公共の秘密基地

好きなものも嫌いなものもたくさんある

アスカちゃんとシンジくんと綾波さん

ドラマでも映画でも本でも、見たものの内容を逐一覚えていたり、ストーリーを完璧に把握していたりする必要はないと思う。
触れた作品の中で一節でも心に残った記述があるとか、印象に残っているシーンがあるのであれば、それがその作品から自分が学んだこと・得たものと言える。
作品の楽しみ方はそれぞれなので、考証に考証を重ねて仲間と語り合うもよし、「おもしろかった」で終わるもよしなのだ。


youtubeエヴァ新劇場版3部作が無料公開されているので、久々に【ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q】を見たのだが、やっぱりよく分からなかった。
テレビアニメ版からずっと感じていたことだが、NERVの大人たちはとにかくダメ人間ばかりで、とにかく説明が足りない。
よかれと思って行動したシンジくんがあまりにも不憫である。

mezashiquick.hatenablog.jp

エヴァQはアスカの世話焼き女房っぷりと、3人が赤い砂漠を歩くシーンのバックに桜流しのイントロが流れるところと、次回予告でのミサトさんのテンションが本編と違いすぎるのが見どころだと思っているので、つまりラスト10分くらいがピークだ。
特に、アスカがシンジくんにカバンを着けてあげるシーンでの「もお~」の言い方がカワイイ。
シンジくんをガキ扱いしながらも、「助けてくれないんだ、私を」と吐露するアスカは、14年経っても少女で乙女のままだった。


「助けてくれない」とは、破のことを指すのだろうか。
アスカの搭乗した3号機が使徒に乗っ取られた際、シンジくんは抵抗せずにやられようとしていた。
しかし、綾波が零号機ごと使徒に食われたときは、少年漫画の熱血主人公のような熱さを見せ、能動的に助けようとしていた。
ぼくは、Qのアスカは旧劇場版のアスカだと思っているので、そうなると辻褄が合わなくなる。
アスカがQで登場した際、片目に眼帯をしていてプラグスーツも補修した跡があった。
あれは旧劇場版でエヴァ量産機に食われた跡と一致しているので、旧劇場版がそのまま新劇場版のQに繋がっているのではと踏んでいる。


エヴァについて考察している人は山ほどいて、ちょっと検索すればホームページやブログが大量に引っかかる。
そのどれもが大体何を言っているか分からず、「庵野監督はそこまで設定を考えていたわけではないのに、信者が勝手に補完してくれる」というのはあながち間違いではないかもしれない。
考察はそういった人らに任せておくとして、ぼくはキャラクターの心理描写やメカニックのカッコよさ、誰がどんなふうにカワイイとかの点に注目して見ようと思っている。
ぼくはオタクではないが、恋愛シミュレーションゲームやいわゆる萌えアニメみたいなのもたくさん見てきているので、「萌え」という観点からアニメを見ることに抵抗がない。
(ちょっとアニメを見た程度で"オタク"を自称する最近の風潮がどうも好きではない。オタクとは多数が通ってきた道をあえて通らないアンバランスさと、それゆえの鬱屈したエネルギー、そして自分たちがアングラな存在であることを理解してこそだと思う。)


普段アニメを見ないけどエヴァは見ているという層は、もしかするとアニメのキャラクターをカワイイと思うことに抵抗があるかもしれない。
エヴァを見だした当初、アスカの印象は最悪で、こんなヒステリックでワガママな女はありえんと思っていたが、ぼくが年を取って丸くなったのか、キャラクターの心情を理解できるようになったのか、激しい性格のキャラも受け入れられるようになった。
アスカは母に認められたいという一心と、自分の存在を確立するためにエヴァに乗っていて、自分のやるべきことを理解していて大人びているように見えるが、その実は非常に脆く、大人である加地さんや同年代のシンジくんに依存しようとする少女らしらもある。
そのあたりから、綾波の退廃的なエロさにも気付き、何かが一周回ったような気もしている。
そして新劇場版でのアスカ(苗字が"惣流"から"式波"に変わったことで、テレビ版~旧劇場版のアスカとは違うのではという説もあるが)には前述したような母性と、テレビ版にはなかった素直さもあり、キャラクターとしての深みが増したようにも思う。


最後に、ネットで見つけたエヴァQのストーリーについて説明するコピペが非常に見事だったので紹介する。
コピペを作成した人もQのヒロインはアスカであると分かっているようだ。

飲み会に一時間遅れていったシンジくんが「今なんの話?」って輪に加わろうとしたら、「盛り下がるから黙っててくれる?」って怒られて
優しい友達が、「このギャグやればバカうけだよ」って気を使ってくれたんで思い切ってやってみたら、「お前、それだけはやるなよ!」ってみんなに怒られて、
居酒屋の隅に寝っ転がって泣いてたら、友だちのアスカちゃんが「帰るわよ」って迎えに来てくれた話。