公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

姓はポムポム名はプリン

その昔、【家なき子】というドラマがあった。
ドラマの中で、今でも心に残っているというかある種トラウマになっている描写がある。
物語の終盤でリュウ(犬)がすず(安達祐実)の入院している病院に向けて走っていた。
しかし、リュウは車にはねられて重傷を負ってしまう。
それでもリュウは立ち上がり、血まみれになりながらも必死にすずちゃんの元へ向かうのだ。
何で犬が安達祐実の元へ向かっていたのかとか細かいところは忘れたが、子供の頃に見たそのシーンは今も頭から離れない。
以来、動物の感動ものへの耐性が非常に弱くなった。


どうも、ペットショップが苦手である。
動物自体はとても好きなのだが、猫や犬がちっさい檻の中に入れられているのを見ると、なんともいたたまれない気持ちになる。
ぼくは犬や猫ではないので彼らの気持ちは分からないが、あの環境が動物たちにとって最適とは言えないだろう。
世の中は善人ばかりではないので、動物の入ったショーケースを叩くような、動物にストレスがかかる行為を平気でやるゴミカスもいるだろう。
動物に向かってかわいいと言っているかわいいアタシを見てアピールや、コワモテだけど意外と動物好きとかいう男のギャップアピールに利用されることもあるだろう。
そんなときの動物の気持ちを考えると不憫でしょうがない。
しかし、全ての動物を救うことはぼくにはできないので、中途半端な正義感でもある。


似たような理由で猫カフェも苦手だ。
そのへんの猫ではダメなんだろうか?ダメなんだろうな、写真映えしないもの。
前、とある猫保護団体の掲示物を読んだのだが、その団体は地域の野良猫の去勢手術もしているのだとか。
そして、その団体が去勢手術をした猫には、ある特徴がある。
ポスターには【片耳の先っぽに切り込みを入れて桜の花びらみたいにしてあります☆かわいいでしょ☆】みたいなことがポップに書かれていた。
耳の先っぽちょん切るとか恐ろしすぎる。
ちゃんと麻酔かけてもらってんのかとか、化膿しないのかとか、いろいろ考えてしまった。
殺処分されるよりはよっぽどいいだろうけど。


かわいいアピールと言えば、先日デカいポムポムプリンのぬいぐるみを身体の前で抱えて運んでいる女性を見た。
ゲーセンの景品で取ったと思われるが、袋に入れずにわざわざ持ち運びのしにくい手法を選ぶあたり、なかなかお腹が黒い。
本当に見てほしいのはポムポムプリンではなく、巨大なぬいぐるみを懸命に抱えるかわいい自分の姿だろう。
まあ、女性が女子女子しても見苦しくない期間は意外と短いから、後悔のないように女子期間を楽しめばいいと思う。
自分が望むのならいくつになっても女子女子できるが、周りの目を気にしない太い神経が必要になる。
若いころを振り返ると、何をやってもやり残したことがある気がするだろうが、もしかしたらあるかもなあと達観できるのならそれはいい青春である。
男子男子できずに歪んでしまった人間がここにいるのだから、時間の許す限りポムポムプリンを抱えた自分を見てもらえばいい。
何の話がしたかったんだっけ。