公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

今日、嘘をついたお前へ

最近、宅急便との相性が悪い。
先日は19~21時で時間帯指定をした荷物が20:30になっても到着せず、21時前になって業者から連絡があった。
手違いで配送が遅れたらしく、21時を少し過ぎてからやってきた。
毎回こうなら改善を要求するところだが、いつもは問題なく配達してくれているので、目くじらを立てることでもない。
しかし、こないだは配送業者というより自分の間抜けさと、人間の嫌な部分にうんざりする事態が起こった。


いつも、アポなしでの訪問には居留守を使うことにしている。
大体が光回線の営業か、NHKの料金徴収だからだ。
光回線の営業は基本的に胡散臭いし、うちにはテレビがなくスマホワンセグもないので、NHK料金を払う必要もない。
下手にオートロックを解除して同じマンションの住民に迷惑をかけてもいけないので、覚えのない訪問は無視するに限る。
宅急便が来ると分かっている日のみ、インターホンが鳴ったら対応するようにしている。
この日も荷物が来る予定だったし、休日だったので自宅で待機していた。


インターホンが鳴り、出ると女性の声で「宅急便です」と答えたので、愛想よく応答してオートロックを解除した。
ちょうど唐揚げを作っており、二度揚げ前の待機時間だったのでちょうどよかったと思い、マスクを着けボールペンを用意して待っていた。
夏場は部屋でTシャツとパンツのみなので、猥褻物チン列罪にならないように半ズボンを履くことも忘れてはならない。
しかし、待てど暮らせど、配送業者の女性がやって来る気配がない。
最初は他の部屋にも荷物を配っているのかと思ったが、5分経ってもこないのはいくらなんでもおかしい。
唐揚げもどんどん冷めてしまう。


何か手違いでもあったのかと思い、一応下まで降りて不在票の有無やトラックの存在を確認したが、ポストも空で車も停まっていなかった。
結論として、あの配送業者は偽物だったのだろう。
何か事情があってオートロックを解除しないといけない事態になり、内側から鍵を開けさせる必要があったのだ。
どんな事情があったのかは分からないが、まんまとしてやられた感が腹立つ。
鍵を忘れたのならそう正直に言えばいいのだ。(それでも開けるかどうかは微妙だが)
ぼくの部屋は上の階にあるので、決め打ちでもしない限りは下の階から順にピンポンをしてぼくまでたどり着いたことになる。
それだけ困っていたと言えばそうなのかもしれないが、やはりなんか釈然としない。
「あの部屋のやつちょろいし、なんかあったら言って開けさせようぜ」とか話してたらどうしよう、腹立つ。
開錠した際に「ありがとうございます」すらなかったので、愛想よく応対した自分がバカみたいだ。
嘘にまんまとひっかかった感が間抜けさを強調していてやるせない。


そもそも、鍵を忘れた住民であるとも限らないのだ。
何か悪意を持って侵入しようとしていたやつかもしれない。
今のところマンション内でトラブルがあった気配はないのだが、いくら身に覚えのある宅急便でも、どこからの荷物であるか確認するに限る。
唐揚げはおいしくできたのでよかったが、結局想定していた荷物も来なかったし、プラスマイナスでいうとちょいマイナスくらいだ。
こんなこともあるわと笑い飛ばすほどの器量の広さは有していないので、今日は一日釈然としない気持ちで過ごしていた。


今日、嘘をついてオートロックを開けさせたお前。
今からでもいいからポストにお礼の手紙でも投函しなさい。
時候の挨拶とか省いた簡単なやつでいいから。
ここで素直にお礼が言えるかによって、お前の今後が決まると言っても過言ではない。
これから困難や挫折に遭遇した場合、そうやって嘘ついて乗り切るような人間になるぞ。