公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

海外セレブの着こなしは地方在住者にとっての東京おススメグルメ特集くらいどうでもいい

ちょっと前、とある事情で色んなファッションブランドやアイテムについてネット上で調査する機会があった。
ブラウザの検索バーにブランド名やアイテム名を入力すると、必ずと言っていいほど検索候補に『ダサい』という言葉が上がってくる。
そんなのを見ていると、今って洋服を着ることでオシャレに見せたいんじゃなくて、ダサく見えないことに重きを置いている人が多いんだろうなと、何だか切なくなった。
検索結果に上がったサイトを見てみると、ダサくないとする結論で話を進めている。
その理由が「歴史のあるブランドだから」「みんなが着ているから」などの説得力のない主観的な理由だった。
何でみんなが着ているのか言えよと。
今は気になることを簡単に調べられるため、みんなすぐに答えが欲しいのだ。
文章力もなく読みづらいサイトだった。


フォーマルファッションにルールはあるが、カジュアルファッションは自由なので、絶対的な指針はない。
自分で見つけるしかないのだけど、いきなり何もないところに放り出されて探してこいではさすがに不安だと思う。
だが、なまじ情報量が多いだけに、参考にするべき指標が見つけられないのだろう。
今はネットで簡単にブランドや着こなしの評判を調べられるので、叩かれがちなものからは距離を置きたいのだ。
例えば、あるweb記事では【ブランドのロゴTは女性受け最悪なアイテム】という内容のコラムがあった。
今はストリートファッション全盛なわけで、若者の間ではTシャツに限らずブランドロゴがでかでかとプリントされたアイテムは珍しくないけどなと思って見ていた。
かと思えば、【海外セレブに学ぶロゴTをカッコよく着る方法】みたいな記事もあって、見ている方からすればどっちを信じていいものか分からないだろう。
記事の運営元の提案するスタイルや対象とする年齢層によって内容が異なるのは当然だが、調べている方からすれば情報だけ得られればよくて背景までは気にしないと思う。


先日、とあるファッション誌で、【チェックシャツをオシャレに着こなすテクニック】という記事を読んだ。
safariだかLEONだかミドルエイジ向けのファッション誌が、おっさん向けにチェックシャツの着こなしを指南していたのだが、コーディネートの例として挙がっていたのが全て欧米人のスナップ写真だった。
どのスナップもチェックシャツをタックインしたり、ベルトが見えるかどうかくらいの丈でコンパクトに着こなしていたが、腰の位置がハッキリ分かると足の長さが分かってしまうので、日本人には不利な着こなしだ。
スタイルや筋肉の付き方が日本人とは違うので、彼らはジーパンにTシャツでもそれなりにサマになる。
日本人は童顔なので、年齢を重ねるとカジュアルすぎる格好は不向きになる。
そのため、最近はカジュアルとフォーマルのバランスを考えた服装を提案する個人やお店が多いのだろう。
SNSが普及して発信する場面や機会が増えたことも大きい。


好きなもの着たらいいじゃんと思うが、「好きなものがわからん」という人にはしんどいだろう。
「自分の好きなものがみんなに受け入れられるかわからん」とか考えずに、思う通りに楽しく過ごせる服装をすればいいと思う。
ファッション誌の提案するコーディネートは屁理屈の塊だくらいに思って、斜め読みするくらいがちょうどいい。