公共の秘密基地

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スタイナーがパトレイバーの太田さんに見える

20年前の7月7日、【ファイナルファンタジーⅨ】(以下:FF9)が発売になった。
ぼくはファイナルファンタジーを「ファイファン」と略す下品な人とはお話をしたくないので、ここからは「FF」派向けの内容になる。
FF9は前作のファイナルファンタジーⅧとは違って、ファンタジー色を前面に押し出した内容だった。
FF8はキャラクターの頭身が高めで、世界観も少しSFチックだった。
解説がぼんやりしている理由は、ぼくがFF8をプレイしていないからだ。


チョコボの不思議なダンジョンか何かに付属していたFF8の体験をプレイして、これは合わんなと思ったのだ。
ドローシステムがめんどくさかったり、レベル上げをすると敵のレベルも上がる仕様だったりが、ぼくのプレイスタイルとマッチしなかった。
世界観がファンタジーしてないじゃんというツッコミはいまいちピンとこなかったが、FF8をゲームシステムで敬遠した人はいると思う。
その点、FF9は原点回帰を掲げたらしく、ゲームロゴにもクリスタルがあしらわれている。
ファンタジーチックな世界観に、等身がデフォルメされたかわいらしいキャラクターなど、FF8とは対照的な内容だった。
一応言っておくと、別にFF8を貶しているわけではない。


しかし、序盤のコミカルな雰囲気やキャラクターの見た目とは裏腹に、"生と死"を意識させる内容だったように思う。
ストーリーが進んでいくにつれて人死にも増え、ジタンやビビの出生の秘密が明かされると"生きることの意味"をテーマとして投げかけてくる。
キャラクターそれぞれに生きる理由があり、しっかりとしたバックボーンがあるのが魅力的だった。


ゲームの端々にとにかくミニゲームが多いのも特徴で、ぼくはああいうのはすべてクリアするかベストなスコアを出さないと気が済まない。
ミニゲームをクリアしたいというより、クリアすることで手に入るアイテムを取りこぼすことなくプレイしたいので、逆に言えばアイテムという形で成果の出ないミニゲームには興味がなかった。
新しい敵が出現するたびにジタンの"ぬすむ"をアイテムが盗めなくなるまで繰り返すので、ミニゲームと合わさってとにかく話が先に進まなかった。
なぜかFF9はなかなか攻略本が発売されず、当時は攻略情報がネットでのみの公開だったのが未だに納得いかない。
その頃はまだまだネットが普及しておらず、情報は自宅にPCがある友人頼みだったが、まあそれもみんなでひとつのゲームをプレイしている気になって楽しかったのはある。
チョコボを駆使した発掘イベント【ここほれチョコボ】では、見つけるのが難しいお宝を自力で発見できたときは大興奮したものだ。
それでも、キャラクターの固有アビリティに空きがあってどうしても埋まらないときなんかは、どこでアイテムを取りこぼしたのか気になってしょうがなかった。
(FF9のアビリティは対象のアイテムを装備して一定回数戦闘すると使えるようになる)
エクスカリバーⅡは他のアイテムをほとんど諦めないと入手できないので、どうやってもコンプリートは無理なのだが。


当初、パーティはジタン・ビビ・ガーネット(ダガー)・クイナで進めていた。
余談だが、ガーネットが改名する際にデフォルトで名前が"ダガー"になっているのがとにかくカッコ悪く許しがたかったので、流れに逆らって"ガーネット"のままプレイしていた。
今ではガーネットの心情や開発者の気持ちを慮ることもできるので、ここからは"ダガー"とするが。
ダガーは作中のとあるイベントで声が出なくなり、戦闘中も"ダガーは集中できない!"と表示されてコマンドがキャンセルされるのがとにかく邪魔くさかった。
初回はそれでもヒロインであるという理由でダガーを使い続けていたが、二周目以降はエーコが加入した時点でお役御免としていた。
クイナも万能で使いやすいのだがいまいちキャラクターとして愛着が湧きづらく、最終的にはジタン・ビビ・エーコ・スタイナーで落ち着くこととなる。
固定で9999のダメージを与えられるクイナやフライヤを使うべきなのかもしれないが、強さだけでキャラクターを決めることほど無粋なことはないと思っているので、愛着重視の編成なのだ。
スパロボで何があろうとプルをスタメンに起用し続けるようなものだ。


FFにおける黒魔導士のキャラクターデザインはとにかく秀逸だと思う。
顔が隠れていて見えないのだが、道化師っぽい服装のため得体の知れなさとユーモラスさが見事に同居している。
そういう理由でビビが好きなので、彼はずっとパーティに入れていたし、キャラクターとしても素晴らしい。
FF9の初回購入特典であるビビのぬいぐるみは20年経った今も自宅に鎮座している。
次回作のファイナルファンタジーⅩは全体的にウェイ系のニオイがしたので(特にキャラクターから)、プレステ2を持っていなかったこともあり未だにプレイしていない。


あの頃は【聖剣伝説LEGEND OF MANA】【デュープリズム】【ガンパレードマーチ】【テイルズオブエターニア】もあったし、初代プレイステーション最後の輝きだったなあ。
【moon】【せがれいじり】【鈴木爆発】など、実験的な意欲作が多いのも初代プレステの特徴だった。
今はプレステ2のゲームですらレトロゲー扱いされるんだろうなと思うと、自分もレトロだと言われているようでちょっと切なくなる。