議論を吹っかけてイライラしてるって、自分の至らなさやうまくいかない人生を環境のせいにしているだけの気がしてくる。
自分にとって都合のいい主張だけ押し付けてたら、そりゃめんどくさい女認定されるわ。


言っちゃ何だが、男女に性差がある以上、お互いを完全に平等にすることはできない。
どこかの分野では男性が有利になってしまうし、またある分野では女性が有利になる。
それは差別ではなく、向き不向きだ。
性別が異なるのならできることも異なるわけで、お互いが自分にできることを担当し、できないことは誰かに補ってもらってきっちり感謝をする。
これでいいと思うのだが、不満なのだろうか。


そして、これは偏見になるのだが、ジェンダーがどうこう言っている女性に限って、男性に奢ってもらうことは受け入れている。
奢らない男性に対して「男気がない」だの「器が小さい」だの言うわけだが、男の器はお前らのワガママを何でも放り込めるゴミ箱ではない。
お前が奢ってもらえなかった原因は「魅力がなかった」の一点に尽きる。
器の問題ではない。


まあ結局、今の女性に求められているのは「自立(自律)している」「過ちを素直に認めることができる」の2点だとぼくは思っている。
女性に限ったことではないけれど、人間として大切なことだ。
ケンコバが言っていた「女性は嫌いだけど女体は好き」も何となく分かる気がする。
やっぱ人間関係、男女関係ってめんどくさいものだ。
それらを面倒だと思わず、日々の何てことない出来事に感謝と喜びを見出せる人が素敵なパートナーを見つけることができるのだろう。
ぼくもこういう、クサいもののニオイをわざわざ嗅ぎに行って、クサいと文句を言う性格じゃなかったらよかったのかもしれない。